楽天(株)は24日、(公社)日本プロサッカーリーグと「JリーグオフィシャルECプラットフォームパートナー」契約を締結したと発表した。7月中旬を目途に「Jリーグオンラインストア」をリニューアルし、楽天はECサイトの構築から運営などを支援する。
「Jリーグオンラインストア」を全クラブのECプラットフォームに
「Jリーグオンラインストア」はこれまで、希望するクラブのスマートフォンカバーなどのオーダーグッズを制作し、販売していたが、リニューアル後はJ1・J2・J3を横断した統一のECプラットフォームとなり、全クラブのユニホームやTシャツなどのグッズが購入できるようになる。
楽天はECサイトの構築、商品ページの制作、商品の入荷・保管・発送といった物流代行、カスタマーサポートなど、ECプラットフォームの構築から運営・顧客フォローまでをワンストップで支援する。物流代行は、楽天の物流アウトソーシングサービス「楽天スーパーロジスティクス」を提供。物流センター「RFC市川」(千葉県市川市)で入荷・保管・発送などの物流業務を行う。また、楽天グループ各サイトからの集客や、購買データを活用したターゲット層へのアプローチなど、マーケティングも支援する。決済では、楽天会員IDでオンライン決済できる「楽天ペイ」が利用でき、「楽天ペイ」を利用時には「楽天スーパーポイント」の貯蓄・利用ができる。
サポーターやサッカーファンにとっては、スマホサイトからの購入や決済手段の拡充、ポイント取得などで、グッズ購入の利便性が向上する。Jリーグの各クラブにとっては、販売機会の増加、EC業務にかける時間・手間の削減、物販売上の拡大、顧客情報の取得などが見込める。
三木谷氏「楽天の存在意義を示し、Jリーグの発展を支援する」
楽天が「Jリーグオンラインストア」で担う業務は、(株)スタートトゥデイが「ZOZOTOWN」で行っている受託ショップと似ており、全54クラブのグッズを楽天の物流センターに取りまとめて商品ページを作成し、全国のサポーターやサッカーファンにグッズを届けるというプラットフォームとなる。楽天のノウハウやサービスをフル活用した支援業務となり、スポーツ振興に積極的な楽天の本気度が伝わってくる内容だ。
楽天の三木谷浩史会長兼社長は、「楽天のフィロソフィーは、地域経済をエンパワーメントすることがベースにある。これはJリーグの理念とマッチしている。楽天グループで持っている1億人を超える会員データベースなどを活用し、さまざまな支援で楽天グループの存在意義を示せる。より地域との親交を深められる。Jリーグの発展を側面から応援し、世界から注目されるリーグになってほしい」と意気込みを語った。
また、楽天はJ1・ヴィッセル神戸の親会社で、利害関係のある立場だが、Jリーグ側は「その点については十分話をしている。全クラブに等距離のサービスを提供し、全クラブにメリットがある取組みとなる」と話している。
J1優勝クラブのグッズ売上は、2012年~16年の平均でプロ野球の優勝チームの約16分の1程度しかない。Jリーグは楽天との協業で、Jリーグのグッズ販売市場の拡大を目指す。
(山本 剛資)