「デジタル資産×現場データ」の勝利の方程式とは?

フィジカルとAIをつなぐOODAループはもう実装可能 ソラコムとセンシンロボティクスが語る「リアルワールドAIプラットフォーム」

大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: ソラコム

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IoTのデータと掛け合わせるべき「デジタル資産」とは?

大谷:48%減というのはかなり劇的な効果だと思うのですが、プロジェクトはスムーズだったのでしょうか?

松下:いいえ。IoT以外のデータの取り込みには、それなりの負荷がかかりました。複数のデータを掛け合わせて、加工して、判断するフェーズは、けっこう面倒くさいんです(笑)。だから、その手間をかけて、効果が数%だったら、やはり試行錯誤は難しいと考えました。お客さまがどこでつまづくかを実感できたんです。

この課題への解決をサービスに落とし込んだ構想がリアルワールドAIプラットフォームになります。具体的には、空調や部屋の温度といったフィジカルデータと、ユーザや事業者が持っているデジタル資産を読み込ませることで、AIをより賢く利用し、人間が今まで以上に生産性の高い働き方をできる世界を目指しています。

大谷:フィジカルデータは従来からIoTで取得してきたデータと考えればよいと思うのですが、デジタル資産とはどんなものでしょうか?

松下:SaaSが保有しているデータ、従業員が入力している日報データ、外部との受発注データなど、未使用のものも含めた幅広い社内データと言えると思います。

社内データって、本当は宝の山なのに、それこそ社内に眠っているものも多い。今まで単なるビッグデータだったけど、AIの登場でようやく価値を採掘できるようになったというのが玉川(ソラコム CEO)も話していました。だから、単なるデジタルだけではなく、今あるデジタルが価値を生み出すという意味で「デジタル資産」なんです。

大谷:先日、別の取材でなるほどなと思ったのは、デジタル資産は過去のもの、フィジカルデータって未来のものという分け方ですね。眠っている過去のデータと未来を掛け合わせることで、新しい価値を生み出すチャレンジがリアルワールドAIプラットフォームで実現するのではと思っています。

「コンテキストエンジニアリング」に必要なのは企業のノウハウ

大谷:リアルワールドのIoTデータと、サイバーワールドのデジタル資産をAIで組み合わせて価値を出す。諸藤さんから見ると、現実的になっているんでしょうか?

諸藤:最近のトレンドで言うと、「コンテキストエンジニアリング」という方向性になるんだと思います。AIに対して、自分が解いてほしい問いを、いかに正確にLLMに伝えるかですよね。たとえば、単にPDFを渡すだけではなく、このPDFを読みやすい形に変換したり、過去の背景やプロンプトの意図を伝えるためのコンテキストを整備して、LLMから欲しい結果を得るという作業になります。

2024年だと、まだプロンプトエンジニアリングというレベルで、LLMが学習済みのデータからどのように結果を引き出すのかというプロンプト作りが前提でしたが、2025年にフォーカスされるようになったのはやはりコンテキストだと思っています。

大谷:このコンテキストを形作るための背景や目的、あるいは課題を解くためのノウハウって、汎用的なニーズで作られたと異なり、やはりユーザー企業オリジナルのものですよね。

松下:データからどこを抽出して、どのような価値につなげるか。企業の競争力の源泉と言えるかもしれません。僕らがタッチできる領域ではないのですが、そのデータを投げ込める仕組みは必要だと思います。今まで組織単位でデータを用意し、機械学習で分析して、結果は数ヶ月後といったペースだったものが、個人レベルでできてしまう時代です。なんなら回答が数分後に返ってくる。今までに比べて試行錯誤を数百倍、数千倍のスピードで行なえるようになっています。

諸藤:しかも、競争力の源泉であるノウハウの継承は、どの企業もけっこう急いでいます。なぜかというと、ノウハウを持ったベテランが引退していますから。だから、悠長なことは言ってられなくて、この数年でノウハウを継承しなければとと考えているお客さまが多いんです。

松下:確かに現場のノウハウを元に人材を育成するみたいなAI化する、ロボット化するみたいな話は確かに増えていますね。

諸藤:われわれも、もともとはリアルワールドからデータを収集するところからスタートしているのですが、それだけだと業務改善につながりません。単にドローンでデータ収集するだけだと、逆にデータが増えすぎて、仕事も増えてしまうんです。全然業務改善にならない。だからAIが必要。われわれのソリューションでは、撮影した写真を用途に応じて切り出すだけではなく、自動でフォルダ分けするところまでやります。

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