スモールステップで英語学習を習慣に変える
もちろん、考えることが悪いといっているのではない。考えずともよい段階で考え込むことが、無駄だと言っているのだ。ハードルを極限まで下げたスモールステップが、行動を習慣へと変える。このロジックをベースに、ENGLISH COMPANYは、ウィルPMインターナショナルと共同でひとつのツールを開発した。「GRITカード」である。
「弊社の場合、自習時間は1日1時間から1時間半でかまわないと言っています。とはいえ昨日までゼロ時間だった人が、いきなり通しで1時間半勉強するのは、かなりキツイでしょう。でも、1回15分ならそれほどでもないはず。通勤時間などの隙間時間を利用して15分の学習を6回こなせば、それでも1時間半になります」(田畑氏)
GRITカードにはいくつかの種類がある。15分を1ブロックとして、4ブロックなら1日1時間。6ブロックなら1日1時間半。8ブロックなら1日2時間だ。まずは4ブロックから始めて、6ブロック、8ブロックと回数を増やしていくこともできる。
1個のブロックには「いつ」「どこで」「何を」学習するかが、書き込めるようになっている。受講生はすべての項目を、あらかじめ埋めておく。たとえば、朝の通勤電車で15分、単語帳のどこからどこまでを覚えると、あらかじめ決めておくのだ。先に甲畑氏が指摘したように、あらかじめ決めておくことが重要なのだ。朝の通勤電車に乗り、GRITカードを見る。そしてそこに書いてあることを粛々と始める。その繰り返しだ。
その行動がやがて習慣となれば、朝の通勤電車で単語帳を開かないと、気持ちが悪いと感じるようになるだろう。ちょうど歯磨きを忘れた朝のような気持ち悪さだ。