より利便性が向上した細かな改良点
以上の「Slide Over」「Split View」「ピクチャ・イン・ピクチャ」がiPad向けの新機能になる。iPhone 6 PlusやiPhone 6s Plusにも適用してくれてもいい気もするのだが、文字が小さくなりすぎるため、導入を見送っている可能性は高い(それでも、「Slide Over」はあってもいいと思う)。
また、iPhoneと共通する機能のうち、チェック中に発見した細かなものも見ておこう。まず「戻る機能」。何かしらのアプリから異なるアプリに移動したとき、画面左上に「●●●に戻る」といった表示がされるようになった。ちょうどキャリア情報と電波強度を隠す形で表示され、ボタンとしてのサイズもキャリア情報と同様なのだが、ホームボタンから切り替える必要がなくなった。ただちょっと小さすぎて押しにくいので、今後のアップデートで表示方法が切り替わる可能性があるだろう。
次にヘッドフォン端子にプラグを挿した際、Handoffの流れで「ミュージック」を起動できるようになった。ショートカット的なものだが、ロック画面とタスク画面から実行可能なので、さっさと音楽だけ再生したい場合に活用しやすい。
Safariには地味な機能が追加されている。まず「ペーストして検索」。何かしらの文字列をコピーした状態で、SafariのURLバーを長押しすると「ペーストして検索」が表示される。機能はそのままだが、地味に便利な機能だ。
次にウェブサイトをPDFでiBooksに保存できるようになった点も、やはり地味だがあって困る機能ではない。そのほか、デスクトップ用サイト表示への切り替えは、リロードボタン長押しかメニューから選択可能になるなどの変更点もある。iPadの場合、デスクトップ用サイト表示で見ることが多いと思うが、ウェブサイトの中にはiPadなどのタブレットの場合スマホ向け表示に切り替えるところも少なくない。そんなときに便利な機能である。
iPadシリーズにとってもオススメの「iOS 9」
iOS 9の「Slide Over」「Split View」「ピクチャ・イン・ピクチャ」は、“デカいiPhone”という印象だったiPadの運用スタイルを変える可能性がある。操作感としては、「Slide Over」「Split View」でPCとタブレットの中間になり、Windows 10ユーザーからはなつかしいものになるだろうか。
そういったアレコレを抜きにして、とにかくiPadシリーズでの自堕落操作はもちろん、作業もはかどりやすくなったのは確かだ。最新OSへのアップデートに対して、安定するまで様子見という人もいるだろうが、「Split View」のためだけにアップデートをしてしまってもいいほど、操作感が変化する。
アプリの切り替えが少しでも面倒だと感じているなら、躊躇する必要はないといえるのだ(筆者は、iPad mini 4がほしくなったので、これからポチろうと思う)。