第11回 サイバー攻撃から企業・組織を守るフォーティネット「ユーザー事例」

少ない負荷で大きな安心感を手に入れ 安定した止まらないネットワークを実現

マルウェア検知後の対応をMDRでカバー 北海道放送がFortinetで得た安心感とは?

文●フォーティネットジャパン 編集●ASCII

提供: フォーティネットジャパン

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導入の効果
・パターンファイルベースのEPPよりも一段高いセキュリティを実現
・FortiEDRとMDRの組み合わせによって、検知後の対応負荷を大きく軽減
・放送事業者に求められる「止まらないネットワーク」の実現に寄与

顧客:北海道放送株式会社
業種:放送
所在地:北海道
職員数:220人


 北海道放送(HBC)は1951年の創業以来、ラジオやテレビといったメディアを通して北の大地の魅力を発信し、「もっと世界が憧れる北海道」の実現に取り組んできました。

 放送事業は免許制であり、経営体制や番組内容などさまざまな要件が求められます。技術的には、設備やネットワークの故障などで放送停止という重大な事態に陥り、ユーザーである従業員や視聴者に迷惑を掛けないよう、「止まらないシステム」が求められます。

 そのためHBCでは、外部のシステムインテグレーターに構築・運用を委ねるケースが一般的な中にあって珍しく、自分たちの手でネットワークを組み上げ、内製で運用してきました。そして、ランサムウェアなどのセキュリティ侵害に備え、負荷を増やさず検知し封じ込める仕組みを、FortiEDRとMDRの導入によって実現しました。

課題1: 止まらないネットワーク実現に不可欠だったエンドポイントセキュリティの強化

 HBCは、重要インフラ事業者に準ずる放送事業者として、「止まらないネットワーク」の実現に取り組んできました。北海道放送株式会社 技術局システム管理部 杉本浩氏は「100%止まらないネットワークを目指しつつ、それでも万一止まってしまった時には、短時間でリカバリできるシステムを目指しています」と語ります。

技術局 システム管理部 杉本 浩氏

 そして今や、ネットワークの可用性を脅かすのは機器の故障や回線障害だけではありません。サイバー攻撃によっても事業を停止せざるを得なくなる事態に追い込まれる恐れがあり、セキュリティインシデントの防止や対応が欠かせません。しかしこの数年、サイバーセキュリティを巡る情勢は悪化する一方です。

 HBCでは、パターンファイルベースのエンドポイントセキュリティ製品(EPP)を利用し脅威に備えてきました。しかしこの3〜4年でマルウェア、特にランサムウェアがたびたび重大インシデントを引き起こすケースを見聞きするにつれ、危機感を高め、ファイアウォールとEPPの組み合わせからもう一段踏み込んだ対策の必要性を痛感するようになりました。

「マルウェアの増加に対し、まず振る舞い検知が有効ではないかと考えるようになりました。ただ、振る舞いベースで検知した後の処理が課題でした」(杉本氏)

課題2:重要インフラ事業者として求められるセキュリティ要件

 放送・通信は重要インフラ分野の一つとなっており、総務省は近年、放送設備のサイバーセキュリティ確保に向け、既存の技術基準に、番組送出設備や中継回線設備、放送局の送信設備のセキュリティ確保に向けた規定を追加しています。

「昨今のセキュリティ情勢を踏まえ、放送事業免許の要件の一つとして、放送設備のサイバーセキュリティ対策が求められています。社内の関係部署から相談されるケースも増えています」(同技術局次長兼システム管理部長 後藤学氏)

技術局次長 兼 システム管理部長 後藤 学氏

 HBCでは放送事業を担うこれらの設備を、業務用の社内端末とは別のネットワークに隔離することでセキュリティを担保してきました。しかし業務の都合上、どうしても業務用ネットワークとの間の通信は発生します。そんな特殊な条件において、どのように双方の端末を保護していくかも課題の一つでした。

解決方法:FortiEDRとMDRによる対応の自動化

 内製を旨としてきたHBCでは、セミナーや展示会などで情報を収集しながら、2〜3年かけてじっくりと自社ネットワークに適したEDRを検討しましたが、いずれも決め手に欠ける状況でした。そんな中、注目したのが、FortiEDRとMDRの組み合わせでした。

 ベンダーの信頼性や販売パートナーの対応に加え、HBCにとって重要な条件の一つは、インターネットにつながる業務ネットワークだけでなく、放送設備ネットワークという閉域網についても、境界にFortiGateを用いることで通信の遮断を行うことができるなど、閉域網に対してもマルウェアへの対策を行える点が魅力でした。

 もう一つは、マルウェア検知後の「後始末」の負担をどれだけ軽減するかでした。放送局は24時間365日稼働しており、週末も年末年始も誰かが勤務しています。何らかのきっかけで端末がマルウェアに感染し、検知したとして、アラートが上がるたびに内容を精査し、本当に危険なものであれば封じ込めを行うといった一連の対応をシステム管理部が行うのは、人的リソースの面で非現実的でした。

「他の製品では、土日だろうが深夜だろうが『インシデントがありました、どうしますか?』という判断を求められます。これに対しFortiEDRは、まずは自動的にマルウェアの動きを止めてくれます。一時的な止血までを行い、拡散を食い止めてくれるので、次のステップは休み明けに落ち着いて対処すればすみます」(杉本氏)

フォーティネットジャパン主催のFastTrack(ハンズオン)セミナーを受けることで、FortiEDRの動作や設定内容についても実際に触れながら確認しました。「イメージをつかみ、『これならばそんなに困ることもなく運用できるな』という手応えを得ることができました」(同技術局システム管理部リーダー 平沢勇斗氏)

技術局 システム管理部 リーダー 平沢 勇斗氏

Fortinetを選んだ理由/導入の効果

 HBCは2025年5月から、社内業務用のWindows端末約500台にFortiEDRを導入し、運用を開始しました。

「FortiEDRが自動的に一時対処を行い、その後、MDRでさらなる調査・対応をしてくれるため、我々が対応する場面はほとんどなく、ほぼお任せできています」(平沢氏)。時折、MDRからウイルススキャンなどの推奨事項を知らせる通知が届くこともありますが、運用負荷はゼロに近い状態です。

 導入初期には、原稿作成や勤怠管理、資産管理といったHBC独自の正規アプリケーションが検知・ブロックされてしまうこともありました。過検知を減らすためにイベントを精査し、チューニングする必要がありましたが、「どのように設定すべきか分からないときは、BPS(導入支援サービス)で気軽に尋ねることができ、助かりました」(平沢氏)

 一通りチューニングを済ませて展開した後はトラブルなく、また従業員から問い合わせやクレームが寄せられることもなく、スムーズに運用できています。

技術局 システム管理部 木村 莉理氏

 副次的な効果として、それまでシステム管理部が気付いていなかったアプリケーションやSaaSの存在に、偶然気付くきっかけも生まれました。

「FortiEDRの管理コンソールに上がったイベントを確認する中で、たまたま未許可のアプリケーションやSaaSの利用が目にとまることがありました。もちろん、これですべてを把握できているわけではありませんが、そうして見つかったリスクへその都度対処を重ねることで、確実にセキュリティレベルの向上に繋がっています」(平沢氏)

 FortiEDRとMDRの組み合わせによって、パターンファイル型のEPPだけに頼っていた状態に比べぐっとセキュリティレベルが高まっただけでなく、大きな「安心感」が得られたと言います。

「言うなれば安心をお金で買ったようなものです。振る舞いに基づいてマルウェアを検知でき、しかも運用も任せられるため、以前のように心の片隅に不安を抱きながら運用しなくてもよくなり、心の安寧が手に入れられました」(杉本氏)

 腰を据えて検討した分、EDRの導入時期は業界の中でも遅めになったのは事実ですが、概ね満足いく効果が得られています。「安心感に加え、放送を止めないという使命を持ち、免許を受ける放送事業者として、『やるべきことをやっています』と説明責任を果たせるようになったことも重要です」(後藤氏)

 HBCでは今後も自力運用の方針を掲げながら、自社にとって最適なインフラやセキュリティのあり方を模索し続けていくと言います。「お金を掛けるだけがすべてではありません。自分たちが何をしなければいけないか、それをいかに効率的に、効果的に適用していけるかを、自分たちの知識を高めながら検討し続けていきます」(杉本氏)。フォーティネットから最新の脅威や攻撃手法、トレンドに関する情報を得ながら、自分たちの手と足で進み続けます。
 

本記事はフォーティネットジャパンのユーザー事例「マルウェア検知後の対応をMDR でカバーし 少ない負荷で大きな安心感を手に入れ 安定した止まらないネットワークを実現」を再編集したものです。

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