マカフィーは11月29日にセキュリティ製品「リブセーフ」(LiveSafe)の新版を発売する。「システムパフォーマンスの向上」と「家庭におけるデジタル脅威への対策」の2つに焦点を当てたのが特徴だ。
リブセーフは、Windowsはもちろん、macOS、iOS、Androidにも対応したクロスデバイス対応の製品だ。年間契約の利用料は発生するが、インストール台数は無制限となっており、単純なアンチウイルス機能だけでなく、ランサムウェア対策、パスワード管理、ウェブ閲覧の保護、ファイルの暗号化といった統合的な機能を提供するものになっている。
このリブセーフの新機能や、米国のセキュリティ状況について、米国本社から来日した同社エヴァンジェリスト、ギャリー・デイビス氏に聞いた。
コネクテッドデバイスが増える時代、より「人の問題」の解決が求められる
── 新しいリブセーフでは、デジタルライフの保護機能が強化されましたが。
デイビス 「新機能を入れるにあたって、いくつか考えるべきことがありました。ひとつはエンジンをより賢くすること。AIや機械学習を使っていきます。もうひとつはペアレンタルコントロールですね。子供たちがネットに接する機会が増せば、その分だけ危険が増えますし、自分たちのモバイルデバイスを使うことが中心になれば、その状況を親が把握しにくくなる面もあります。つまり、モバイルまわりの管理機能の強化が必要になります。
また、IoTの保護については、すでに北米では大きなトピックスになっています。様々なデバイスがネットに接続するようになれば、抱える脆弱性も増えていきますから」
── 米国のデジタルライフでいま課題になっている点は?
デイビス 「家庭にデジタルライフが浸透する中で『プライバシーの問題』が取りざたされるようになってきたのは、ご存知のとおりです。ほかにはコーヒーショップなどに置かれた『Wi-Fi(公衆無線LAN)』のセキュリティ、『ランサムウェア』も依然としてホットな分野です。ネット接続可能な機器が増えたことにより、その脆弱性が毎日のようにニュースになっています。
私の自宅にはこうした機器(コネクテッドデバイス)が合計28台あるのですが、これはラップトップやスマートフォンを除いたものです。3台のサーモスタット、6台のAlexaデバイス、5台のスマートテレビ、多数のネットワークカメラやドアベル、電子レンジ、ステレオシステム……などで、クリスマスライトですらWi-Fi接続でコントロールしているわけです。デジタル化して家が便利になる一方で、オンラインの脅威や脆弱性のリスクにさらされる機会が増えました。
また、クリスマスシーズンは『フィッシングメール』やそのほかの『サイバー犯罪』が増える傾向があります。理由は休暇の時期になると、意識が緩みがちで、疑いのある電子メールやテキストメッセージをクリックしてしまうからです。
これらをまとめると、『プライバシー』『コネクテッドデバイス(IoT機器)の増加』、そして『自分の子供がオンラインで何をしているかを把握すること』が、米国ユーザーの関心事と言えるでしょう。私が強く言いたいのは、休暇シーズンこそ気を引き締めてほしいという点です。このイベントを狙ってサイバー犯罪が増えるのです」