「インストールされない」「使われない」「儲からない」ーー100本超のアプリ運用実績を持つ「エキサイト株式会社」の事例から、アプリを失敗で終わらせないためのノウハウを学ぶ書籍『事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87 企画からプロモーション、分析、マネタイズまで』。本書の中から、現場ですぐに使える「鉄則」を厳選して紹介します。
Webからアプリへ、アプリからアプリへ、シームレスな連携をする仕組みが「ディープリンク」です。アプリをより使ってもらう機会を増やしましょう。
特定の画面へ直接遷移できる「ディープリンク」
アプリの普及が進むにつれて、ユーザーはたくさんのアプリをインストールしています。いろいろな機能を持つ1つのアプリを使うより、単機能のアプリを切り替える利用法が主流になっています。
そこで、アプリとアプリの連携、あるいはWebとアプリの連携をスムーズにする「ディープリンク」を活用しましょう。ディープリンクとは、アプリ内の1つ1つの画面に固有のURLを発行し、トップ画面をスキップして特定の画面へ直接遷移する機能です。
たとえば、ニュースサイトで記事を読む場合、途中でアプリで読みたいと思ったら、アプリ内の該当記事の画面へ直接遷移させることができます。Webブラウザーを閉じてアプリを立ち上げ、該当する記事を探すステップを省けるわけです。
ECサイトではCookieの期限が切れるとログイン情報の再入力を求められますが、ディープリンクが設定されていれば、ECサイトからアプリの購入画面へ遷移し、情報を再入力する手間を省けます。このほか、プッシュ通知からアプリ内の特定の画面に直接遷移させるときも、ディープリンクの仕組みが利用できます。
ディープリンクとの向き合い方
ディープリンクは、すでにアプリをインストールしているユーザーに対して有効な仕組みなので、対応したアプリをインストールしていないユーザーは、そのままWebサイトで閲覧することになります(アプリストアに遷移させ、アプリをダウンロードさせることも可能)。
また、ユーザーをアプリに送客するので、Webサイト側の広告収入やページビューなどに少なからず影響が出ます。Webサイト側で収益を上げる仕組みがすでにできている場合は、アプリ側でのマネタイズについても検討する必要があるでしょう。
ディープリンクは適用箇所をまず一部に限定して設定し、ユーザーの反応や影響を見ながら効果を見極め、徐々に適用箇所を拡大してくとよいでしょう。