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17インチiMacの解像度でWindowsを起動した際のイメージ |
Intel MacでWindowsを起動する――1月のiMac/MacBook Pro登場以来、幾人ものユーザーが挑み続けてきたその夢がついに実現した。以下に今までの経緯を簡単にまとめ、Windowsの起動が困難だった理由を解説していこう。
そのままのWindowsでは起動できない
2005年6月、米アップルコンピュータ社がMacのCPUを一般的なPCと同じIntel製CPUに変更することを発表して以来、インターネットなどでは「Mac OS XとWindowsを1台のマシンで使えるようになるのではないか」と期待の声が挙っていた。
しかし、実際にはIntel MacにWindowsをそのままインストールすることは不可能だ。Intel Macはファームウェアに“EFI”(Extensible Firmware Interface)を採用しているのに対して、一般的なPCのファームウェアは“BIOS”(Basic Input/Output System)。両者は異なるため、BIOSにしか対応していないWindowsはEFI上で起動することはできない。
状況が二転三転! ついにWindowsの起動を確認
当初は、2006年後半に発売が予定されているWindowsの次期バージョン『Windows Vista』(開発コード名“Longhorn”)でEFIがサポートされる計画であったため、Intel MacでWindows起動を試みるユーザーの中には「VistaならIntel Macで動作するのではないか」と期待する人も多かった。
しかし、先日開催された米インテル社の開発者向けイベント“Intel Developer Forum”において米マイクロソフト社のAndrew Ritz(アンドリュー・リッツ)氏が、「2007年以降に発売予定の『Longhorn Server』までEFIはサポートしない」と発言したため、Intel MacでWindows起動の道はさらに遠くなったかと思われていた。
だが、状況は16日に一変した。ハンドルネーム“narf2006”を名乗る2人の人物が“Windows XP on an Intel Mac”(Intel MacでWindows XP起動コンテスト)にWindows XPとMac OS Xのデュアルブートの実現方法を提出。コンテスト主催者側での検証により、実現可能であることが証明されたのだ。
これにより2人は有志によるカンパで集められた1万3800ドルほど(約160万円)の賞金を手にする権利を得た。現在、コンテストのサイトでは、デュアルブートのために必要なファイルと詳細な手順書が公開されており、Intel MacとWindows XPを所有しているユーザーであれば誰でも試せるようになっている。
narf2006氏によれば、BIOS互換機能である“CSM” (Compatibility Support Module) を独自に開発したとのこと。元々EFIの規格では、BIOSにしか対応していないOSを起動させるためにCSMの仕様が定義されているのだが、Mac OS X以外のOSを起動させることを考慮する必要のないIntel Macには搭載されていなかったのだ。
ただし、CSMの追加だけで市販のWindows XPのCD-ROMからすんなりインストール可能になるわけではなく、一部のファイルを置き換えてIntel Mac専用のインストールCDを作成しなければならない。また、Mac側もパーティションを2つに分割して、Windows用/Mac OS X用にフォーマットしておく必要がある。しかし、こうしたインストールに関わる一連の操作は、アップルおよびマイクロソフトの動作保証外となる利用方法で、今後大きな問題が発生する可能性は否定できない。
