beyerdynamicの新製品発表会が春のヘッドフォン祭 2018の会場で開催。CESで海外発表済みの「Amiron wireless JP」を披露した。Amiron Homeのワイヤレス版となる。社内評価のため発売時期は調整中で、夏を目安としている。海外価格の699ユーロを考慮して決める。
シニア・プロダクトマネージャーのグンター・ワイデマン氏が登壇。テーマは昨年のAvento wirelessから継続したもので、「MAKE IT YOURS」(=MIY)だ。アプリを利用し、音量に追従してダイナミックに音調を整えてくれる技術を持つ。音声処理技術を提供するベルリンのMIMI Hearing Technologiesの技術を採用。日本語の耳とも音が同じで親しみを持って受け入れられているとした。
同ブランドの特徴である高い磁力でドライバーを駆動する、テスラテクノロジーを採用。aptX HDやaptX Lowlatencyなどにも対応する。連続再生時間は約30時間と長い。Aventho wirelessと同様タッチパッド操作が可能で、英語での音声ガイドも提供。有線での利用も可能だ。イヤーパッドはマイクロベロア、ヘッドバンドはアルカンターラ素材。
インピーダンスは32Ω。5Hz~40kHzの再生に対応。重量は380g。
専用アプリの「MIY」は、ユーザーの耳に合った音を計測・分析し、それに見合った再生をする。iOS版の日本語バージョンもリリース済みとのこと。
機能としては聴力テストとプロファイル生成機能がある。年齢でもプロファイルを選べるが、約6分間のテストをすればより詳しいパーソナライズができる。耳の左右それぞれでビープ音があったらボタンを押すというテストを繰り返し、周波数帯域別に最小可聴値を見つけ、サウンドカーブを作る仕組みだ。イコライザーに似ているが、よりインテリジェンスな処理となっている。小さい音量でも音楽が聞こえやすくなるほか、大きな音量ではフラットな再生ができる点が特徴だという。
健康に配慮したトラッキング機能も持つ。ユーザーのリスニング習慣や、時間・音量の追跡、1日のリスニングの目安を管理することで、耳の健康を維持できるという。例えばアプリで想定している時間の80%を超えると、1日のリスニング目安に到達するので音量を下げた方がいいといったアラートが出る。ヘッドフォン側のタッチ機能の感度を調整するUIも持つ。手袋などで操作する際などに有効だ。
なお既発表のインイヤー型製品「XLENTO wireless」に関しても、現在発売に向けて調整中であり、もう少し時間がかかるようだ。
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