認証のための虹彩撮影は慎重に行なうべし
MirrorKeyのセットアップ自体は簡単で、「ESPRIMO WD1/X」にUSBケーブルで接続し、MirrorKey付属のCD-ROMからデバイスドライバーや関連ソフトをインストールするだけだ。
関連ソフトをインストールし「ESPRIMO WD1/X」を再起動すると、タスクバー上にMirrorKey用ソフトを示す「UBKey」アイコンが表示されるようになる。アイコンを右クリックすると、メニューが表示されるはずだ。
虹彩撮影のためにMirrorKeyの内蔵カメラを調整
まず行なうべきことは、MirrorKeyが内蔵しているカメラ映像の明るさの調整だ。これが明るすぎたり、暗すぎたりすると、虹彩をクッキリと撮影できないため、MirrorKeyと目の間の距離が約20cm離した状態で、よく確認しておこう。当然といえば当然なのだが、認証の元になる虹彩の映像がボンヤリしていると、ログインのための認証を何度行なっても失敗することになるので注意しよう。
虹彩の登録
いよいよ次は、虹彩の登録を行なう。UBKeyアイコンを右クリックして「虹彩登録」を選択し、「虹彩のスキャン」を起動しよう。虹彩の登録は、まず、MirrorKeyを手に持って目との間の距離(約20cm)を維持すること、目を見開いた状態でカメラ部に視線を向けることの2点に注意しながら「虹彩のスキャン」を使って撮影する必要がある。またこの「虹彩のスキャン」から、音声による簡易ガイダンスが再生されるので、ヘッドホンなどを「ESPRIMO WD1/X」に接続しておこう。
虹彩の撮影は意外とややこしく、MirrorKeyの位置を調整するために「虹彩のスキャン」に表示されている目(虹彩)の様子を確認しようとすると、どうしても視線をずらすしかない。「虹彩のスキャン」、MirrorKey(の内蔵カメラ)、自分の目が直線上に並ぶようにすると、映像の様子を確認しつつ撮影しやすくなるはずだ。またシャッター音と音声による案内が再生され撮影が実行されるが、必ずしもピントが合った状態でシャッターが切られるわけではないようだ。「虹彩のスキャン」に表示された撮影画像をチェックし、ピントがあった状態になっていることを確認したら、「Yes」ボタンをクリックすると虹彩を登録できる。「No」をクリックすると再度撮影が可能だ。
登録が完了したら、UBKeyアイコンの右クリックメニューから「PCセキュリティ ログイン」を選び、いったんログアウトした後に、虹彩認証で再ログインしよう。虹彩認証時は、登録した時と同様に約20cmの距離を保ち、目を見開いた状態でカメラを見るとすんなりログインできるはず。目を見開いている画像を登録している場合は、まつげやまぶたなどが虹彩部分にかかっていると認証に失敗することがあるようだ。
ここまで終えると、あとは虹彩認証を活用していくだけだ。たとえば、「ESPRIMO WD1/X」の電源を入れると、Windows 10のパスワード/PINコードの入力、MirrorKeyによる虹彩認証という流れで起動するようになる。
また、Windowsメニューから「電源」→「スリープ」を選んで「ESPRIMO WD1/X」をスリープさせてから復帰させた場合、虹彩認証が行なわれない点に気を付けたい。UBKeyアイコンをダブルクリックしていったんMirrorKey用スクリーンセーバーを立ち上げてから、スリープさせるよう注意しよう。
虹彩認証で何度も失敗してしまう場合は?
虹彩認証で何度ログインしようとしても失敗するという場合は、ぼやけた虹彩画像を登録してしまった可能性がある。この場合は、MirrorKeyを「ESPRIMO WD1/X」から取り外し、「PCセキュリティ ログイン」画面に暗証番号の入力を求めるダイアログが表示させるべし。ここで、MirrorKeyのPDFマニュアルに掲載されている初期暗証番号を入力するとログインできるようになる。ただし、暗証番号によるログインを行なうとUBKeyアイコンで起動できるソフトが制限され、虹彩の管理などが行なえなくなる。その影響で登録済み虹彩を削除できないため、「コントロールパネル」から「プログラム」→「プログラムと機能」→「プログラムのアンインストール」と選んでいき、「MirrorKem」をアンインストールする必要がある(アンインストール時に初期暗証番号の入力を求められる)。
万が一のため、ログイン用暗証番号を設定
虹彩認証でログインできるようになったら、「パスワードの管理」でキー入力による暗証番号を設定しておこう。ここで設定するパスワードはWindows 10のパスワード/PINコードとは別のもので、4ケタから20ケタの暗証番号を設定できる。MirrorKeyを取り外されても、Windows 10のパスワード/PINコードとは別途暗証番号を求められるようになるため、「ESPRIMO WD1/X」を業務にも利用したいという方は、検討してみるといいだろう。


