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ゲーム実況などで活躍するユニークなユーティリティーが付属

タワー型に負けない性能の小型ゲーミングPCなら「MSI Trident 3」がオススメ

2017年07月21日 17時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

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「MSI Trident 3」

 家庭用ゲーム機のようなデザインが魅力のゲーミングデスクトップパソコン「MSI Trident 3」。CPUには高速なCore i7-7700(3.6GHz)、GPUはミドルレンジのGeForce GTX 1060を搭載するなど、ゲーミング性能の方も負けず劣らず高い。実際どのくらいの速度となるのか、いくつかのベンチマークソフトでチェックしてみよう。

 まずはCPU性能を「CINEBENCH R15」で調べてみよう。このソフトはCGレンダリングの速度でCPU性能を調べるもので、独自スコアーの「cb」という単位で結果を表示してくれる。数値が高いほど高速という意味だ。マルチスレッド処理に向いているため、CPUのもつ最大性能をチェックするのに向いている。

CPU性能を比較するのに便利な「CINEBENCH R15」。さすがCore i7だけあって、スコアーは883cbと高い

 結果は見ての通りで、マルチスレッドで883cb、シングルコアで182cbという値になった。この数値だけで高性能化どうかの判断は難しいので、Kaby Lake世代の性能をチェックした加藤勝明氏の記事内のスコアーと見比べてみよう。

 CPU内蔵のグラフィックを使っているという違いはあるものの、参考までに比べてみると、MSI Trident 3のCPU性能はほかのCore i7-7700搭載機とまったく同じということがわかる。つまり、本体が小さいことによる性能低下はないわけだ。単純にスペックが高いだけでなく、CPUの性能をフルに使える証左といえるだろう。

 ゲーミング性能のチェックとして、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」での結果もチェックしてみよう。最高品質、フルHD、フルスクリーンという条件でのスコアーは、11604。7000超えで「非常に快適」となり、GeForce GTX 1060を搭載したゲーミングPCでは順当なスコアーだ。もちろん、ゲームのプレーも問題ない。

スコアーが7000を超えると「非常に快適」という結果に。10000を超えていると、重たいシーンでもカクツキが目立たなくなる印象だ

 ストレージはNVMe対応のM.2 SSD(256GB)と、HDD(1TB)のデュアル構成。システムに高速なSSDを使うことで体感速度を向上させつつ、別途HDDを搭載することで、写真や映像、音楽といったサイズの大きなファイルも余裕で保存できるというのがメリットだ。それぞれの速度を「CrystalDiskMark」で調べてみよう。

シーケンシャルリードで1500MB/s以上という超高速なSSDを採用。ソフトの起動が速く、ゲームでのマップ読み込みで待たされるということも少なくなる

7200rpmと高回転なHDDを搭載。SSDと比べれば桁違いに遅く感じてしまうが、1TBという大容量を活かしたデータ保存用としては十分な性能だ

 とくに注目したいのが、SSDの速さ。1500MB/sといえばSATA3の約3倍の速度だ。CPUやグラフィック性能だけでなく、体感速度を大きく左右するSSDにも高速な製品を採用しているというのがうれしい。また、HDDにも7200rpmの高速モデルを採用している。SSDと比べてしまうと大きく見劣りするが、2.5インチHDDとしては十分な速度だ。

 基本的な性能はこのくらいにして、ちょっと気になった部分も見ていこう。LANはギガビットの有線LANと11ac対応の無線LANを搭載しているのだが、実はこの無線LAN、最大433Mbpsまでという制限がある。イマドキのノートPCであれば867Mbpsまで対応しているだけに、この部分で見劣りしてしまうのは残念だ。

 とはいえ、高速で安定した接続をしたいなら有線LANを使えばいいだけのこと。普段は自室で使っているが、たまにはリビングの大きなテレビで遊びたいといったように、一時的に使う時用だと割り切れば不満はないだろう。

11acに対応しているが、速度は433Mbps。スペック的に見劣りしてしまうが、ウェブを見たりゲームをしたりするには問題ない速度だ

ユニークなユーティリティーが付属

 性能とは直接関係ないのだが、MSI Trident 3には「MSI Gaming Center」という便利なユーティリティー集が付属していたので、最後に紹介しておこう。これはゲームプレーや実況などで活躍してくれる機能を手軽に使えるようにしてくれるもので、マウスやキーボードのマクロ、画質変更、本体LEDのカラー変更、システムモニターなどの機能が用意されている。

実況プレーなどで使う「Xsplit」や、機能の呼び出しに便利なホットキーなどを設定できる「Gaming Hotkey」といった、多数のユーティリティーがある

メディアプレーヤー操作やソフト起動、ゲーム画面を隠す「ボスが来た」などをホットキーに割り当てられる。マクロ機能も装備

表示する画質を変更してくれる機能。暗く沈んで見えない部分の輝度を上げ、しっかり見えるようにしてくれる「Gaming」など、多数のモードを装備

本体内蔵のフルカラーLEDの色を変更し、好みの色で光るように変更できる機能。単純に光らせるだけでなく、色や輝度を変化させたり、音楽に合わせて変更したりといった設定が可能だ

 MSI Trident 3は単純に性能が高いというだけでなく、便利なユーティリティーによって使い勝手まで考えられている1台だ。

 さらに、家庭用ゲーム機のような見た目のカッコよさ、友人宅に集まってのプレーやLANパーティー用パソコンとして使える小ささなど、よくあるタワー型パソコンにはない魅力的な部分も多い。価格は19万8000円と高めになってしまうものの、個性的な製品を探しているならチェックしておきたいモデルだ。

試用機の主なスペック
製品名 MSI Trident 3 VR7RC-075JP
CPU Core i7-7700(3.6GHz)
グラフィックス GeForce GTX 1060(6GB GDDR5)
メモリー 16GB
ストレージ 256GB SSD(NVMe対応 M.2)、1TB HDD
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)
インターフェース(前面) USB 3.1(Type-C)端子、USB 3.1、ヘッドフォン出力/マイク入力端子、HDMI出力端子(VR Link)
インターフェース(背面) USB 3.1端子、USB 2.0端子×4、HDMI出力端子、HDMI入力端子、OFCオーディオ出力、有線LAN端子
サイズ/重量 およそ幅346.25×奥行232.47×高さ71.83mm(スタンド未装着時)/約3.17kg
OS Windows 10 Home(64bit)

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