4万円台のモバイルノート、使い勝手は?
「STYLE-11HP013-C-CE」は、ユニットコムが販売する11.6型ノートパソコン。
4万2098円というリーズナブルな価格が魅力だが、HDMI端子、D-sub 15ピンなどの入出力端子や、SDスロットを標準搭載するなど、選択するメリットも多い。
標準ではCPUにCeleron N3450(1.1GHz)を採用し、4GBメモリー(DDR3L-1600)、500GB HDDという構成。事務作業やウェブブラウジング、メールの送受信などであれば、問題なく快適に使用できるスペックだ。
それでは、実際の使用感はどうか、1週間ほど試用して感じた点をまとめてみる(キーボードとディスプレーについては前回の記事で触れているため、割愛)。
まず、およそ幅292×奥行210×高さ29mm、約1.14kgというサイズ感は、携帯するのにちょうどいいサイズだ。
モバイルノートが各社から多数ラインアップされている昨今では、もっと薄く軽いモデルはいくらでもあるが、STYLE-11HP013-C-CEくらいの大きさが、個人的には使い勝手がいいように思う。
というのも、このくらい厚みがあると、内部の基盤とボトムケースとの間に適度に隙間があるので、ある程度までの衝撃ならボトムケースが吸収してくれるというメリットがある。実際に、キーボード側、ボトム側それぞれに強く力を加えて押し込んでみても、ケースが軽くたわむだけで、内部の基盤に触れた感触はない。
サイズ的に頻繁にカバンなどに入れて持ち出すのが想定されるが、このくらいの耐久性があれば、満員電車での圧迫など普段考えられるダメージでの故障は、ほぼ心配いらないだろう。落下や、鋭利で硬い物質にぶつけてしまう事態に注意すれば、外的な力が加わって壊れてしまうことはほぼない。
耐久性という意味では、ヒンジの構造にも注目したい。以前、個人的に使用していたノートパソコンのヒンジが壊れてしまったときがあった。構造を見てみると、ボトムケースにねじ止めされたヒンジの上から薄いプラスチックのカバーを装着しているというもので、ボトムケース側のネジ留め部分に繰り返し負荷がかかったため、疲弊して折れてしまったのだ。
本機の場合、ボトムケース側に入った切れ込みに、ディスプレーのベゼル/トップカバーと一体成型された突起が差し込まれるかたちのヒンジを採用している。
このため、最も力がかかる部分にかかる負荷を、ベゼルのパーツ、トップカバーのパーツで受け止める格好になっており、構造的に強い。内部に仕込まれたヒンジもほどよく硬めで、長年の使用にも耐えてくれそうな印象を受ける。
トラックパッドの改善に期待
マウス併用がおすすめ
ディスプレー、キーボード、また耐久性に関してもよく作られているSTYLE-11HP013-C-CEだが、唯一トラックパッドの使用感は課題に感じる。
指への追従性は及第点だが、2本指でのスクロールや軽くなぞった際の反応が、時折鈍くなることがある。静電容量式のトラックパッドなので、指の乾燥の具合や、個人差によっても使用感は変わってくるかもしれない。
丁寧にカーソルを動かす分には問題ないが、軽くなぞって対象の箇所にカーソルを合わせたい場合などに、たまに思うような反応が得られないときがあった。
また、クリックボタンの幅の狭さと、クリック感の弱さも気になる点。人差し指や中指でカーソルを動かしつつ、親指でクリックをしようとすると、思ったよりもクリックボタンの範囲が狭く、たまにパッド側を押してしまった。
本体が小さいので仕方ない部分ではあるが、フットプリントやキーボードを縮小するのと同じように、トラックパッドもコンパクトなサイズになってしまっている。このクラスのモバイルノートに慣れていないと、しばらくはあつかいに苦労する可能性がある。本体の小ささを活かして、小型のマウスを併用して使うのもおすすめだが、ある程度使用して、モバイルマシン特有の小ささに慣れてしまうのもいいかもしれない。
PCMark 8で処理性能をチェック!
では、STYLE-11HP013-C-CEの性能はどうか、「PCMark 8」でベンチマークテストを実施した。スコアは1706という結果に。Celeron N3450を採用しているので、ゲーミングパソコン並みの処理性能を期待するモデルではない。したがって、妥当なスコアと評価できると思う。
3Dゲームや動画の処理など、CPUに高い負荷がかかる処理には適していないものの、事務作業やブラウジングなど、家庭で通常利用する分には不満に思う点は少ないだろう。
総評すると、4万2098円という安価な価格設定が使用感や処理性能に影響している部分はあるものの、通常利用では目をつぶれる範囲に収まっていると評価できる。普通に使える性能のノートで、大きなストレージ容量を確保しているマシンがおよそ4万円で購入できると考えれば、コストパフォーマンスは高い。
前回にも書いたが、動画ストリーミングや音楽ストリーミングの専用機として運用すると面白いと思う。あるいは、家族共用の簡易作業用、個人のサブ機としてなど、さまざまな使い方にフィットする製品だ。
試用機の主なスペック | |
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機種名 | STYLE-11HP013-C-CE |
CPU | Celeron N3450(1.1GHz) |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス 500 |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 500GB HDD |
ディスプレー | 11.6型(1366×768ドット) |
内蔵ドライブ | ー |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2 |
インターフェース | USB 3.0端子、USB 2.0端子×2、HDMI端子、D-sub 15ピン、マイク入力端子、ヘッドフォン/スピーカー出力端子、有線LAN端子、SDカードスロット |
サイズ/重量 | およそ幅292×奥行210×高さ29mm/約1.14kg |
OS | Windows 10 Home(64bit) |