ソニーは3月27日、Bluetooth接続に対応したレコードプレーヤー「PS-LX310BT」を発表した。価格はオープンプライスで、発売は4月20日。店頭での販売価格は3万円弱になる見込みだ。
ここ10年でレコード市場は、かつてほどではないが広がりを見せ、生産枚数などが増加している。国内でも30%程度の増加がみられるという。これを背景にすぐ設置でき、手軽に使えるプレーヤーの需要が高まってきた。
一方で、音楽再生はかつてのようなコンポではなく、ワイヤレススピーカーの人気が高い。その場合、スマホやウォークマンを使った再生となる。最も多いソースは、音楽配信で購入したデータやCDからリッピングしたデータだが、PCなどでデジタル化したレコードをプレーヤーにコピーして再生しているユーザーも一定数いるという。そこで、デジタル化の手間なく、レコードに針を落とすだけで、直接ワイヤレススピーカーで再生できるアナログプレーヤーの市場に期待しているという。
PS-LX310BTは2008年発売の「PS-LX300USB」の後継モデルで、実に10年ぶりの更新。USBメモリーへの録音機能などは維持しつつ、扱いやすいフルオートタイプで、アナログ出力だけでなくBluetooth接続にも対応したモデルとした。操作はシンプルで、トーンアームを上げるボタンを押し、プレイボタンを押すだけだ。針がレコードの最後まで進むと自動的にアームが元の位置に戻る。レコードをセットしてしまえば、ダストカバーを閉じたまま、再生から終了まで完結できるので、ホコリが気になる人にも安心だ。
BluetoothコーデックはSBCとaptXに対応。本体左手前のBluetoothボタンを長押しすることで、ペアリングする。機器の登録は最大8台まで可能だが、液晶ディスプレーや切り替えるためのボタンなどはないため、最後に接続したものから順に探していく形となる。
LINE出力はPHONOイコライザーを通す設定と、通さず外部のMMカートリッジ対応フォノイコライザーに出力する設定が切り替えられる。PHONOイコライザーは3種類のゲイン(LOW:-4dB/MID:0dB/HIGH:+6dB)に対応しており、Bluetoothに出力する際の音量もこのゲイン設定が反映される。レコードの録音レベルは、年代やジャンルによってまちまちなので、それに配慮した形だ。ケーブルはカートリッジから直出しになっている。
なお、USB経由での録音機能(WAV:44.1kHzまたは48kHz/16bit)は持つが、PS-LX300USBとは異なり、録音したりデータを編集するソフト(SoundForge)は付属しない。「Audacity」など、フリーソフトがあるため、より低価格で提供する意図だという。
入門クラスではあるが、トーンアームはアルミ製、プラッターもアルミダイキャストにするなど、上位の「PS-HX500」になるべく近づけるようにしている。カートリッジ交換はできず、針が消耗した場合はサービス対応となるとのこと。
本体サイズは幅430×奥行き367×高さ108mmで、重量は約3.5㎏。33回転と45回転が選べる。
訂正とお詫び:USB経由での録音機能は、パソコンと接続して、レコードの再生音を録音する機能となります。(2019年3月28日)