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ぜんぜん違うのだが、どうも頭の中でくっついてしまって……:

松屋「豚と茄子の辛味噌炒め定食」にiPhone XSを感じた理由

2018年09月20日 18時00分更新

文● モーダル小嶋/ASCII

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iPhoneのことを考えすぎて
牛丼チェーン店でも頭に浮かんでしまう

 新しいiPhoneが発売されたからといって、このタイトルはいくらなんでも牽強付会ではないか、それどころかふざけているのでは、大丈夫かこいつ、と思われるかもしれない。まずは、このような見出しをつけるにいたった経緯を説明していく。恐れ入りますが、ちょっと長くなります。

 IT系ニュースサイトの編集部にいると、最新のガジェットに対しての知識は頭に入ってくる。それはもう、否が応でも、というぐらい。アスキーに入ってから、毎年9月になるとiPhone情報に(担当でなくとも)かかりきりになるのが恒例だった。大げさな言い方だけれど、心も身体もどんどんiPhone一色になっていく。

 こうなってくると、仕事では当然iPhoneのことは頭をよぎるし、町を歩いていても家電量販店やキャリアショップなどが目に入れば考えざるをえなくなる。寝ても覚めてもiPhone。ましてiPhone 7ユーザーの自分は、そろそろ買い替えてもよいかな、などと思案に暮れている真っ最中である。2年縛りを待ったやつが相手なら、iPhone購入を考えざるをえない。

 「記事は用意しなくちゃだし、自分で買うかもだし」なので、例年以上に思考が支配されている状態だ。自分の場合、さらにASCII.jp編集部でグルメの情報を書いているもので、iPhoneを見ても食べ物を見ても「記事にしなくては」と考えてしまうのだから、もはや職業病とさえいえるかもしれない。

iPhone XS Max(アップル)

 先日のアップルの発表を見たときは、ウワサ通りのものがそのまま出てきて、なかなかワクワクしきれなかった感もある。おまけにiPhone XSは12万1824円から、iPhone XS Maxはさらに13万4784円から(いずれもSIMフリー版)。この価格には尻込みしてしまう。「世の中のiPhoneは高すぎて買えなぁい!」と叫ぶ自分と、とはいえなんだかんだでずっとiPhone、ついでにMacユーザーだったこともあって「アップルだぁいすき」と手でハートマークを作ってしまう自分がいる。

 もちろん、アップルがよいとか悪いとか、単純に決めつけるのもよろしくない。スマートフォン市場の需要が頭打ちになった今日では、体験価値(付加価値)を高めて、製品単価を上げるのが鉄則なのだろう。スマホの機能面での進化がいまさら急速に進むとも思えない。ブランドの価値を一定に守るため、値段を一気に下げたりセール品を出したりしてまで、シェアを普及しようと考えていないのかもしれない。なんだかルイ・ヴィトンみたいだ。

Apple StoreではiPhone XSは12万1824円(999ドル)から

 そんなこんなで、iPhone XS、iPhone XS Maxともに「iPhone X」の進化系という感じで、今までにない斬新さを打ち出してこなかったのはさみしい……仕方ないのかもしれないな、カメラは進化しているわけだし……やっぱり高くないかしら……などと、外食中でさえ、ふとiPhoneのことを考え始めてしまう。

 以上が、このような見出しの記事を書くことになった理由である。うーん、やっぱり長いな……。それに、あらためて振り返ってみると、なんだかおかしい人なだけでは、と見られても言い逃れできない感もあるな……。

松屋の定食もiPhone XSも順当な進化である

 ともかく、iPhone XRは発売が先だし、スペックで見るなら、無難にiPhone XSか、あたらしいサイズ感のiPhone XS Maxを個人的には選びたいところ。でもあの価格だからなあ、どうしようかなあ、と思いながら、編集部からほど近い松屋に向かう。復刻した「焼き牛めし」にするか、いやカレーにするか……と考えて券売機と向き合っていると、期間限定メニューの定食が目に入った。

 「豚と茄子の辛味噌炒め定食」。9月18日から発売しており(一部店舗除く)、ライス・みそ汁・生野菜付きで価格は630円。肉が2倍でかつ、ライス大盛または特盛に無料で変更できるW定食は930円。

豚と茄子の辛味噌炒め定食(松屋)

 例年、秋の定番メニューとして登場している、ナスと豚肉を味噌ダレで絡めて炒めた定食。今年から、シャキシャキとした食感をうたう白髪ねぎものせている。発売を記念して、豚と茄子の辛味噌炒め定食を注文すると、ライス大盛が無料になるサービスも9月25日18時まで実施する。

2018年から白髪ねぎが追加された

 一言で言うと、クオリティーが高い。松屋の定食というと、このところ「茄子とネギの香味醤油ハンバーグ定食」「ケイジャンチキン定食」など、味が濃い(というか、濃すぎるとさえ思う)仕上がりのものが多かったけれど、そんなこともない。ご飯にきっちりとあう味付けで、じつにバランスがよい。新しく加わった白髪ねぎも、悪かろうはずがない組み合わせで、よくぞ入れてくれたものだと思う。定番メニューなので、根本は変えず、ブラッシュアップでよいという判断なのだろう。

豚肉、ナス、白髪ねぎ、タマネギと、食感もたのしい

しっかりした味で、ご飯に合う

 ところで、食べ物関連の記事を書いていると、ちょっと困るのが「復活したメニュー」「今年も登場した定番メニュー」の扱いだ。「前と同じ味でおいしい」ではさすがに記事にならないのだけれど、かといって「うわあ、とても変わっているぞ!」というわけでもないとなると、意外と記事を書き上げるのがむずかしい。

 「やっぱりおいしい、安定の味」と書けばいいかもしれないとはいえ、ほんとうにそれだけでよいのか、読む側としては退屈しないだろうかと、いろいろと頭を使ってしまう。取っ掛かりが見つけにくいと表現するべきか。なんだか、ぜいたくな話ではあるけれども。

ナスの光沢がiPhone XRの新カラーを思わせる……などということはないですね

 iPhone XS、iPhone XS Maxについても、どうもネット上ではそんなことが言われている気がする(iPhone XRは発売が少し先ということもあり、比較的、話題になることが少ないようだ)。いや、さすがに自分の観測範囲では松屋を引き合いに出している人はいないけれど、「iPhone Xからの順当な進化、モノはいいけれど価格がちょっと」なるニュアンスの評価は見かける。自分も同じような考えを持っており、松屋特有の熱すぎるみそ汁を飲みながら、なにを購入したらよいものかとぼんやり悩んでいた。

定番と呼べるものだから、クオリティーは高い
新しい要素に満足できるかがポイントかも

 すでに完成度が高いものに、新要素を少しずつのせていく。そこが松屋の新しい定食とアップルの新しいiPhoneに共通するところではないか、という話を編集部で展開したら、悲しい顔をされた。「何を言っているんだろう、こいつは」と思われたのだろう。たしかに自分が誰かに同じ話をされたら「何を言っているんだろう、こいつは」とツッコむはずだ。人間は、他人が置かれている状況に対しては客観的に見られるが、自分の身に降り掛かったことになると冷静に判断ができなくなるという、よい見本である。

 そうそう、あたらしいiPhoneのポイントは、とくにカメラにあるらしい。広角カメラが大型化され、2倍の読み出しスピードをそなえたことで、相当な進化を遂げているのだそうだ。そこは興味深いポイントである一方、自分で使ってみないとなんともいえない部分でもあり、ますます悩ましい。使っているうちに「よかった!」となるかもしれないし、使い込まないと「そうでもないな」と戸惑うかもしれない。この点も自分にとって迷いどころになっている。

アップルがデザインしたA12 BionicとNeural Engine、マシンラーニングの組み合わせによって、カメラ画質が向上している……とのこと

 iPhone XS、iPhone XS Maxは9月21日に発売される。「新しいiPhone、当然買うんでしょ?」などと無責任に煽ってくる周りの人たちに、「じゃあ、あなたは買うの?」と問うてみると、「どうしようかなー」などと言うので無責任なものだ。はたしてどれくらい売れるのだろうなあと思いつつ、まだどのモデルを購入するか微妙に迷いながら、夜型の編集部にしても遅い夕食をとるべく、また松屋に向かうのだった。


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