丁寧な仕事ぶりをアップで撮る
トップページの写真はサイトの「顔」です。サンプルのネイルサロンのように、予算が少なく、モデルを使った写真や豪華な店内の撮影ができない場合は、要所要所をクロースアップで撮影した写真が効果的です。
- 筆と爪に視線が集中するように、筆先にピントを合わせる
- 周辺をボケさせるために、被写界深度は浅く(絞りの数値を小さく)する
- 大きな円の外側はボケさせて、筆先部分、施術されているネイルが強調されるようにする
ネイルの施術では、元のネイルを落とし、爪を磨き、新しいネイルを付け、と多くの工程があります。いろいろな工程を見せて「丁寧な仕事」を紹介するため、クロースアップで細部を撮影します。上の写真のように、爪にネイルを塗っている場面では、筆と爪に視線が集中するように、筆先にピントを合わせ、周囲をぼかします。
周囲をボケさせるため、被写界深度を浅く(絞りの数値を小さく)設定します。絞りが開き、多くの光を取り込むので、シャッタースピードは速くなりますが、指先のような細かい部分はどうしてもブレやすくなります。手ブレ、被写体ブレに気を付けましょう。
筆先にピントが合っておらず、そのうえブレている残念な写真です。
照明とカメラ位置
ソフトライトボックスを使って、被写体に対して斜め上からまんべんなく光をあてます。逆光や極端な斜めからの光で撮影すると、手前に影が出るので肌が美しく見えません。
トリミング・レタッチ
爪はとても小さなものです。小さなものを引いて(遠くから)撮影して後から拡大すると、ノイズの多い荒れた写真になってしまいます。細かな作業の多いネイルサロンの場合、「丁寧な仕事」ぶりを表現するのが大切なので、荒れた写真は好ましくありません。最初からクロースアップで撮影します。バナーなどで使うことも考えて、寄ったり(近づくこと)、引いたりしたバリエーションを撮影しておきます。
バリエーション
メインとして使う写真と同じような角度から撮影した被写体をいくつか撮っておくと、後から他のページでも流用できるので便利です。
写真のように、ネイルの色が異なる写真があるとベストです。
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第2回は、ショップページに掲載する写真の撮り方を解説します。『デザイナー&ディレクターが写真を上手に撮る本』では、ネイルサロン以外にも、企業サイト、店舗サイト、製造業サイト、飲食店サイト、ECサイトについて、それぞれ実際のサイトデザインをもとに、掲載する写真の撮り方を解説しています。ぜひ一度、チェックしてみてください!