「インストールされない」「使われない」「儲からない」ーー100本超のアプリ運用実績を持つ「エキサイト株式会社」の事例から、アプリを失敗で終わらせないためのノウハウを学ぶ書籍『事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87 企画からプロモーション、分析、マネタイズまで』。本書の中から、現場ですぐに使える「鉄則」を厳選して紹介します。
Yahoo!リアルタイム検索を利用して、SNS上でのアプリの評価や、有効な検索キーワードを調べることができます。
アプリの評判をリアルタイムで集める
TwitterやFacebookなどのSNSでのユーザーの反応を知るツールはいろいろありますが、「Yahoo!リアルタイム検索」が手軽でおすすめです。定期的にアプリ名で検索(いわゆるエゴサーチ)することで、アプリに対して言及しているユーザーの生の声を集めることができます。
投稿数の推移を見たり、投稿内容の感情(ネガティブか、ポジティブか)を分析したりする機能もあり、アプリの改善につながる意見や、コチコミを増やすヒントを得るきっかけになります。
SNSユーザーの声から拡散を計画する
Android版「寝たまんまヨガ」は、新規ダウンロード数が伸び悩んでいました。そこで、 Google Play内でダウンロードに達した検索キーワードを取得したところ、検索キーワードの上位はアプリ名が占めており、「ヨガ 痩せる」「ヨガ 体験」「ヨガ ダイエット」といった一般的なキーワードがほとんどないことがわかりました。
ダウンロードしたユーザーは、アプリ名をどこで知ったのか、なぜアプリ名で検索するのかを考え、「友人からのクチコミや雑誌、TVで紹介されたときにアプリ名で検索するのではないか」との仮説を立てました。
実際にどんなクチコミがあるのか、「寝たまんまヨガ」をYahoo! リアルタイム検索で分析したところ、以下のような状況がわかりました。
- Twitterの利用ユーザーが多い
- 1日あたり、2〜3ユーザーがツイートしている
- ストアのアプリダウンロードページが含まれていないことが多い
- アプリをすすめるコメントが目立つ
シェア機能の搭載でダウンロード数が5倍に
当時の「寝たまんまヨガ」には、ソーシャルボタンなどのシェア機能がありませんでした。それでもアプリをすすめるユーザーのツイートがあることから、 アプリ内にソーシャルボタンを追加すればシェアやツイートが促進され、ダウンロード数の増加につながるのではないかと考えました。
そこで、以下のような施策を実施しました。
- アプリTOP画面に、Twitter/Facebook/LINE/Google+/Mailにシェアできる「友だちにすすめる」ボタンを設置する
- シェアする際に、ストアのアプリダウンロードページを自動的に付与する
- 実際にユーザーがSNSでつぶやいている文言をプリセットする
複数の文言パターンを用意してA/Bテストを実施し、ダウンロードにつながった文言をプリセットしたところ、最終的に新規ユーザー(ダウンロードベース)が5倍に増加する効果が得られました。クチコミの分析がアプリの改善だけでなく、集客にもつながった好例です。