「インストールされない」「使われない」「儲からない」ーー100本超のアプリ運用実績を持つ「エキサイト株式会社」の事例から、アプリを失敗で終わらせないためのノウハウを学ぶ書籍『事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87 企画からプロモーション、分析、マネタイズまで』。本書の中から、現場ですぐに使える「鉄則」を厳選して紹介します。
プッシュ通知の効果は何をどのような形で伝えるかで変わります。ユーザーの反応を計測しながら、時間帯に応じて更新する内容を変えるといった対策を取ります。
新着情報をプッシュ通知で配信する
ニュースアプリや交通情報などコンテンツの更新頻度が高く、タイムリーな情報を提供するアプリでは、プッシュ通知が特に効果的です。たとえばiOS版「エキサイトニュース」は、ニュースを読む時間帯に合わせてバッジアイコンをプッシュ通知で毎日表示したところ、バッジアイコンがアプリに再訪するきっかけとなり、DAU※の向上に成功しました。
※DAU:Daily Active Userの略。1日ごとのアクティブユーザー数のこと。
ただし、プッシュ通知で送れるバッジはアイコンの横に数字が付くだけで、更新された内容はわかりません。そこで、新着ニュースがあるときにはバッジを表示するとともに、具体的な更新内容を表示することで、DAUをさらに伸ばせます。
- 閲覧が多い特定カテゴリー記事や新着ニュースの見出しをプッシュ通知ダイ アログに表示する
- ロック画面、通知センターで通知をタップすると、その記事が表示される
新着情報がなくてもプッシュ通知は送れる
プッシュ通知は、ニュースのようにコンテンツを更新するアプリ以外でも活用できます。
寝ながら音声を聞いてヨガを体験できる「寝たまんまヨガ」は、最初に音声コンテンツを利用するときに、音声コンテンツのダウンロードが始まります。ユーザーはその間、数秒だとしても待つのが退屈なので、他のアプリに切り替えてそのままアプリに戻ってこないことがあります。そこで、ダウンロードが終わったら「コンテンツのダウンロードが完了しました」とプッシュ通知を送ってヨガアプリの途中だったことを思い出してもらい、アプリへの再訪を促しています。
こうした細かい気配りはDAUの向上だけでなく、ユーザーの満足度向上にもつながります。プッシュ通知を上手に使って、「また使いたい」と思ってもらえる仕組みを作りましょう。
プッシュ通知の反応をGoogleアナリティクスで計測する
Googleアナリティクスを使って、プッシュ通知の反応を調査することができます。通知する内容によっては期待した効果が得られないこともあるので、実際に見られているコンテンツを調べ、プッシュ通知の内容に反映することが重要です。
たとえばエキサイトニュースの場合は、ユーザーの反応がよい記事の傾向を分析し、朝の通勤時間には時事ネタ、お昼はエンタメやアップル関連の記事、夕方の帰宅時にはコラムネタといった具合に、時間帯別にカテゴリーを変えて通知しています。もちろん、災害情報や事件事故、日本全体が盛り上がるワールドカップやオリンピックなどの記事は「速報」として通知します。