東芝が、世界で初めて4Kディスプレーを搭載するノートパソコンを発売した企業だということはご存じだろうか。そんな東芝が2015年夏モデルとして販売した15.6型「dynabook T95/R」は、その4Kに対応するノートパソコンの最新モデルだ。高解像度で写真が閲覧できるほか、「Photoshop Lightroom 5」を標準搭載しているので、編集も可能だ。
4Kディスプレーを搭載するノートパソコンは、今やさほど珍しくない。そんな中で重要になってくるのが、3840×2160ドットという高解像度をどれだけ活かすことができるかだ。dynabook T95/Rは、高解像度の写真や画像をより美しく見せるソフトウェアや機能を豊富に備えている。
前回は、dynabook T95/Rの外観を紹介した。今回は使い勝手や、ベンチマークを紹介しよう。
利用状況に合わせて色みを変更「Chroma Tune for TOSHIBA」
dynabook T95/Rは、高解像度で写真や動画を楽しむためのソフトウェアを豊富に用意するほか、製造ラインにおいてディスプレーのカラーキャリブレーションを実施している。
写真を色調整を実施していないパソコンで編集すると、実際に出力したり、色調節をしたパソコンで表示した時に若干色が違ったりすることがある。特に仕事ではクライアントが求めている色と違いが出てきてしまったりするので、出荷時に色調整がなされているというのは、写真編集のために利用するノートパソコンとしては重要だ。
また、利用状況に合わせて色みを変更できるカラーマネージメントアプリケーション「Chroma Tune for TOSHIBA」を標準搭載する。これにより、ボタンでsRGB空間の色域に自動で調整可能なので、画像イメージに近い出力ができる。加えて、青みを抑えることで目の負担を減らす「Warm」なども選択が可能だ。高解像度で輝度も高いと写真を綺麗に出力できるが、その分文章などを見る際には目が疲れやすい。用途によって色味を変更できるのは便利だ。
そのほか、TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+で写真を閲覧する際に、質感や輝きを調整して実物に近づけられる「レゾリューションプラス」機能や、動画閲覧時にコントラストを補正する「ダイナミックコントラスト」、青や緑、肌の色をより自然な色に近づける「カラーエンハンスメント」などを搭載している。
dynabook T95/Rのディスプレーはとにかく輝度やコントラストが高い。デモムービーとしてイタリアの海の映像が入っているのだが、海に照り返す太陽の輝きなどは非常に美しく感じ、さすがは液晶テレビ「REGZA」も製造している企業だと実感させられた。その反面、蛍光灯の反射などは若干強い印象があり、目も長時間見ていると疲れてしまう。その部分を、Chroma Tune for TOSHIBAなどで色みを変更して使えるようしにてカバーしているのは、ありがたかった。
高解像度でBlu-ray Discを見るのであれば音質も良くなくっちゃ!
dynabook T95/Rは、Blu-ray Discドライブを内蔵している。最近はソニーピクチャーズなどが、4K・広色域の状態で制作された映像をBlu-rayマスターとして使用した「MASTERD IN 4K」Blu-rayシリーズなどを販売している。ラインアップも、「フューリー」や「アメイジング・スパイダーマン」など最近の作品から、「ゴーストバスターズ」や「ANNIE」といった昔の作品など幅広くある。
dynabook T95/RはそういったBlu-ray作品を室内どこでも持ち運んで楽しむことができるのだ。もちろん、ディスプレーがIGZOなほか、ダイナミックコントラストでコントラストを補正できるため、通常のBlu-ray Discであっても十分美しい動画を堪能することも可能だ。
またスピーカーは、オーディオブランド「harman/kardon」製をキーボード上部に採用。加えて低音ブーストやサラウンドなどがカスタムできる「DTS Sound」を搭載し、好みの音を選択して楽しめる。映画のジャンルなどで自分で低音や高音、ボイスをカスタムするのは楽しいし、爆発などが多い映画などで低音ブーストをオンにしておくと、通常とは全く違う臨場感が味わえる。
基本性能は十分
dynabook T95/Rは、Core i7-4720HQ(2.6GHz)、8GBメモリー、1TB HDDという構成で、グラフィックスがCPU内蔵のインテル HD グラフィックスを採用している。前述しているように、dynabook T95/Rは4Kディスプレーで、写真や動画の閲覧や編集を高解像度で可能な分、処理速度など性能も気になるところ。ということで、ベンチマークを計測してみた。
まずは、Windows エクスペリエンス インデックスを「WIN SCORE SHARE」を使用して計測した。プロセッサが7.9、メモリが7.9、グラフィックスが5.9、ゲーム用グラフィックスが5.6、プライマリディスクが5.9という結果だった。
プロセッサについては高めの結果に。メモリやグラフィックス、は標準といったところだろう。上位のCPUを採用しているので、処理能力については問題ないだろう。パソコンの総合力を計測する「PCMark 8」では、「Home accelerated」で2545という結果だった。基本性能的には高めだ。
総合的な3D性能を計測する「3DMark」では、DirectX 11相当の性能を計測する「Fire Strike」が714、DirectX 10相当の「Sky Diver」が3080、「Cloud Gate」が5478という結果だった。CPU内蔵グラフィックスなので妥当な結果ではあるが、ブラウザーゲームを楽しめる程度で、3Dゲームなどをプレイするのは厳しいだろう。
ストレージの速度を計測する「CrystalDiskMark」では、シーケンシャルリードで108.7/秒という結果だった。標準的ではあるが、大容量の写真や動画を取り込むことを考えると若干遅めではあるかもしれない。
ウェブオリジナルモデル「dynabook AB95/R」は1TB ハイブリッドHDD
dynabook T95/Rは、通常作業には十分な性能を持っていることが分かったが、ストレージがHDDのため、画像や動画の取り込みにある程度時間がかかってしまう。取り込み速度がもっと早いほうがいい! という人には、dynabook T95/Rのウェブオリジナルモデル「dynabook AB95/R」をおすすめしたい。
dynabook AB95/Rは、ストレージに1TB ハイブリッドHDDを採用しているので、HDDを搭載する量販店モデルよりは読み込み速度が上がる。画像や動画の読み込み、書き込み速度をできるだけ早くしたいという人は、dynabook AB95/Rを選択するのがよいだろう。
スタイリッシュな4Kノートで写真も動画も楽しみたいなら「dynabook T95/R」はオススメ!
4K解像度のノートパソコンは、まだまだゴツいイメージの製品が多い。その点、dynabook T95/Rはスタイリッシュで、デザインもシンプルかつ上質なイメージになっており、見た目は普通の解像度の15.6型ノートとほとんど変わらない。そのうえ、テレビも販売する東芝ならではの写真や動画を美しく表示する機能も多数備わっている。
そのほか、ハイレゾ音源に対応する「TruLINK+」を標準搭載している。写真も動画も音楽も全て妥協したくない! という人には、dynabook T95/Rをおすすめしたい。
dynabook T95/Rの主なスペック | |
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機種名 | dynabook T95/R |
CPU | Core i7-4720HQ(2.6GHz) |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス 4600 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 1TB HDD |
ディスプレー | 15.6型(3840×2160ドット)、タッチ対応 |
光学ドライブ | Blu-ray Diskドライブ(BDXL対応) |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.0 |
インターフェース | USB 3.0端子×4、HDMI端子×1、ヘッドフォン出力/マイク入力端子×1など |
内蔵カメラ | 92万画素ウェブカメラ |
サイズ/重量 | およそ幅380.0×奥行259.9×高さ24.5mm/およそ2.4kg |
OS | Windows 8.1 Update(64bit) |