パートナー企業約10社の売り上げ実績に基づいたランキング形式で売れ筋商品を販売する「ランキンランキン」。自由が丘店は約14坪と狭い店舗ながら、1日の来店客数は大手コンビニの平均来店数を上回る。東急レクリエーションのランキン事業プロジェクト三浦麻子部長に話を聞いた。
――ランキンランキン自由が丘店の特徴的な購買行動を教えてください。
自由が丘店は、駅の改札の中にある店舗です。お客さまは大井町線と東横線の乗り換え途中に寄る方もいますが、自由が丘はもともと来訪者の多い駅なので遠くからいらっしゃる方もいます。ランキングをゆっくり眺めるお客さまもいますし、毎日必ず立ち寄って飲み物やお菓子をお買いになるお客さまもいらっしゃいます。
もともと事業を立ち上げた時は、ターゲットは絞らずに始めました。ランキング形式や最新情報に女性のお客さまが興味を引かれて、だんだんと女性のお客さまの比率が高くなりました。現在は、7~8割、もしかしたら9割近くは女性かもしれません。
男性では、女性へのプレゼントを探している方が最近は多いです。流行り物が多いので、プレゼントとしても喜ばれるからでしょう。女性スタッフに相談するお客さまもいますね。
――最近の売れ筋を教えてください。
コスメ系だと、まつげの美容液が増えてきています。他には「炭酸」がキーワードになっていて炭酸系のコスメ商品は注目されています。
それから、「眠活」といって、良い睡眠をとってもらおうということでランキングを作りました。首に張るとよく眠れるシートや、寝る前に塗るハンドクリームなどがランクインしています。
ランキンランキンは狭い範囲でランキングを作っているのも特徴です。例えば、単に水だけでランキングを作るのではなく「リゾートウォーター」でランキングを作っています。カバンの中に入りやすいサイズで、パッケージがお洒落ということで、普通の水よりも少々高い商品が売れています。
書籍もランキンランキンでは売れるジャンルがありまして、いわゆる女性応援本や恋愛応援本が普通の書籍よりも売れて、不動の人気を誇っています。最近はお金の使い方の書籍も人気がありますね。
――ランキングにして商品を並べると反応は変わりますか。
ランキングはパートナー企業約10社の売れ筋データから切り口を考えます。ネタ出しは1カ月ごと。切り口と商品の売れ行きがマッチングして、初めて店頭に並びます。さまざまな切り口を見つけることで、商品に光を当てているんです。
当然、お客さまの注目も変わります。例えば、切り口はいたって普通なんですが、耳かきランキングを作ったことがあるんです。ランキングになった途端に注目度が変わり、普通の耳かきでも爆発的に売れたことがありました。聞いた話では他店の30倍売れたそうです。
ランキングは付加価値というか、プラスアルファの後押しになるようです。お客さまに聞いても目的買いよりも、衝動買いが多くて「困った店」と言われます。
アスキークラウド5月号の「思わず買ってしまう駅ナカマーケティングのカラクリ」では、ランキンランキンのランキング形式がもたらすビジネスの効果と駅商業施設の購買心理について取り上げている。