NHKメディアテクノロジーとジャパンディスプレイは7月12日、共同開発中の「ライトフィールドディスプレイ」を報道関係者向けに公開した。
ライトフィールドディスプレイは裸眼での立体視が可能となるディスプレー技術で、見る角度(約130度まで)によって画面に表示された静止画(の被写体)の角度も変わって見えるというもの。
左右の目の視差でも見える画像が違うため、立体視できる。なお、左右だけでなく、上下から見ても角度が変わって見える。
展示されていた開発機は17型で、ディスプレー自体の解像度は8Kとなっている。
表示するコンテンツは専用に用意する必要があり、その制作はNHKメディアテクノロジーが、ハードウェア(ディスプレー)はジャパンディスプレイが開発。両技術を組み合わせることで裸眼3D表示を可能としている。
具体的にどのような仕組みかは明かされなかったので、ここからは筆者の予想となるが、おそらくディスプレー前面にレンズの役割をするシートが貼られており、さまざまな方向へ角度の異なる複数の画像を表示。
パネルは8Kだが表示解像度的にはフルHD、とのことなので、単純に考えれば16の方向に異なる映像を表示できる。
表示するコンテンツも複数方向から撮影している、とのことで、これを見る角度に合わせて最適な角度の画像が表示されるように加工。これにより、まるで実体があるかのような光の反射を再現し、自然な立体視が可能となる。
上記の予想が当たっているかはともかく、裸眼3D技術を採用した製品や参考展示は過去に存在したが、実際にライトフィールドディスプレイを見てみると、それらより高精細であり、より自然な立体感を感じた。
現在のところ製品化の具体的な予定はないが、将来的にはデジタルサイネージやエンターテインメント分野での実用化を目指しているとのこと。
コンテンツについても、現在は静止画のみだが、動画についてもCGであれば実現のめどが立っているという。実写映像についてはまだ開発中とのことだ。