台湾の国立交通大学および慶應義塾大学の研究者らは、VRヘッドセットを装着したユーザーの顔面に圧力を生じさせるシステム「FacePush(フェイス・プッシュ)」を発表した。顔に圧力をかけることで、ボクシングなどのVR体験がよりリアルに感じられるという。
個別のデバイスではなくヘッドセットに統合されたシステムで、モーターを用いて顔両側にあるパーツを動かし、その反作用でユーザーの顔を押して感触を再現する。
用途例としてボクシング、ダイビング、360度ガイダンスのVRアプリを挙げられており、殴られた衝撃や水の流れを感じたり、360度見渡す際に見るべきポイントを知らせるなどを想定しているという。ボクシングのコンテンツでは、楽しさとリアリティの観点からユーザーのフィードバックを分析したとのこと。顔にかける圧力のパターンも複数を検討し、快適性を考慮しているという。
VRの中で触覚を感じる仕組みとしてはこれまでジャケット型のデバイスや手に装着するデバイスなどが開発されているが、今回のFacePushのような「顔で触覚を感じる」アプローチは珍しく、今後の応用や展開が期待される。