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Kintone初のニューヨークでのユーザー会を現地レポート

Kintoneはマンハッタンで摩天楼の輝きとなれるか?

2019年11月20日 09時00分更新

文● 金春利幸(アールスリーインスティテュート) 編集●大谷イビサ

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Kintoneでのシステム開発の価値

 琴絵さんからは、ジョイゾーのサービスとしておなじみの「システム39」について、その取り組みや意義、従来のシステム開発とは異なる価値についての紹介のあと、Kintoneを利用における心構えや事例が披露された。

 3人の子供の母である琴絵さんだが、今回のニューヨーク出張にあたって、子どもたちは見送ってくれなかったというエピソードを寂しそうに語るところから話は始まった。

 元SEではあるものの専業主婦の期間を経て、もうプログラミングはできないなと感じていたところにKintoneと出会い、これならこれまでの知識も活かせると、Kintoneでのシステム開発に参加するようになった。

 ジョイゾーが行なっている「システム39」は、日本初の定額制システム開発サービス。対面型SI開発の特徴として、以下の3点が挙げられた。

  • 人月に対して支払ってもらうのではなく、システムの価値に対してお支払いいただく
  • 日々変わる業務改善に対応するためには、ドキュメントの作成は無駄なのでドキュメントは作らない
  • 対象顧客は業務部門。その場でヒアリングし即開発

 ただ、Kintoneを使ってシステム化する時は次のポイントが重要だと琴絵さんは話す。

  • 業務効率をあげたい部分を明確にする
  • Kintoneでやるべきかどうかを考える
  • 課題になっている部分について考える
  • Kintoneの機能でできるかどうかを考える

 次の段階として、「自分たちでKintoneでアプリを作るときは、データを正しく設定することが大切。単体のアプリで終わるのか、複数のアプリで構成されるのかによってデータ設計の方針が変わってくる。そういったところを見据えてデータを設計をしていく必要がある」

 事例として、2つの事例が紹介された。

 1つ目は、星のやの事例が紹介された。近隣のレストランをスプレッドシートに管理していたが、それをKintoneに移したことによって、お客様のリクエストにあったレストランを素早く検索できるようになり、更に、お客様とのひもつけが管理されることによって、データベースとしての構造をしっかり作り、情報の多面的な利用ができるようになった。また、連携サービスと組み合わせることによって、転記ミスが減り、作業効率もアップした。

 2つ目は、アミックスコム。ケーブルテレビの工事の管理のため大量の紙のやりとりが行われていたものを、工事業者とゲストスペースでやりとりできるようにすることで、情報が可視化され共有されたことにより、年間100時間工数削減が実現された。ここでは、スケジュールを見やすくするために「カレンダーPlus」を利用した。

 最後に、ジョイゾーからアメリカにも提供されているプラグインが紹介され、トップバッターとなる重要なセッションが締めくくられた。

「カレンダーPlus」での効果的なスケジュール共有

 「クラウドおじさん」こと栄さんから、Kintoneの大人気プラグインである「カレンダーPlus」の説明。「カレンダーPlus」は多言語対応およびタイムゾーン対応もしており、Kintoneの北米環境である kintone.com でも問題なく利用することが可能だ。北米地域ではKintone Corporationを通じて販売されている。

 Kintoneの標準カレンダービューには、色分けできない、ドラッグできない、表示が隠れる、複数日設定できないなど不満が多いため、2015年から提供を開始したカレンダーPlus。老舗プラグインの1つであり、すでに日本ではかなりの導入実績を誇っている。用途も社内スケジュール管理、会議室予約、訪問介護の予定実績管理、音楽教室のレッスンルーム予約など幅広い。

 カレンダーPlusには、BasicとProの2バージョンある。Basicは月や週のカレンダーの表示に対応、Proにすると担当別、会議室別などリソースを別に軸を設定したカレンダーの表示が可能となる。

 Basicバージョンでの活用シナリオとしてグループスケジューラーが紹介された。カレンダーPlusでの表示内容はKintone標準の絞り込み条件と連動しているため、絞り込み条件をうまく設定することで、必要な見え方でカレンダーを見られる。

 Proバージョンでは、工程管理の例が紹介された。工程において利用される機材の割当を管理するため、リソース表示を活用し、機材ごとの予定を見やすく表示することできるようなると紹介。また、軸をプロジェクト別に切り替えることで、プロジェクトごとにどのような予定で機材を使うのかもわかるため、機材ぐりが安定する効果が得られる。

 既存アプリへのカレンダーPlus導入のコツとして、既存アプリはそのままにカレンダー用のアプリを作成、そこへルックアップでひもつけるのが効果的だと紹介された。

 北米では、スケジュールを共有するという文化が日本ほどないらしく、過去にサイボウズがグループウェアで北米市場に挑戦したときも、このスケジュールの共有の部分で苦戦したそうだ。

 カレンダーPlusを用いたスケジュールの共有は単なるスケジュールの共有に留まらず、Kintoneを用いた業務プロセスの改善の中でスケジュールの共有を行えるため、単純なカレンダーの共有とは異なる新たな価値を提供できるものとして期待できると思われた。

ノンプログラミングでカスタマイズできる「gusuku Customine」に驚き

 金春からは弊社の「gusuku Customine」の紹介を行なった。gusuku Customineは北米での販売もKintone Corporationを通じて行なっており、すでに北米での導入実績もある。今回は、新たに先週追加されたAmazon Connectとの連携デモも交え、gusuku Customineを用いてノーコード(JavaScriptによるプログラム開発なし)で、Kintoneをカスタマイズできるようになるメリットについて説明した。

 今回の参加者にはJavaScriptでのカスタマイズを行なっている人はおらず、gusuku Customineを用いることでプログラミングなしにカスタマイズができることに参加者は驚いていた。

 多数のプラグインを導入することによってプラグインの競合が発生し、動作に問題が起きるということは日本では比較的知られつつあるが、北米ではまだ提供されているプラグインが少ないこともあり、この問題を知らない人が多い。gusuku Customineでカスタマイズしている限りではこの競合問題は発生しないため、大きなメリットとなると紹介した。

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