情報セキュリティメーカーのデジタルアーツが発表した調査結果によると、0~9歳児の子どもを持つ保護者の約半数が、子ども専用のインターネット接続端末を持たせていることがわかった。
全国の0歳から9歳の子どもを持つ保護者を対象にした調査結果によると、子どもに自分専用ネット接続端末を持たせているのが平均50.3%で、さらに小学1~3年生を持つ保護者は、父親が71.8%、母親が67%と約7割にのぼった。子ども専用端末の種類は、「携帯ゲーム機」が22.3%、「子ども用携帯電話」が16.2%、「市販のタブレット端末」が8.5%となっている。
子どもにインターネット接続端末を使用させた理由は、「子どもにせがまれたから」(39.3%)や、「子どもに知育系コンテンツをさせたかったから」(31%)、「子どもと一緒に遊ぶため」(28.3%)が上位に挙がった。未就学児を持つの母親は子どもをあやす手段として、小学校低学年児を持つ保護者は子どもとの連絡手段として持たせている傾向にある。利用しているアプリは「ゲーム」55.5%、「動画」54.2%、「知育・勉強」52.2%だった。
こうした傾向の背景をつかむ1つの例として「LINE KIDS動画」が挙げられる。無料通話・メールアプリ「LINE(ライン)」を運営するLINEは、子ども向け動画配信アプリ「LINE KIDS動画」のiPhone版を4月7日、Android版を5月1日に公開したところ、App Store、Google Playの各無料アプリランキングで1位を獲得し、6月3日にはダウンロード数が100万を突破した。
同アプリは、1歳~6歳の未就学児とその保護者を対象にした動画コンテンツを配信するサービスだが、利用シーンとして最も多いのは「自宅でくつろいでいるときに」の63.6%、次いで2番目は「お出かけしたときの待ち時間やすきま時間に」が34.9%、3番目は「家事などで手が離せないときに」の21.6%だった。利用頻度は、1日に3回以上が7.8%、2回程度が13.1%、1回程度が26.2%で、毎日利用するのが約半数にのぼった。
デジタルアーツの調査では、子どもがネット接続端末を使用し始めるのに最適な年齢として、小学校低学年(7~9歳)と考える保護者が28.2%で最多だった。しかし、実際には子どもをあやすために、未就学児の段階からネット接続端末を使わせていることがわかった。子どものネット依存やスマホ依存が問題視されているが、こうした依存に陥るきっかけの1つに、ネット利用やスマホ利用の低年齢化が関わっているかもしれない。