Web Professional編集部は、『デザイナー&ディレクターが写真を上手に撮る本』(KADOKAWA刊)の出版を記念したセミナー『予算の少ないWebサイト制作案件のための素材写真撮影のコツ』を11月12日、東京・飯田橋で開催しました。
Web制作の低予算化は、セミナーに参加した多くのWebデザイナー/ディレクターたちの共通した悩み。Webサイトの重要な要素である写真のクオリティーは落としたくない、でもプロカメラマンに頼むほどの予算はない、という相反する課題に、一筋の光を照らしたのが『デザイナー&ディレクターが写真を上手に撮る本』です。
セミナーでは、著者の岡田陽一さん(ふわっと代表取締役、フォトグラファー・Webディレクター)が、Webサイトの素材となる写真を自分で上手に撮るコツを解説しました。
「人」を撮るのは大変
セミナー中に多くの参加者がメモをしたり、説明スライドをスマートフォンで撮影したりしていたのが、「人物撮影」のテクニックです。
たとえば、会社案内サイトによくあるスタッフ写真撮影の場合、相手がプロのモデルではないので、どうしても緊張で表情が硬くなりがちです。そんなときは、
「お昼何食べました?」
「ペット飼っていますか?」
など、気軽に答えられるような質問をすると表情は和らぐそうです。
それでも表情が硬い場合は、腰に手をあててもらったり、中腰になってもらったり、ジャンプしてもらったりして、少し体を動かすとよいそうです。
「子どもの場合はどうやったらいい表情を引き出せますか?」という子ども服の通販サイトを運営する方からの質問には、撮影日の朝に子ども向けの人気アニメ番組をチェックして話を盛り上げるなど、「大人の指示だけを押しつけるのではなく、子どもが好きなことを学ぶことが大事」と岡田さんは答えました。
また、撮影中・撮影後に気を付けなければいけないのが、「人」の切り取り方です。商業写真では、首切、足首切りなど「関節で切る」のは厳禁。「人物写真で切っていいところは決まっている」として、以下の5つのパターンを紹介しました。
- アップショット…胸元から上
- バストショット…胃の上あたりから上
- ウエストショット…腰のあたりから上
- ニーショット…太ももから上
- フルショット…全身
そのほか、
- 食べ物は完璧な構図ではなく余白を入れた「引き」の写真も撮る
- 商品は業界によって撮り方が決まっている
- 100円均一ショップで撮影に使える便利グッズがそろう
など、ノウハウ満載の2時間でした。
当日のツイート
#amebon1112 のツイートWeb制作のための撮影から管理、レタッチまで
デザイナー&ディレクターが
写真を上手に撮る本
岡田陽一 著
- 価格:価格:2,808円(本体2,600円)
- 発売日:2015年10月2日
- 形態:B5変型(176ページ)
- ISBN:978-4-04-866452-3
- 発売:KADOKAWA
目次
- 第1章[基礎編]写真撮影の前に知っておきたいこと
- 1 Web制作に写真撮影が必要な理由
- 2 撮影前にするべき準備と段取り
- 3 カメラ、レンズ、撮影用品を揃える
- 4 シャッターを切る前の設定と心構え
- コラム 「写真」とは何か
- コラム なぜコンデジやミラーレスじゃいけないの?
- コラム ISO感度
- コラム 遅いシャッタースピードのときは三脚が必須
- コラム APS-Cカメラとレンズ
- コラム なぜ18%のグレーが中間なの?
- 第2章[実践編]業種別サンプルで学ぶ素材写真の撮り方
- Case A サービス業サイト
来店を促すネイルサロンサイト - A-1 丁寧な仕事ぶりをアップで撮る
- A-2 安全、安心を感じさせるショップページ
- A-3 女性の肌を手間なくきれいに見せる
- コラム 影は薄く、背景はシンプルに
- コラム お店の雰囲気を伝える写真も撮っておこう
- Case B 企業サイト
「問い合わせ」を増やしたい企業サイト - B-1 ボケをコントロールしてメインの背景を撮る
- B-2 好感の持てる人がいる会社案内ページ
- B-3 大勢のスタッフを撮影する段取り
- Case C 店舗サイト
こだわりをアピールしたい自転車ショップサイト - C-1 センスあふれる雰囲気をありのままに撮る
- C-2 お店に行きたくなるカスタマイズ紹介ページ
- Case D 製造業サイト
現場写真で商品の魅力を伝える食品加工会社サイト - D-1 会社と製品を連想できる漁港風景を撮る
- D-2 ドキュメンタリー調の仕入れページ
- Case E 飲食店サイト
店主の人柄と雰囲気でお客を呼ぶ居酒屋サイト - E-1 店主の人柄、店の雰囲気を伝えるトップページ写真
- E-2 手際よさやスピード感を詰め込んだ料理紹介ページ
- E-3 料理をおいしそうに見せる補正テクニック
- コラム 「シズル感」って何?
- コラム Lightroomなら補正処理がコピペできる
- Case F ECサイト
健康志向で販売を増やしたいジャムの通販サイト - F-1 映り込みのあるガラスビンを撮る
- F-2 「おいしそうな朝食にはジャム」の演出
- F-3 商品撮影を成功させるコツ
- コラム 便利な小物をストックしておこう
- コラム 商品撮影(ブツ撮り)は標準レンズで
- 第3章[応用編]撮影がもっとはかどるグッズとノウハウ
- 1 商品撮影に便利な小物を揃える
- 2 写真データをLightroomで効率よく整理する
- 3 レイアウトに合わせるテザー撮影
- 4 Lightroomをもっと便利に使うTips
- 5 難しい撮影や失敗写真を合成で乗り切る
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