FIXERと東京メトロポリタンテレビジョンは、テレビ番組とテレビCMの考査業務を支援するAI考査システム「GaiXer Review Agent」を共同開発した。放送基準や関係法令への適合性を映像、音声、台本、絵コンテなどから自動判定する点が特徴だ。
このシステムの大きな特徴は、30分以上の通販番組や一般番組、アニメ番組などの長尺コンテンツにも対応することだ。従来は熟練担当者でも1本あたり5時間ほどかかっていた30分通販番組の考査が、約2時間まで短縮されたという。さらに、システム単体では約10分弱で一次判定が可能で、考査担当者が最終確認を行うダブルチェック体制と組み合わせることで、判断の標準化と業務効率化を両立する設計となる。
機能面では、放送局ごとに内規や業界ルールを反映してカスタマイズできるほか、抵触の度合いを重大、中程度、軽微の3段階で解析する。動画だけでなく、放送台本、絵コンテ、WEBサイトも対象とするマルチ解析に対応し、映像、音声、テロップを横断してタイムスタンプ付きで指摘箇所を抽出する。指摘内容と根拠をまとめたPDF回答書の自動生成や、チャット形式での追加質問、代替表現の提案も利用できる。サブリミナル検出や赤色点滅チェック、レポート生成後に解析データを自動削除するデータ非保持設計も備える。
TOKYO MXではすでに本格導入が始まっており、システムと考査担当者による二重確認で運用している。長年蓄積してきた考査知見をAIに反映したことで、担当者による判定のばらつきを抑え、ノウハウ継承の難しさにも対応する狙いだ。なお、本システムは特許出願中で、現在は複数のテレビ局で導入検討が進んでいるという。放送現場の負荷軽減と品質担保を同時に狙う基盤として、今後の展開が注目される。
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