セールスフォースの「Agentforce」、採用プロジェクトは1万8500件に
営業未経験者の架電準備時間が60分の1に短縮 UCCは“AIエージェントとの協働”で営業をどう変えたのか?
2026年02月20日 10時00分更新
いち早く業務アプリケーションにAIエージェントを取り入れたセールスフォース。今ではグローバル1万8500件のプロジェクトで同社の「Agentforce」が導入されているという。
コーヒービジネスを手掛けるUCCグループもAgentforceを実運用する組織のひとつであり、営業領域でAIエージェントとの協働を始めたばかりだ。
セールスフォース・ジャパンは、2026年2月18日、企業向けのAIエージェント基盤「Agentforce 360」の顧客事例とアップデートに関する説明会を開催。ゲスト登壇したUCCジャパンの執行役員 ICT・デジタル担当 兼 情報セキュリティ担当である黒澤俊夫氏は、インサイドセールスにおけるAgentforce活用の成果や課題について共有した。
営業未経験者の架電準備が“60分の1に” 短期間で立ち上げたAI協働のインサイドセールス
コーヒーの卸業を原点に、グローバルで事業を展開するUCCグループ。今回AIエージェント活用が語られたのも、同グループで業務食品卸を担う「UCCコーヒープロフェッショナル」の営業領域である。
同社が抱える顧客は全国約10万軒の飲食店やホテルであり、アクティブな顧客だけでも6万~7万軒に上る。一方で営業人員は約500名に限られ、「リーチがおよんでいない」(黒澤氏)状態だった。そこで現在進めているのが、AIエージェントによる営業提案の標準化・パーソナライズ化だ。
その取り組みのひとつが、短期間で立ち上げた、AIエージェント協働のインサイドセールス体制である。Agentforceが顧客に合わせて推奨商品を選定し、さらにパーソナライズしたトークススクリプトを生成することで、誰もが一定の品質の提案ができる仕組みを構築した。
実際に、オペレーターはグループのBPO企業のリソースを振り分けており、営業未経験者がAIエージェントを活用して、インサイドセールスを行っている。
また、アプローチ先の選定に関してもAgentforceが活躍する。発注が減っている顧客向けのMAコンテンツ(メール)を生成・配信し、開封した企業に対して架電をしていく戦略をとる。
こうしたインサイドセールスのプロジェクトが始動したのは2025年4月だ。そこからGWを挟み、最初の仕組みが稼働したのが6月末。その5週間後には新機能を投入するなど、まさにスピード感を持って体制が構築された。
トークスクリプト生成の効果も絶大で、オペレーターによる架電の事前準備にかかる時間が、40分から40秒と“60分の1”に短縮。それに伴いリーチできる顧客の数も2倍に増加した。
一方で、まだまだ課題もあると語る。トークススクリプトの人によるチェックは必須であり、内容にずれが生じている場合は、マスターデータの誤りが原因であることが多いという。「継続的なデータ整備の重要性を実感している。加えて、飲食店はどうしてもアプローチできる時間帯が限られているため、今後はAgentforceを活用して、非同期のチャネルにもリーチしていきたい」(黒澤氏)
加えて、2026年2月からは、フィールド営業においてもAgentforceの活用を始めている。事前準備や商談のサポート、商談後のフィードバックまでカバーする「コーチングAI」を構築。これにより、昔ながらのルート営業から、AI活用の余地が大きいフィールド営業へと比重を移していく方針だ。
さらに今後は、会員向けのECポータル「Foods Fridge Pro」においてもAIエージェントを投入。購入履歴に基づく商品表示やAIチャットボットの実装などを検討していくという。






