SORACOM Funnelの機能拡張やLoRaWANデバイスのオープン化も

ソラコム、月額0.4ドルからの低トラフィック向け料金体系を発表

大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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5月10日、IoTプラットフォームを展開するソラコムは、月額0.4ドルから利用可能な低トラフィック向けの新料金体系を発表。あわせて、SORACOM Funnelのアダプター開発プログラムやLoRaWANデバイスのオープン化などを発表し、パートナー施策を大きく強化した。

月に数MB程度の遠隔監視や動態監視に最適な料金プラン

 今回発表されたのはIoT向けの通信サービス「SORACOM Air for セルラー」の新料金体系「Low Data Volume」。遠隔監視や動態監視など月に数MB程度という用途を前提に、基本料金0.4米ドル(約45円)/月、データ通信料金0.5米ドル/MBで通信サービスを提供する(以下、すべて税別)。2Gや3Gに対応するグローバル向けSIMをベースに低廉な料金を実現しているため、日本においてもグローバル向けSIMでの提供になる。

低トラフィック向けの新料金体系Low Data Volume

 これまでSORACOM Air for セルラーは、国内で300円~(1日10円ベース)、グローバルで180円~の基本料金で提供されていたが、通信量がきわめて少ない用途ではより低廉なプランが求められていたという。今回発表されたLow Data Volumeでは、データ通信料金がやや高めに設定されているものの、基本料金を大きく下げられている。そのため、デバイス数が多いにもかかわらず、データ送信量が少なく、間歇的な通信の場合はコストを下げることが可能になるという。

SORACOM Air for セルラーの料金体系

 新料金体系でもSORACOMの各サービスはすべて利用でき、プロトコル変換を行なうSORACOM Beamやクラウドサービスに最適化されたアダプタを利用できるSORACOM Funnelによって、データ量を減らしたり、通信をセキュアにすること可能だ。サービス開始は5月16日から(日本では17時未明から)。

SORACOM Funnelの機能拡張やLoRaWANデバイスのオープン化を実施

 アダプターという接続機能により、クラウドサービスの連携を提供する「SORACOM Funnel」の機能拡張も発表。新たに「Partner Hosted Adaptor」が追加され、AWSやMicrosoftなどのメジャーなサービスのみならず、ソラコムのパートナーが展開するIoTソリューションとの連携も可能になった。

SPSパートナー自らがアダプターを開発できる「Partner Hosted Adaptor」

 2017年5月の時点で対応を発表したのは、セゾン情報システムズの「DataSpider Servista」、ウイングアーク1stの「MotionBoard」、Kiiの「Kii」の3つのIoTソリューション。今後もSPSパートナーによるアダプター開発が進んでいく予定となっている。さらにSORACOMパートナースペースでのパートナーとして、認定のインテグレーション・パートナーとしてNEC、認定ソリューション・パートナーとしてKiiやKYOSO、日置電機などが新たに名前を連ねた。

 低速ながら長距離の転送が可能なLoRaWANに関しては、デバイスのオープン化を実施する。ソラコムが提供してきた開発者向けのリファレンスLoRaゲートウェイのみならず、SORACOMプラットフォームで利用できるLoRaデバイスを登録申請できるようにした。

LoRaWANデバイスの認定とオープン化を開始

 現時点ではエイビット、STマイクロエレクトロニクス、GIVESupply、Braveridge、MultiTech、富士通コンポーネットなど。チップとコントローラー、無線などを搭載したLoRaモジュールやモジュールにセンサーを組み合わせたLoRaデバイスの形態で提供される。

国内の鉄板パターンのほか、グローバルでの事例も披露

 事前のプレス説明会では、ソラコム代表取締役社長の玉川憲氏が新サービスの概要を説明したほか、ユーザー事例やグローバル展開について説明した。

ソラコム代表取締役社長の玉川憲氏

 事例に関してはICT建機とのセキュアな通信を実現したコマツのSmart Constructionをはじめとし、一人暮らしの女性向けにワンコインでホームセキュリティを提供するスマートルームセキュリティ、東京駅周辺の無料巡回バスの位置と到着時間を配信する日の丸自動車興業、工場のPLCから電力使用量を取得し、電力の見える化と節約を実現したトーア紡コーポレーションなどが披露。パートナーとの協業ソリューションが徐々に増えてきているのが印象的だ。

 また、グローバルにおいても、HTMSの省電力化を実現するENERBRAINやワインの運搬においてコンテナの温湿度を管理するITSMOS、IoTのスマートエナジープラットフォームを目指すOMNIFLOWなど、顧客事例が現れてきているとのこと。「サービスはグローバル対応、現地へのアダプトはスーパーローカルを目指す」というソラコムでは、北米や欧州での現地スタッフやパートナーも徐々に増やしているという。

初出時、タイトルに「月額4ドルから」のと記載しましたが、正しくは「月額0.4ドルから」になります。お詫びし、訂正させていただきます。本文は訂正済みです。(2017年5月10日)

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