ちっちゃくても高性能、イケてる小型PC「NEXTGEAR-C」の魅力
犯人はヤス!? G-Tuneの高性能を1.6kgの筐体に凝縮した仕掛人に聞く
持ち運びできるほどコンパクトかつハイパワーなゲーミングPC、それでいてデスクトップ機。
一行で説明するならばそうなるが、この設計のこだわりようはゲームユーザー以外にもアピールするのではないか。マウスコンピュータのゲーミングPC専門ブランド・G-Tuneから新たに発売された「NEXTGEAR-C」シリーズは、コンパクトさと高性能の両立を目指した「持ち運べるデスクトップPC」という斬新な製品だ。
ギュッと凝縮された、ソリッドなボディーに興味津々
据え置きタイプの家庭用ゲーム機などよりも小さな筐体に、Core i7-7700HQ(4コア8スレッド、2.8Hz、TB時:最大3.8GHz)という高性能なCPUを搭載。ゲーム用途をターゲットにしているだけあり、GPUもNVIDIA GeForce GTX 1060(3GB)を採用し、ストレージもSSD M.2とHDDの2系統を用意している上、BTOで最大3TBまで拡張可能だ。さらに、HDMI端子×2とDisplayPortにUSB 3.0と2.0をそれぞれ4つ用意しているなど端子類も充実しており、ゲームに限らずVR用途なども意識した仕様となっている。
そもそもゲーム用PCといえばスペック重視ならデスクトップがメインで、持ち運びするなら大型のノートPC、というのが相場だった。だが、この「NEXTGEAR-C」シリーズは液晶やバッテリーなどを廃し、排熱機構の設計を凝らすことで、そこらのノートPCよりも小さくて軽いデスクトップ機に仕上げてある。
コンセプトはLANパーティーや友人宅などのディスプレーがある環境に、自分のマシンを気軽に持ち込めること。3系統のディスプレー出力でVRユーザーにもアピールするこの製品はどのようにして企画されたのか。仕掛け人にあたるG-Tune担当のヤスさん、もとい、安田さんに聞いてみましたヨ。
FPSも十分にプレイできるスペックを追究してみました!
──いやぁ、コンパクトでありながらハイスペックな仕様になっていますねー。
Core i7-7700HQにGeForce GTX 1060を搭載しているので、この小さな筐体でFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)だとか、ある程度スペックを要するゲームタイトルであっても十分にプレイできるだけのスペックを備えています。基本的なゲームならまったく問題なくプレイできますね。
──持ち運べるほど小型。どこにでも置ける。自宅で使いたいと思う人も多いんじゃないでしょうか。
そうですね、寝室やリビングなどでも、場所を問わずに置けるというのが、このモデルのコンセプトになっておりますので! ただ、元々のコンセプトが生まれたのは、サードパーティさんへのマシン提供を行なう形で協力しているときに、「軽量で持ち運びできるPCが欲しい」、ただし「キーボードとマウスは自前のものを使いたい」という話を聞いたこと。普通オフィスのデスクにはディスプレーがセットされている環境が多いので、それならいっそのこと液晶パネルも取っ払って、必要最小限のモデルを作ったらいいんじゃない? ってことだったんです。
──開発には時間かかったでしょう? 期間はどのくらいだったんですか?
実は、企画としてはだい~ぶ前からありました。転機が訪れたのは、Pascal世代のGPUが出たあたりです。これでようやく小型でも十分ハイスペックなPCを出せるようになるぞ、ということで企画が本格始動しました。純粋な開発期間でいくとだいたい昨年末ぐらいからスタートですかね。
──昨年末から。実際動き出してからはスピーディーに進んだんですね。
そうですね!
豊富な端子類に加え、NVIDIAの“VR Ready”にも対応
──法人向けモデルの場合、OpenGLなどCADを意識したGPU搭載の小型機を見かけますが、それでもGeForce GTX 10x0搭載製品でここまで小さいのは珍しいかと思います。「NEXTGEAR-C」シリーズは法人向けじゃなくて、ゲーマー向けなんですよね?
ええ。まず一番最初に考えているのは、“LANパーティ”に来られるような方ですね。生粋のゲーマーというとちょっと語弊があるんですけれども、そういったイベントによく参加される方に持ち運んでほしい。で、2番目にに考えてるのが“VR用途”です。VR Readyを満たしているPCなので、省スペースでコンパクトなVR環境を作れるようになってます!
──これなら、背負いたいかも! どうにかならんものですかね。
はは(笑)。そうですね、やはり持ち運んで動かすとなると衝撃もありますし、リュックに入れたりすると熱の問題も出てきてしまうので。バックパックで持ち運びたいという声は確かに一定数あるとは思いますが、国内で常用したいという方がどの程度いるのか未知数ということがあって、現時点では製品化は難しいという判断です。