車両部品の開発を担う「TCシャシー設計部」の実践例・4選
トヨタ自動車はBacklogのAIアシスタントをこう使っている “現場の知見”を貯めるAI用データベースに
車両部品の設計・開発管理に、プロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」を利用するトヨタ自動車のTCシャシー設計部。同部では、Backlogに組み込まれた「Backlog AIアシスタント(β版)」の活用を、2025年8月より始めている。日々の業務で書き込まれるデータとAIが組み合わさることで、現場ではどのような変化が起きたのか。
TCシャシー設計部では、部方針や個人のタスク可視化や事務職への業務依頼、承認回覧物の管理など、幅広い用途でBacklogを活用している(参考記事:トヨタ自動車、Backlogで「カイゼン」を加速 独自ダッシュボードで稼働時間を可視化)。
一方のAI活用の面では、全社的に複数の汎用AIツールが展開されていた。ただしそれらは「一般的な知識」を扱うのに強みのあるツールであり、同部では「業務レベルのナレッジ」を扱えるツールを求めていた。そんな折に登場したのが「Backlog AIアシスタント」だ。
TCシャシー設計部のBacklog AIアシスタントの活用例4選
同部では、Backlog AIアシスタントの活用パターンが徐々に定着しており、そのひとつが「個人の業務成果の振り返り」である。上司との面談に向けて、AIに自身の成果を尋ねると、Backlog内のデータを基に過去の業務内容を整理してくれる。「○○を設計しました」という事実に加えて、能力の向上について聞くと、「この業務を通じて~の知識が高まった」といった客観的なコメントも返してくれる。
「過去の類似業務の検索」にもよく利用される。従来のキーワード検索では、言葉の揺らぎにより欲しい情報にたどり着きにくかったが、Backlog AIアシスタントであれば曖昧な表現でも横断的に情報を抽出してくれる。「○○(業務名)に関係する課題を挙げてください」と尋ねるれば、過去に誰がどのように対処したかまで把握できるという。
変わった利用方法としては、部内の「表彰者の選出」にも役立っている。Backlogに有益な書き込みをしたメンバーを表彰する際に、「Backlogに知見を残す意識が高い人を3人挙げてください」と問いかけると、理由付きで候補者がリストアップされたという。こうして、Backlogでナレッジを残すメンバーの評価につなげている。
現在は、業務着手前に「注意点を洗い出す」用途での活用を試しているところだ。Backlogにナレッジを貯めていくことで、精度の高い「業務マニュアル」として機能することを期待しているという。現状、「○○○(業務名)をする際に気を付けるポイントを5つ挙げてください」と尋ねると、現場で活用できるレベルの回答が得られている。
日々利用するだけでAI用データベースが構築できる“一石二鳥”のツール
TCシャシー設計部は、過去の類似業務を調べるだけでも、1回あたり数分~数十分の短縮効果を実感しているという。さらに、新規メンバーがAIで業務知識をキャッチアップして、仕事や議論にすぐに参加できる点もメリットとして挙げられた。
そして、Backlog AIアシスタントの最大の強みは、業務管理で扱う情報が、そのままAI活用のためのデータベース構築につながることだ。「日々の業務に使っているだけで、結果として『AI用のデータベース』が育っていきます」と語られた。





