毎日暑い日が続いていますが、本格的に夏服に切り替えるこの時期に、ダイエットを始めようという方もたくさんいらっしゃると思います。ダイエットには忍耐強さと継続力が必要―わかっていても、人々はインターネットなどで、より簡単にダイエットできる方法を探そうとします。
インテル セキュリティでは、日本を含む世界15カ国で21歳から54歳の約15000人(日本の有効回答数は1000人)を対象に、ダイエットに関するオンラインでの検索行動を調査しました。『オンライン セキュリティ ダイエット:検索行動から見る個人の行動パターン』と名付けられたこの調査では、ダイエットやフィットネスなどに関するオンライン検索時の消費者行動を調査し、消費者にとってオンライン上のリスクとなる要因が明らかになっています。
<日本と世界の比較、そしてオンライン上のリスクとの関係>
では、今回の調査でどのような結果が出たのか、日本と世界の結果を比較しながら見ていきましょう。
ダイエット広告:あまりにうまいダイエット効果には危険も!?
- 日本では、「ダイエットの方法や商品など、ダイエット関連情報を表示している広告や宣伝のリンクをクリックした経験がある」と回答したのは全体の52%でした。世界15カ国の平均は60%で、日本の消費者は諸外国に比べて広告や宣伝のリンクをクリックすることに少し慎重なようです。特に若い世代(21~30歳)で比較すると、世界15カ国の平均65%に対して、日本は50%でした。慎重であるとはいえ、それでも全体の半数がクリックしたことがあるという結果が出ています。ちなみに、最もクリックする率が高かった上位3国はブラジル(73%)、スペイン(72%)、インド(71%)でした。
- 日本の回答者は、ダイエットに関する内容を表示している広告リンクを最もクリックしやすくなる時期を「夏前の時期」(46%)と回答しています。この傾向は世界的にも同様で、やはり「夏前の時期」と回答した割合が全体の45%に上り、1位となりました。サイバー犯罪者は、このような“最もクリックしやすくなる時期”を狙って広告のリンク先にマルウェアなどを仕掛けてきます。
クリックする前に考えよう
- 「安全なWebサイトかどうかを確認する前に、広告のリンク先のサイトに表示されたサービスや商品を購入したことはありますか」という質問に、「経験がある」と回答した日本人はわずか15%でした。これは15カ国平均の27%よりも大幅に低く、調査対象となった15カ国のなかでも最も低い割合でした。日本人はダイエット広告をあまり信頼していないということでしょうか。クリック先のWebサイトの安全性を確認せずに商品などを購入した割合が最も高かった上位3カ国はインド(44%)、ブラジル(36%)、メキシコ(33%)となっています。
- ダイエット広告をクリックした後に「このWebサイトにはマルウェアやスパムが仕込まれているかもしれないと思ったことがありますか」という質問に、「思ったことがある」と回答した日本人は75%で、これは世界15カ国平均の83%よりも低くなっています。日本人は諸外国の人々よりも、クリック先に潜む脅威についてあまり気にしないという結果が出ています。
安全なサイトって?
- 日本にとって大変興味深い結果になったのが、「支払い情報や個人情報を提供する前に、そのWebサイトが安全かどうか確認する方法を知っていますか」という質問に関してです。世界15カ国の平均で59%の回答者が「知っている」と回答したのに対し、日本人で「知っている」と回答したのはわずか29%でした。この割合は調査対象国のなかで最も低く、日本を除いて最も低い割合だったメキシコ(41%)や世界15カ国の平均(59%)と比較しても大きく遅れています。日本は他国と比較すると、自身を保護するための方法を知らない割合が高いのです。
- この結果を受けてなのか、「理想の体型を手に入れるために提供してもいい個人情報は何ですか」という質問に、日本人の回答者の41%が「個人情報は提供しない」と回答しており、これは調査対象の15カ国の平均(28%)より高い割合で、全体ではスウェーデン(45%)に次いで2番目でした。その他、「提供してもいい情報」として回答したのは、電子メールアドレスが34%(15カ国平均60%)、フルネームが21%(15カ国平均44%)、電話番号が8%(15カ国平均21%)、自宅住所が6%(15カ国平均14%)となっており、いずれも15カ国中、最も低い割合でした。
これらの結果から、日本人は諸外国と比較して、オンライン上のダイエットに関する広告宣伝リンクのクリックや個人情報の提供に慎重である一方、実際にクリックした先に何らかの脅威が潜んでいるかどうかという点にはやや無自覚でありながら、インターネット上で自身の安全を確保するための方法を知らない、ということが明らかになりました。これらの要素を勘案すると、日本人がインターネット上で自らの安全を確保する方法を知らないがゆえに、うまい話を持ちかけてくるオンライン広告や個人情報の提供に対して非常に慎重になっている、という因果関係が見て取れます。しかしながら、サイバー犯罪者からの攻撃はそのような“オンライン上で自分をどう守っていいかわからない人”(人の脆弱性)を狙ってくるのです。では、実際に脅威が潜んでいる可能性のあるダイエット広告などから自分を守るための方法を紹介します。
オンライン上でダイエット詐欺から身を守る方法:
- クリックする前に少しだけ慎重になりましょう “たった1週間で5キロ減量!”のように、あまりにうまい話で誘惑するWebサイトを閲覧する場合は、慎重になる必要があります。そのようなWebサイトや電子メールには、フィッシング詐欺につながるリンクが張られている可能性があり、個人情報がサイバー犯罪者の手に渡ってしまったり、マルウェアをダウンロードさせられてしまう可能性があります。
- 安全にWebサイトを閲覧する 偽サイトに注意してください。消費者を騙そうとするWebサイトは、安全なWebサイトによく似たURLを持っている可能性があります。多くの場合、このような偽サイトはスペルミスや文法的な間違い、低画質の画像が含まれるなど、質の悪いサイトであることがあります。Webサイトから個人情報を求められた場合、URLを再確認し、そのサイトが偽サイトではなく、閲覧しようとしているサイトに間違いないかを改めて確認してください。McAfee WebAdvisorのようなWebサイトの安全性を確認できるツールを使えば危険なWebサイトを見分けることができ、また、そのようなWebサイトに行く前に警告してくれます。
- ソフトウェアを最新の状態を保持する 安全性の高いセキュリティソフトは、コンピュータやスマートフォンなどを保護するために、自動でアップデートを行うようになっています。メーカーが推奨する最新版のOSを使用し、継続的にセキュリティパッチを更新・適用するようにしましょう。さらに日常的にコンピュータスキャンを行って、怪しいソフトウェアがインストールされていないかを確認する必要があります。
- 包括的なセキュリティ対策を活用する McAfee LiveSafeのような包括的なセキュリティ対策を用いて全てのデバイスを保護すれば、マルウェアやサイバー攻撃からも身を守ることができます。
サイバー犯罪者は、夏=ダイエットなど、消費者の季節ごとの行動や心理をよく理解していて、それらの情報を最大限に悪用して個人情報を盗もうとします。それに騙されないようにするためには、ユーザー自身が安全なオンライン検索行動とは何かを理解すること、そして潜在的な危険が待っているWebサイトや電子メールを見分ける方法を理解することがとても重要になります。
これから本格的な夏を迎えるにあたって、インテル セキュリティが推奨する、安全で快適なインターネットの利用方法を通じて手に入れたダイエット情報をぜひ活用して、素敵な夏を過ごしてください。
調査方法
2016年4月に米国インテル セキュリティが米国の調査会社であるMSI International社に委託し、年齢と性別で等分された21歳から54歳までの世界15カ国(日本、米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、スウェーデン、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペイン、インド、シンガポール、オーストラリア)の男女15015人を対象にオンライン調査を実施しました。