テレビ放送やネット動画、あるいはネットブラウジングなどをリビングでみんなで楽しめるモニター一体型PC「ESPRIMO WF1/X」。CPUにインテル Core i7-6700Tを搭載し、そのパワー自体も期待できる本機。今回はその使い勝手やマシンスペックなどについて検証してみた。
使いやすさ、見やすさがよく考えられている「ESPRIMO WF1/X」
まず本機の設計コンセプトについて考えてみよう。個人で使うPCであれば、机の上に固定してずっと同じ環境で使っていくほうが便利なことは明らかだが、「ESPRIMO WF1/X」の場合は、複数人で取り囲んで使う、一緒に楽しむということが前提となっている。そう考えると、必要なときにちょっとリビングに運んで使うというシーンもよくあるのではないだろうか。
そのとき、複雑な配線をいちいち外したり、一人で運ぶのがたいへんな重さであったりするとたいへんだ。本機ではそうしたことが起こらないよう、本体だけでことが済むように考えられている。たとえばストレージについては標準で1TBのHDDが搭載されており、オプションで3TBまで拡張することができる。動画を録画するといった用途を考えても、3TBあれば普通は十分な容量だろう。
本機の重さは約7kgで、多少重いが部屋を移動する程度なら一人で小脇に抱えて運べる重さ。PCを運ぶとき、コード類がいろいろあるとからまったり、意外にジャマなことが多いので、キーボードとマウスがワイヤレスであるのもいい。同様に、ネットについても1000BASE-Tの有線LANポートが用意されているが、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANも搭載されているのはうれしいところ。
モニターの視野角はかなり広く、角度がない状態でも画面を見ることができた。これも複数人で画面を見るという使用シーンに使い勝手がいい。さらに、モニターの角度を変えることができる。PCのモニターは垂直なことが多いが、本機では9度後ろに倒れている。これを最大22度まで倒すことができるようになっている。テーブルなどに置いて、のぞき込むような形で見る場合に便利だ。
さて、本機で気になるのはテレビ機能であるが、通常の地上デジタルだけでなく、BSデジタル、110度CSデジタル放送にも対応している。もちろん録画も可能なだけでなく、microSDカードに描き出して、外出先などで楽しめるSeeQVaultにも対応している。
操作はマウスだけでできるが、PCに慣れていない人でも使えるようにリモコンも用意されている。このリモコンは通常のテレビのリモコンとボタン類は変わらないので、テレビだけを見たい人も戸惑うことはないだろう。また、画面は全画面表示だけでなく、ウィンドウ表示にすることもできるので、画面の片隅で気になるテレビ番組を表示しながら作業を行なうということも可能だ。
「ESPRIMO WF1/X」のスペックと快適さ
「ESPRIMO WF1/X」のスペックは前回お伝えしたが、再度おさらいしておこう。CPU-Zを用いた結果は下記の通り。
CPUにはのCore i7-6700Tが使われているが、この「T」というのは消費電力が低いタイプとなる。テレビ機能を使う場合、長時間動作させることも考えられるので、消費電力は低いに越したことはない。ちなみに本機の消費電力は35Wとなっている。
続いてWindowsマシンとしての快適さを測るWIN SCORE SHAREで計測してみた。CPUとメモリーは8.3という高いポイントとなった。HDDの5.9ポイントも及第点だろう。グラフィックスはCPU内蔵のGPUということを考えると、このくらいだろう。3Dグラフィックスを多用するゲームなどで遊ばなければ、PCとしてのパフォーマンスは申し分ないところだ。
さらにCrystalDiskMarkを使ってHDDの速度を計測してみた結果は下記の通りだ。
ランダムアクセスの数値が少し低いが、大きく影響が出る範囲ではない。ストレージを速くしたい場合には256GBのSSDと1TBまたは3TBのHDDを搭載することも選べるが、その分価格が高くなってしまうので思案のしどころだ。
CPUがSkylake世代を採用していることから、PCとしてのポテンシャルは高い「ESPRIMO WF1/X」。次回は、グラフィックス性能やマシン性能について、ベンチマークなどを行ない、「ESPRIMO WF1/X」の実力を測ってみる。