7月16日、名刺管理のクラウドサービスを手がけるSansanは、NTTドコモと法人分野での業務提携を発表。NTTドコモの「ビジネスプラス」用に安価なスマートフォン専用プランを提供するほか、内線ソリューションとの連携も進め、ビジネスインフラとしての拡大を目指す。
スマートフォン専用プランの投入で利用を拡大
今回の提携では、NTTドコモの法人向けサービス「ビジネスプラス」において、「Sansanスマートフォンプラン ストレージPack」を販売する。従来、月額3500円/ユーザーで5ユーザー以上だったマルチデバイス対応のSansanのサービスに対し、ビジネスプラスのSansanスマートフォンプラン ストレージPackは端末をスマートフォンにしぼり、年額12万円で利用人数を無制限にした。対象は法人名義でXi/FOMAを1回線以上、NTTドコモで契約している法人ユーザー。1契約で5000枚までの名刺登録が可能になっている。
発表会の冒頭登壇したNTTドコモ 取締役常務執行役員の髙木一裕氏は、NTTドコモのビジネスプラスと今回のSansanの提携について解説した。
ビジネスプラスは、中小企業のICT化を促進すべく、スマートデバイス向けのサービスの申し込みやサポートを一元化するサービス。現在、Office 365やGoogle Apps、Salesforceのようなビジネスアプリケーション、セキュリティ管理やファイル共有、MDMなど45の商材を用意している。現在の契約社数は2500社・25万IDとなっているが、今後3年間で4倍の販売を目指すという。
ビジネスプラスのユーザー獲得を実現すべく、今回は法人向けの名刺管理サービスを手がけるSansanと提携。ビジネスプラスでスマートフォン専用のSansanスマートフォンプラン ストレージPackを販売するほか、邦人専用端末にSansanアプリを事前インストールすることで、スマートフォンの利用を促進する。また、NTTドコモの内線ソリューションであるオフィスリンクとSansanとの連携も推進。ネットワーク電話帳のProgOffice(NTTソフトウェア)と連携し、Sansanに登録された名刺をチームで共有。電話やSMS、メールなどの連絡先を活用することが可能になるという。
働き方を革新できるところまで拡大させる
後半にはSansan 代表取締役社長の寺田親弘氏が登壇し、Sansanの概要と今回の提携について説明した。
Sansanは組織に眠った名刺をデータベース化し、企業で共有/活用するための基盤を提供する法人向けの名刺管理サービス。OCRと人力での名刺入力を併用することで、99.9%という高い認識精度を実現する。
初のアライアンスとなるSansan側としては、NTTドコモとの提携でビジネスを一層加速させるという意図がある。現在、Sansanのユーザーは3000社を超えているが、「働き方を革新できるところまでユーザーを拡大できるのか? コピー機のようにSansanがあって当たり前の状態にまで持って行けるのか?」(寺田氏)という課題に対応するため、相乗効果で新たなビジネスインフラを産みだせるNTTドコモとの提携に至ったという。
Sansanでは前述したSansanスマートフォンプラン ストレージPackのほか、スマートフォンからワイヤレスで操作可能なSansan連携スキャナをPFUと共同開発。さらにオープンなAPIを介した、他サービスとの連携を進めることで、ビジネスインフラとしての地位を確立していくという。