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デスクトップ型に8ベイモデルも登場、10Gネットワーク時代に本格対応

10ギガ標準、サーバーCPU搭載の新世代ReadyNASがやって来た

2017年02月06日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ネットギア

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 昨年(2016年)後半から今年1月の米CES(Consumer Electronics Show)において、ネットギアは法人向けReadyNAS製品の新モデルを投入した。これら“新世代”ReadyNASの特徴を一言で言えば、中小規模ネットワークも含めた「10ギガ(10G)ネットワークへの本格対応」ということになるだろう。

 ネットギアでは、今後数年で中堅中小企業においても10Gネットワークが本格的に普及してくると考えており、ポート数が少なく比較的安価なフル10Gスイッチ製品も含め、すでにそのラインアップを拡大しつつある。コアスイッチ部分を10G化し、大容量化するオフィスネットワークニーズに対応するものだ。

 今回は、10Gポートを搭載したデスクトップ型の2機種(ReadyNAS 626X/628X)とラックマウント型の1機種(ReadyNAS 4312)の実機を見ながら、ハードウェア面での進化を中心に最新モデルの特徴を紹介していこう。

デスクトップ型8ベイモデルのReadyNAS 628X(左)、6ベイモデルのReadyNAS 626X

デスクトップ型では8ベイモデルが登場、オフィスの大容量ニーズに対応

 はじめにデスクトップ型のReadyNAS 626XとReadyNAS 628Xを見てみよう。いずれも、同時アクセスユーザー数が最大120人の環境向けのモデルとなっている。

 フロントパネルは、従来モデルの光沢のあるブラックからシルバーの削り出し風パネルになり、印象が大きく変わった。操作ボタン(十字ボタン+決定ボタン)も、タッチスクリーン式からクリック感のある物理ボタンに変更されている。

 

フロントパネルの操作ボタン。押すと青く光る

 ReadyNAS 628Xは、デスクトップ型ReadyNASで初めての8ベイモデルとなる。6ベイモデルのReadyNAS 626Xと本体サイズを比較すると、幅や奥行きは同じで少しだけ背が高い(高さ259mmと319mm)。10TB HDDを利用すれば最大物理容量は80TBにもなるので、大容量データを頻繁に保存/共有するオフィス向けのモデルと言えるだろう。

ReadyNAS 628X(左)とReadyNAS 626Xのフロントパネルを開けたところ。628Xは、幅と奥行きはそのままで高くなった形だ

 次に背面を見ると、8つのドライブベイを冷却するため、ReadyNAS 628Xのほうは静音ファンを縦に2つ並べている。加えて、外観からはわからないが、内蔵電源もReadyNAS 626Xは200W、ReadyNAS 628Xは250Wと異なる。

 もっとも、ReadyNAS 626X/628Xの違いは上述した程度で、その他の部分は同じだ。

ReadyNAS 628X(左)はファンが2つになった

10ギガのスピードに対応するため再設計、Xeon Dや大容量メモリを搭載

 さて、ここからは10ギガネットワークへの対応についてだ。

 冒頭でも述べたとおり、新世代の法人向けReadyNASは10Gポートを標準搭載している。ReadyNAS 626X/628Xの背面にも10Gポートが2つ(加えて1Gポートも2つ)備わっている。

本体背面。上からeSATAポート×1、USB 3.0ポート×2、1Gポート×2、そして10Gポート×2

 このポートはリンクアグリゲーション(IEEE 802.3ad)に対応しているので、対応する10Gスイッチと2本のケーブルで接続すれば、より高速かつ安定したネットワークが利用できることになる。

 ただし、ネットギア幹部も語っていたように、既存の製品に10Gポートを追加しただけでは「10Gネットワークに対応したNAS」とは言えない。NAS本体の処理スピードも高速化しなければ、高速化したネットワークに処理が追いつかないからだ。

 そのため新世代ReadyNASでは10G向けに再設計を行い、新しいサーバー向けCPUや大容量メモリを搭載している。たとえばReadyNAS 626X/628Xでは、インテルのサーバー向けクアッドコアSoC(2.4GHz/インテルXeon D1521)と8GBのメモリを搭載している。法人向けネットワークストレージの製品選びでは、このあたりの“実力”もしっかりと見極めるようにしたい。

ラックマウント型のReadyNAS 4312、iSCSI接続で仮想化環境のストレージにも

 続いてラックマウント型の新製品、ReadyNAS 4312を見てみよう。ReadyNAS 4312は、2Uサイズの筐体に12個のドライブベイを内蔵しており、最大物理容量は120TB、最大同時アクセスユーザー数は160人となっている。

ラックマウント型のReadyNAS 4312

 正面には新たに着脱式のフロントパネルが付属し、従来モデルとは印象が変わった。このフロントパネルは付属のカギでロックすることができるので、サーバールームに設置する際の安心感が少し高まる。

フロントパネルはロックできる(左)。取り外すと12個のドライブベイがある

 各種ポートは背面側にある。10Gポート×2(ReadyNAS 4312Xは10GBASE-T、4312Sは10GSFP+スロット)と1Gポート×4のほか、USB 3.0ポート×2、eSATAポート×2を備える。

 もちろん、ReadyNAS 4312もリンクアグリゲーションに対応しており、2つの10Gポートを束ねて利用することができる。ReadyNAS 4312は「VMware Ready」製品であり(前出のReadyNAS 626X/628Xも同様)、iSCSI接続で仮想化環境のプライマリストレージとして利用できるが、その場合もReadyNASと仮想化のホストサーバーを10Gスイッチに接続し、リンクアグリゲーションでネットワークを強化すれば、より活躍できるはずだ。

ReadyNAS 4312の背面。ちなみに同モデルはホットスワップ可能な冗長電源を備える

 搭載するCPUはクアッドコアのインテルXeon E3-1245v5(3.5GHz)、標準搭載するメモリは16GBだ。メモリは最大64GBまで拡張が可能になっており、このあたりはやはり、前述のデスクトップ型よりもパワフルな設計だと言える。

 以下、今回紹介したReadyNAS各機種の主要ハードウェアスペックをまとめる。

ReadyNAS 626X ReadyNAS 628X ReadyNAS 4312
価格(税込) 69万1200円
(3TB HDD×6付属)
オープン価格
(HDD別売)
133万9200円
(3TB HDD×12付属)
HDDドライブベイ数 6 8 12
HDDホットスワップ
最大物理容量 60TB 80TB 120TB
CPU(SoC) クアッドコア
Xeon D1521 2.4GHz
クアッドコア
Xeon E3-1245v5 3.5GHz
メモリ 8GB DDR4 ECC 16GB DDR4 ECC
(64GBまで拡張可)
寸法 D288 x W192 x H259(mm) D288 x W192 x H319(mm) D707 x W445 x H88(mm)
本体重量
(HDD含まず)
7.9kg 9.38kg 11.96kg
消費電力
(動作時)
96W 85.6W 163W
ポート USB 3.0×3、eSATA×1 USB 3.0×2、eSATA×2
ネットワーク
インタフェース
10GbE×2、1GbE×2 10GbE×2(10GBASE-T/10G SFP+)、1GbE×4
本体保証期間 5年間(HDD含む)

“5段階のデータ保護”などのソフトウェア機能もより使いやすく

 最後にソフトウェア機能を見ておこう。

 ReadyNASでは全モデルで共通のファームウェア(ReadyNAS OS)を採用しており、利用できる機能も同じだ。自動拡張RAIDの「X-RAID2」や「回数無制限のスナップショット」といった“5段階のデータ保護”機能、社外からでもReadyNAS上のファイルに安全なリモートアクセスができる「ReadyCLOUD」などを備える。

 なお最新版ファームウェア(ReadyNAS OS 6.6.x)では、「Ready DR」という新機能も追加されている。これは、ローカルネットワーク内にある2台のReadyNAS間での、スナップショットベースのブロックレベル非同期レプリケーションを簡単に設定できるものだ。また、ネットワーク機能としてはタグVLANに対応している。

共通基本機能
RAIDモード JBOD、RAID 0/1/5/6/10(1+0)、X-RAID2
ファイル転送
プロトコル
CIFS/SMB 3(Windows)
AFP 3.3(Mac OS X)
NFSv4(Linux/UNIXなど)
HTTP/HTTPS/FTP/FTPS/Rsync/WebDAV
Active Directory/SSL
iSCSI LUN

 以上、今回は新製品ReadyNASの特徴を見てきた。ネットギアでは中小規模ネットワーク向けフル10Gスイッチの50%オフキャンペーンも開始しており、中堅中小企業市場への“10ギガ”製品拡大に本腰を入れている。オフィス内で扱うデータがさらに大容量化していく将来に備えて、今のうちから注目しておくべきだろう。

(提供:ネットギア)

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