トーンモバイルは、保護者も安心して子供にiPhoneを渡せるようになるというSIM「TONE SIM(for iPhone)」(税抜月1500円)を4月上旬に発売する。開発に至る経緯や機能などについてメディア向けの説明会が開催された。
端末との組み合わせで“安心スマホ”を提供してきたトーン
iPhoneでも同じようにシステム全体での安心さを実現
ドコモMVNOとして格安スマホを提供しているトーンモバイルは、「便利・カンタン・安心なスマホ」と銘打ち、専用のAndroidスマホとSIMのセット提供のみにすることで、強力なフィルタリング機能や見守り機能、アフターサポートを実現。若年層、シニア層にターゲットを絞り、サービスを展開している。実際に10代と50代以上のユーザーで69%を占めているという。
しかし、日本はスマホの2/3がiPhoneを占めるという市場。子供も年齢が上がるにしたがい、「同級生と同じもの」としてiPhoneを欲しがる傾向が強い。もちろん主要キャリアからはiPhone向けにも各種フィルタリング機能が提供されているが、それを回避するためのまとめサイトなどが存在しているのが現実だ。そこで親と子の両方にとってWin-Winになる最強のiPhoneソリューションを目指すべく、2年をかけて子供向けのサービスを開発してきたという。
TONE SIM(for iPhone)は、具体的には法人ユーザー向けiPhoneなどでも用いられている、iOSのモバイルデバイス管理(MDM)機能と専用アプリの組み合わせで実現されている。iPhoneに設定アプリをインストール後にSIMを挿入すると、自動設定ファイルがダウンロード。端末の管理に必要なアプリも自動的に導入される。
あとは保護者側の管理アプリから、端末の現在位置や1日の移動場所の確認、一定エリア外に出た場合の通知、インターネットの利用状況のレポート送信、Safari/カメラアプリの利用制限(アイコンが消える)などが可能だ。
URLのフィルタリングについては単純に問題があるサイトにアクセスできないだけでなく、親への許可を求めたり、親子間であらかじめ作成した約束リスト(テンプレートがサイト上に用意)を作成し、それを保護者側の管理アプリで撮影すると、そのとおりに制限されるなど、話し合いの中で使い方を決めていけるようにする工夫が施されている。なお、子供が勝手に端末をリセットしたり、管理アプリを削除すると場合はモバイル通信ができなくなるという。
対応端末はiPhone 5s/5c以降(iOS 10以上)。au/ソフトバンク版については、SIMロック解除が必要。ネットワーク面のサービス自体は従来のトーンモバイルと同じで、500~600kbpsのデータ通信が原則使い放題。ネット動画を見るときなど高速回線が必要な場合は、1GBあたり税抜350円で追加可能。基本はデータSIMで、050番号のIP電話が標準で利用可能だが(1回10分までの通話定額オプションは税抜月500円)、音声SIMへの切り替えも可能でその場合はプラス税抜月950円となる。
同社代表取締役社長の石田宏樹氏は、本製品で「子供のスマートフォン問題を解決していきたい」と意気込みを語るとともに、「(格安スマホという)レッドオーシャン市場に投入するブルーオーシャンなSIM」と、他MVNOとは違ったアプローチで格安スマホ市場に取り組んでいく姿勢をあらためて示した。