「デジタル資産×現場データ」の勝利の方程式とは?
フィジカルとAIをつなぐOODAループはもう実装可能 ソラコムとセンシンロボティクスが語る「リアルワールドAIプラットフォーム」
提供: ソラコム
IoTプラットフォームを手がけるソラコムが提唱する「リアルワールドAIプラットフォーム」の世界感を語り合う対談企画。第1回は社会インフラ系のDXに取り組むセンシンロボティクスの諸藤洋明氏をゲストに迎え、ソラコム エバンジェリストの松下享平氏と議論を深めていく。現場データとAIを組み合わせることで得られる価値と2030年への道程は期せずして同じフレームワークに落ち着いた。
インフラ点検業務を「あこがれのお仕事」にするセンシンロボティクス
大谷:ソラコムの描く「リアルワールドAIプラットフォーム」はリアルワールドのデータをサイバーワールドのデータと掛け合わせてAIで価値を創出するという世界感です(関連記事:AIは、これから現実のモノと結びついていく──IoTの次は「リアルワールドAIプラットフォーム」)。ただ、まだまだピンと来ない人も多いので、リアルワールドに当たる現場のIT化を進めている会社の方と対談して、この世界感を深掘りしていこうという企画です。
今回、センシンロボティクスさんにお声がけした経緯は、2年前にマイクロソフトと主催した「AI Challenge Day」というハッカソンイベントで、「観光案内ボットを作る」というテーマに対して、「案内してくれるロボットまで作れますよね」という提案をプレゼンしてくれたのがきっかけ(関連記事:生成AIの熱き戦いが品川でも! GPT-4oもフル活用されたAI Challenge Day 2nd)。AIの話をすでに超えて、フィジカルなロボットの話まで行っているのに驚いて、リアルワールドAIプラットフォームを語る対談に来てもらったという話です。まずは諸藤さんから会社概要からお願いできますか?
諸藤:センシンロボティクスは、社会インフラ系のDX化をお手伝いしています。おもに電力・プラント企業の現場にあたるプラントの点検や建設現場のDXなどを、IoTやAIを組み合わせながら展開しています。
具体的には、お客さまへのコンサルティングとソフトウェア提供を中心にしており、ドローン、センサー、カメラなどのハードウェアは他社から調達しています。現場の課題や得たいデータに合わせてデバイスを実装していくのが、われわれの基本的なスタンスになります。
PCの中で済むようなホワイトカラーのDXに対して、センシンロボティクスが手がけてきた社会インフラ系はまだまだ紙も多いし、正直遅れています。3年前、私がセンシンロボティクスに入社した理由でもあるのですが、まだまだ伸びる余地を感じたんです。
大谷:社会インフラ系の会社では、どのような事例があり、どのような課題があるのでしょうか?
諸藤:たとえば、ソーラーパネルや鉄塔の点検などは、われわれでよく手がける案件です。両社で共通しているのは、「圧倒的な業務量と人手不足」と「危険な作業」という課題です。
ソーラーパネルのファームって、めちゃくちゃ広大だし、台数も多い。歩いて点検するのはとても大変。鉄塔も同じで、人が鉄塔に登って検査するのはそもそも危険だし、雨天だと作業もできません。データを収集しても、分析に時間がかかります。こうした課題に対して、ドローンやAIを組み合わせてデータ収集と分析を行なうことで、人は見るべきデバイスに集中できます。監督者とドローンで業務が完了します。
大谷:人手だと大変な作業がドローンで効率化されるんですね。
諸藤:はい。今まで率先してやりたがられない地道で危険な場面もある業務だったのに、ドローンを使うことで、むしろ「あこがれる業務」になるんです。
新しい人が入ってこないと、どの領域も、どの分野も進歩しない。スポーツも新しい人が入ることで、プレイが向上し、ファンも増え、業界が盛り上がる。これって社会インフラ全体に全般に言えることです。
大谷:「レコードはなくならない」みたいな話に近いのかもしれません。
諸藤:そうですね。若い人たちがレコードを回し、新しい楽しみを見つけるから、業界が進化していくんです。社会インフラに関しても同じように、目の前の課題を解決するだけではなく、業界を盛り上げるサイクルを回していきたいと思っています。
可視化の価値は大きいが、「データは溜めたものの……」という企業も多かった
大谷:センシンロボティクスがどちらかというと社会インフラ系の業界をフォーカスしているのに対して、ソラコムのIoTプラットフォームはさまざまな業界で利用されていますね。
松下:IoTやAIをシステムとして展開するにあたっては、課題や面倒なことがいろいろ出てきます。以前はおもにIoTの課題に注力していました。たとえば、セキュリティをちゃんと実装しようとしたら、通信網、プロトコル、ハードウェア、あらゆるところに手を入れる必要がありますが、結果できるモノはあまり変わりません。
だったら、共用できるシステムをわれわれが開発し、複数のユーザー企業や業種・業界で横展開する仕組みを、プラットフォームとして提供した方がよいわけです。2015年にわれわれがIoTプラットフォームとして立ち上げたSORACOMは、オンラインで契約すれば、通信やクラウドの管理機能をすぐに利用できます。このプラットフォームは、IoTのみならず、AIにおいても必ず利用されるようになるだろうと考え、今はAI/IoTプラットフォームを謳っています。
大谷:具体的にどのような価値を実現してきたのでしょうか?
松下:可視化したことで、現場が見えるようになれば、さまざまな判断や業務改善につなげられます。だから、可視化自体に大きな価値を見いだしているお客さまが多いというのは、まずハッキリさせたいポイントです。ただ、「データは溜めたものの……」とか、「見える化したが……」で止まっているお客さまがいるのも事実です。
実際、ソラコムがスタートした2015年当時は、「データを溜めれば、きっと価値につながるだろう」と思われていました。でも、集めてみても、目的がハッキリしていないから使えなかったり、ストレージが高価なので保存が難しかったりと、チャレンジの結果で見えてきた課題が多くありました。ならばと、目的を設定して、データを絞るアプローチも試されたのですが、あまり価値に結びつかなかった。「多すぎて見つからない。絞りすぎても見つからない」という状態に陥ったお客さまも、それなりにいたと思っています。
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