ファブレットとタブレット、 アイスホッケー・パック、そしてロリポップ
16日、グーグルが最新のNexusになる6インチの巨大なスクリーンをもったファブレット「Nexus 6」と、8.9インチのタブレット、「Nexus 9」をリリースした。同時にAndroidの最新版になるAndroid 5.0 Lollipopも正式にリリースされた。
思いもよらなかった動きとして、グーグルはAmazon Fire TVと同じようなストリーミングメディアおよびゲーム機となる、「Nexus Player」を発表した。
更に大きなポケットが必要かも知れない
Nexusシリーズは長らくグーグルのAndroidデバイスのフラッグシップモデルの位置を占め続けていた。SIMロックされておらず、他業者やキャリアの余計なソフトが入っていないハイエンドの携帯及びタブレットだ。このシリーズは業界の標準モデルとしての立ち位置を占め、Android純粋主義者達にグーグルのビジョンに一番近いデバイスを提供してきた。
Motorolaによって作られたNexus 6は、同社によってつくられたスマートフォンであるMoto Xと酷似している。もっともMoto Xよりも大きなスクリーン(Moto Xは5.2インチ)をもち、Moto Xにあるボイスコントロールや画面をライトアップすることのないアクティブディスプレイ等の、気の利いた機能が欠けている。
Nexus 6はMoto Xと同じ130万画素のカメラ、そして3220mAhのバッテリーをもち、グーグルによれば完全充電状態から24時間以上使えるという。これはレビューに書かれたように、Moto Xの頼りない2300mAhのバッテリーと比べてはるかに大きい。モトローラは15分の充電で6時間つかえるターボチャージャーを同梱する事を計画している。
残念なことにAndroid Lollipopはサポートしているにも関わらず、Nexus 6は64bitのプロセサを装備していない(これに使われているSnapdragonは64bitの処理機能を持っているようだが、データの処理は64bitで行われていない)。
またNexus 6は、Moto Xと比べてずっと高価である。Moto Xがキャリア契約なしで500ドルであるのに対して、(おそらく)32GBモデルが10月の時点で649ドルになる。モトローラは64GBモデルもリリースするという。
このスマホの重量や厚みについては何の情報もないが、これらのスペックについては気に留めることもないのではないだろうか。
タブレットでのタイピング
HTC製のNexus 9で注目する機能は多くない。Nexus 6同様、重量や厚みについての情報もない。分かっていることは、NvidiaのTegra K1 64bitプロセサと、800万画素のカメラと160万画素のフロントカメラ、そして6700mAhのバッテリーをもち、16/32GBのモデルがあるということだ。
価格については何も語られていない。今のAsus製Nexus 7タブレットの売出価格は16GBバージョンが229ドルだ。
Nexus 9でもっとも驚くべきであろう事は、サードパーティーから出されているiPad向けのものや、マイクロソフトがSurface向けに販売している磁石でアタッチ出来るもの風のキーボードが使えることだ。Nexus 9とは別売になるが、その価格はまだ発表されていない。
アイスホッケー・パックサイズのGoogle TV
グーグルはストリーミングメディア業界での攻勢を推し進めるため、Rokuの様なデバイスにあたるNexus Playerを発表した。このアイスホッケーのパックのような形をしたデバイスの丸みを帯びた外観は、グーグルがリビングルームに向けて機能の割に高価すぎることから失敗したNexus Qを彷彿とさせる。もっともグーグルはあの事から何かを学んだはずだ。
Nexus Playerでは映画や音楽をNetflix、Hulu、PandoraからTVにストリーミングさせることができる。また他のAndroidデバイスから写真やビデオをGoogle Chromecastと同じように転送することも出来る。このデバイスはゲーム機にもなる。多分Androidのゲームアプリを楽しめるのだろうが、グーグルはこの点について明言していない。
Nexus PlayerはAmazon Fire TVの様に音声によるサーチ機能を提供するが、Fire TVと同じような産みの苦しみを経験するのかどうかはわからない。Androidデバイス間での同期が保証されており、Nexus Playerで観ていた映画の続きを、ベッドルームでタブレットで観ることができる。
Nexus Playerの価格については何の発表もない。ゲームコントローラーは別売になる。
そしてこれらに搭載されるソフトウェア
Android Lollipop、かつてグーグルが6月のI/OカンファレンスでAndroid Lとしていたものは、内部的なアップデートに留まるようだ。5000もの新たなAPIが追加され、グーグルがマテリアル・デザインと呼ぶ、ユーザーに直感的かつ統一されたルック&フィールを提供するためのインターフェイスのデザインの見直しが行われる。
Lollipopでは以下のように、幾つかの革新的なことが提供される(グーグルのAndroid部門副社長、サンダー・ピーチャイによる引用)。
・音楽、写真、アプリおよび、検索履歴のAndroidデバイスとその他のガジェット間での同期。
・マルチユーザーアカウントおよびゲストユーザーモードのサポート。これにより家族がデバイスにログインしてもあなたの設定が荒らされることがない。
・プライバシー設定の強化。これにより特定の通知だけがロック画面に表示される。
・省電力機能。これによりバッテリーの寿命を最大で90分伸ばすことが出来る
・セキュリティ機能の強化。これによりAndroidデバイスを信用できるスマートウォッチや車とペアリングすることが出来る。
画像提供:Google
David Hamilton
[原文]
※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら