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東京電力エナジーパートナー「スタンダード」「プレミアム」「スマートライフ」「夜トク」

大手電力会社の電力自由化 東京電力エナジーパートナーの新料金プラン

2016年09月02日 09時00分更新

文● MOVIEW 清水、編集●オオタ/ASCII.jp

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 電力小売り自由化が4月から開始され、これまで新規参入会社の電力サービスを紹介してきた。では、これまで電力を供給してきた大手電力会社は以前のままなのだろうか。以前、関西電力が首都圏に向けた提供している電気プランを紹介したが、各大手電力会社もこれまでと違う新しい料金プランの提供を開始している。

 今回は、その中でも最大手となる東京電力エナジーパートナーによる、電力自由化以降に開始された新料金プランについて紹介しよう。

東京電力エナジーパートナーの電力自由化についてのWebサイト。料金シミュレーションもある

管轄エリア外への提供も開始

 東京電力エナジーパートナーは、東京電力の分社化によって誕生した小売り事業を担当する企業。管轄エリアはこれまでと同じく首都圏1都7県と富士川以東の静岡県だが、電力自由化に伴って、中部電力と関西電力の管轄地域にも電力供給を開始した。

東京電力エナジーパートナーの電力供給地域

料金プランは、従来の料金プランもそのまま残っている

 東京電力エナジーパートナーの料金プランは、従来からある従量電灯B・C、低圧電力はそのまま残り、新たにスタンダード、プレミアム、スマートライフ、夜トクというプランが増えている。スタンダードとプレミアムは提供エリアすべてに設定されているが、スマートライフと夜トクは、東京電力管轄地域だけの提供となっている。

各料金プランの目安。これまでほとんどの人が加入していた従量電灯Bが8000円までのプランに位置付けられており、平均額で考えるとほとんどの家庭が新しいプランへの移行を考えたほうがいいことがわかる

 従来からある従量電灯Bプランの料金を紹介しておくと、基本料金は10Aあたり280.80円。40Aであれば1123.20円、50Aであれば1404円となる。これに加え、3段階の従量料金があり、120kWhまでは1kWhあたり19.52円、120~300kWhは26円、300kWh以上は30.02円となっている。

 新しい料金プランをプラン別に比較していこう。まずはスタンダードプラン。スタンダードプランの中にはS・L・Xと3つのプランが用意されているが、普通はスタンダードSプランを選択するだろう。

 基本料金はこれまでと変わらないが、従量料金が2段階となっていて、300kWhまでは23.40円、300kWh以上は30.02円。300kWh以上の単価は同じなので、300kWhで比較すると、従来が7022.4円なのに対し、スタンダードプランでは7020円となり、その差はほとんどない。しかしこれまでと違い、電気料金1000円につきTポイントまたはPontaポイントが5ポイント貯まっていく。またWebからの申し込みで500ポイントプレゼントされる。これらポイント付与は、新料金プランにはすべてついている。

 プレミアムプランはプレミアムS・Lとプレミアムプランの3つが用意されている。プレミアムプランは400kWhまでが固定料金となり、400kWhを超えると従量料金となる。その従量料金はこれまでよりも単価が安く設定されている。

プレミアムプランの料金イメージ

 基本料金は同額で、400kWhまでは9700円の定額、400kWhを超えた分は1kWhあたり29.04円となる。400kWhちょうどで計算すると、従量電灯Bの場合120kWhまでが2342.4円、120~300kWhが4680円、300~400kWhが3002円で合計1万24.4円となるので、300円ほど安くなる。また、400kWhを超える分は従量電灯Bよりも単価が0.98円安いので、多く使う家庭ほど割安になっていく計算だ。

 さらにプレミアムプランはスタンダードプランにない「電気の駆けつけサービス」が2018年3月までついてくる。電気設備のトラブルについて24時間365日無料でサポートしてもらえる。

 また、新規加入で2年契約を結ぶと8000ポイントもらえる(東京電力エリアのみ)。月々のポイント付与はスタンダードプランと同じだ。

 スマートライフプランはオール電化住宅などで、エコキュートなどの夜間蓄熱式機器を使用している家庭が対象となるプラン。これは東京電力エリアでのみの提供プランだ。

スマートライフプランの料金。午前1時から午前6時の単価が安く設定されている

 スマートライフプランでは基本料金が1kWあたり450円となっている。このあたりの単位が違うのがややこしいところだが、基本的にはシミュレーターを使って料金を見積もることになるのであまり気にしなくていいだろう。従量料金は1kWhあたり、6時から1時までは25.33円、1時~6時が17.46円に設定されている。このプランでは基本料金が大幅に増えることになると思われるので注意が必要だ。

 また、スマートライフプランには住宅設備修理サービスがついてくる。エコキュートやIHクッキングヒーターなどのトラブルに対応してもらえるサービスで、24時間365日対応してもらえる。

 もう1つの夜トクプランは、その名の通り、夜間の単価が安くなるプランだ。プランには夜トク8と夜トク12の2つがあり、時間設定と単価が異なっている。

夜トクプランンの料金

 夜トク8は基本料金が1kWあたり210.6円。従量料金は7~23時が32.14円、23~7時が20.78円。夜トク12は基本料金は夜トク8と同額で、従量料金が9~21時が33.76円、21~9時が22.55円となっている。生活サイクルを考え、日中不在がちであったり、夜に電気をよく使うという家庭なら検討してみてもいいだろう。

 このように、大手電力会社も、新規参入企業に負けないよう、新たなプランを出してきている。料金はそれほど安くなるわけではないが、これまで通りの電力会社から電気を買いたいという人には、契約会社はそのままで料金が少しでも安くなる新プランを検討してみるといいだろう。

 次回は、一度首都圏向けのプランは紹介しているが、新しい電気料金を紹介していないので、関西電力の新プランについて紹介しよう。

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