パソコンに興味があるなら、多コアCPUのCore Xシリーズが気にならない人はいない。そして、高速なCPUを使うのであれば、それに見合うようストレージはNVMeのSSDにしたいし、メモリーも64GBは欲しい。光学ドライブは……といったように、どんどんとほしいスペックが具体的になっていく。とはいえ、パソコンのスペックを考えたところで、理想通りの1台が売っていることはまずなく、大抵の場合は近いもので妥協することになる。
イチからパソコンを自作できるような人であれば自分で何とかできるだろうが、みんながみんな自作できるわけでもない。そこでおすすめなのが、パソコンメーカーのBTOパソコンだ。基本スペックは決まっているものの、豊富なパーツから選んでカスタマイズできるため、より凝った、理想に近いパソコンが手に入れられるのだ。
熱がこもらない大型メッシュケースに水冷クーラーが標準の
「LEVEL-FA29-LCi7SX-XNVI」をベースにカスタマイズ
ゲームからクリエイティブな作業まで、万能に使える最強クラスの性能を持つパソコンを考えてみよう。CPUは10コアの「Core i9-7900X」、グラフィックはGeForce GTX 1080Tiあたりが必須条件で、あとはこのハイエンドパーツをしっかりと動かせる環境として、熱を逃しやすいメッシュケース、CPUを強力に冷却できる水冷クーラーあたりがほしいところだ。
この条件を満たしたBTOパソコンを探してみたところ、iiyamaPC LEVEL∞の「LEVEL-FA29-LCi7SX-XNVI」にたどり着いた。とくにメッシュを多用した「CoolerMaster MASTER CASE 5」は通気性に優れており、高スペックなパソコンにピッタリといえるだろう。また、標準でGPUがGeForce GTX 1080Tiということ、水冷クーラーを搭載していることもポイントだ。つまりCPUさえ変更すれば、理想のスペックそのものになる。
まずはCPUからカスタマイズしていこう。標準では6コアの「Core i7-7800X」だが、これを10コアの「Core i9-7900X」に変更。メニューから変更したいパーツをクリックするだけでいいという、非常にわかりやすいものだ。また、カスタマイズしたパーツは右上に「カスタマイズ済み」と出るので、何を変更したのかわかりやすいのもうれしい。
このCPUを冷却するのは、Asetekの簡易水冷クーラー「550LC」。12cmのラジエーターとポンプが一体化されており、メンテナンスフリーで使えるのが特徴だ。対応するCPUの幅が広いので、BTOパソコンや自作パソコンで多く使われている、実績のあるパーツだ。高速なCPUを搭載するのであれば、強力に冷やせる水冷クーラーだと安心感がある。
これでほぼ理想のスペックとなったが、もうひとつこだわっておきたいポイントがある。それが、SSD。標準で250GBのNVMe対応SSDとなっているのだが、同じNVMeでも製品によって速度が違い、とくにライト性能が大きく変わってくる。
せっかく高速なCPUを使うのであれば、SSDもそれに見合うものにしたい。そこで、SSDは「Samsung 960 EVO」へと変更した。容量も250GBから500GBに倍増するため、容量面でもかなり余裕を感じるだろう。
GPUは標準でGeForceGTX 1080 Tiとなっているモデルを選んでいるので変更はなし。実際に搭載されているグラボはASUSの「TURBO-GTX1080TI-11G」で、ファンの軸受に2つのボールベアリングを採用した“デュアルボールベアリングファン”仕様となっているのが特徴だ。これによりファンの寿命が伸び、長期間安心して使えるのがうれしい。出力はDisplayPort 1.4×2、HDMI 2.0×2の合計4つを備えている。
最終的にどんなスペックのパソコンとなってるのかまとめておこう。最強クラスの性能となるため価格はかなり高くなってしまっているが、どんな用途でも不満なく使えるのは間違いない。
試用機の主なスペック | ||
---|---|---|
機種名 | 基本スペック | カスタマイズ後 |
CPU | Core i7-7800X(2.5GHz) | Core i9-7900X(3.6GHz) |
グラフィックス | GeForce GTX 1080 Ti(11GB GDDR5X) | |
チップセット | X299チップセット(ASUS X299-A) | |
メモリー | 64GB | |
ストレージ | 250GB SSD NVME M.2(PCI Exp.3.0×4)、1TB HDD | 500GB SSD(Samusung 960 EVO)/NVMe M.2(PCI Exp.3.0×4)、1TB HDD |
内蔵ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T) | |
インターフェース | USB 3.0端子×6、USB 3.1端子、USB 3.1(Type-C)端子、USB 2.0端子×2、DisplayPort 1.4×2、HDMI 2.0端子×2、アナログ8chサウンド、有線LAN端子、S/PDIF出力端子など) | |
サイズ | およそ幅235×奥行520×高さ550mm | |
OS | Windows 10 Home(64bit) | |
価格 | 31万6418円 | 42万6535円 |
※価格や採用パーツのメーカーは10月3日現在のものです。時期によって変動する場合があります。