「インストールされない」「使われない」「儲からない」ーー100本超のアプリ運用実績を持つ「エキサイト株式会社」の事例から、アプリを失敗で終わらせないためのノウハウを学ぶ書籍『事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87 企画からプロモーション、分析、マネタイズまで』。本書の中から、現場ですぐに使える「鉄則」を厳選して紹介します。
他社と協業してアプリ間相互送客する方法もあります。自社のアプリとマッチする協業相手を探して、互いにメリットのある施策を提案し、実施しましょう。
マッチする協業先を探し出す
アプリ間相互送客は、自社だけでなく他社との協業でも実現できます。アプリビジネスに取り組む企業が集まるセミナーや勉強会で人脈を広げたり、直接問い合わせたりして、相互送客に協力してくれる協業先を探します。
他社アプリとのアプリ間相互送客でも、マッチするポイントがあることが重要です。自社アプリのターゲットやユーザー層、DAUなどの情報をまとめ、協業を打診するときに相手が検討しやすいようにしましょう。
他社との相互送客では、ユーザーに邪魔だと思われると、自社アプリだけでなく相手のアプリのユーザー満足度やブランドイメージも下げる可能性があります。そこで、提案先がなるべく不安に感じないように、「ユーザーが一番集まるカテゴリーに24時間固定で表示する」「1日1回表示する」などの条件を提示します。自社アプリで実施した成果や過去の事例があれば、提案に加えるとよいでしょう。
DL数だけでなく優良ユーザー獲得にも効果
実際にアプリ業界の勉強会や業界同士のつながりで、アプリ間相互送客を実施した事例を紹介します。
情報系でマッチしたアプリで相互送客を実施
アプリレビューサイトの「ミートアイ」アプリと、ニュースアプリ「エキサイトニュース」でアプリ間相互送客を実施しました。
どちらも情報系アプリではあるものの、アプリに対するユーザーの要望は異なると判断し、生じたクリック数を消化し合う「クリックバーター」を条件としてアプリダウンロード数を獲得しました。加えて、アプリの紹介記事を双方のアプリに掲載し、記事からの送客に取り組みました。
結果、ダウンロードにつながっただけでなく、記事を読んで納得した定着率の高いユーザーを獲得できました。
マンガでマッチしたアプリコラボを実施
写真やイラストにコメントを入れて投稿するアプリ「ボケて」と、モーニングの電子版アプリ「週刊Dモーニング」でアプリコラボを実施しました。「ボケて」上にDモーニングのマンガ・イラストでお題を出し、お題の下にDモーニングアプリへの誘導バナーを設置しました。
厳密には相互送客ではありませんが、結果としてバナーが数千回クリックされ、アドネットワーク換算で数十万円相当の広告効果がありました。
アプリ間相互送客の効果の考え方
アプリ間相互送客の実施にあたっては、広告効果を事前にシミュレートし、お互いにメリットがある協業を考えましょう。一般的なダウンロード単価の150〜200円をベースに獲得数と掛け合わせて、想定広告費用で評価する方法があります。
どんなに効果が高くても、ユーザーに嫌がられては結局アクティブユーザーを減らすことになります。あくまでもユーザーのメリットを第一に取り組むことが大切です。