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メモリーの価格高騰でDDR4が再注目! あえて今DDR4で組むのは正解か?

2026年02月21日 13時00分更新

文● KTU (加藤勝明) 編集●北村/ASCII

提供: ASUS JAPAN株式会社

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 「AI需要でメモリーやストレージ価格が高騰!」というニュースを今年何度見ただろうか? 昨年秋に3万円前後で流通していたDDR5-6400の32GB×2枚組モジュールは、今では10万円オーバーの超高級品である。

 こうなると値上がり率の激しいDDR5よりもDDR4に注目が集まる。例えば16GB×2枚組モジュールの場合、DDR5-5600であれば最安6万円台後半〜だが、DDR5-3200であれば「まだ」4万円弱で入手可能である。Ryzenの場合、DDR4が利用できるマザーはSocket AM4を搭載したものに限定されるが、現行DDR5世代のSocket AM5マザーよりも安い。

 さらにCPU自体の価格もSocket AM4世代のRyzen 5000シリーズは安価である。処理待ちの時間を1分1秒でも縮めたい人は迷わず最新CPUとDDR5の組み合わせにすべきだが、そうでないならDDR4メモリー+Ryzen 5000シリーズ+Socket AM4の組み合わせが好適だ。

 そこで本稿では、RyzenにおけるDDR4とDDR5はどちらがどの程度速いのか? という疑問に答えつつ、Socket AM4とAM5マザーの違いについて再度まとめてみたい。

高額だけど速いDDR5と、安価だけど速度もそれなりのDDR4、いったいどちらで組むべきか?

 ただ結論から先に言えば、本稿におけるDDR4とDDR5対決において、DDR4つまりSocket AM4の勝ち筋は非常に薄い。CPUコア数において少々DDR4世代のRyzenが勝っていても、設計の新しいDDR5世代のRyzenを打ち負かすことはできない。良くてイーブンといったところだ。

 だが今は冒頭で述べた通り未曾有の半導体危機時代である。PCが欲しいなら割り切ってDDR4メモリーが使えるプラットフォームを選ぶ方が良いこともある。「この使い方なら、自分はDDR4でいい/ DDR5でないとダメだ」という気づきが得られれば幸いである。

メモリーの安い8コア 対 メモリーの高い6コア

 今回の検証環境はストレージとビデオカードを除く全てのパーツは機材を貸与いただいたASUSがチョイスしたもので構成されている。まずDDR4プラットフォームは「Ryzen 7 5700X」とASUS「PRIME B550M-A」を軸に、DDR4-3200 8GB×2枚組モジュールという組み合わせ。

 これに対しDDR5プラットフォームは「Ryzen 5 7600X」にASUS「PRIME B850M-A WIFI-CSM」を軸にMicron製DDR5-6000 16GB×2枚組モジュールを組み合わせた。

 DDR4側はDDR5よりもコア数が2基多いがDDR5側はメモリー容量が多いという非対称構成である。さらにDDR5側はオーバークロックメモリーを利用しているため、DDR4側に合わせDDR5側もDDR5-5600で運用している。

 また、ビデオカードはGeForce RTX 5060 Ti 8GB版をチョイス。CPUパワーの違いを見るためにはなるべくハイパワーGPUを搭載したビデオカードを使うのが常だが、本稿の趣旨は安めのDDR4ベースのPCがDDR5ベースのPCにどこまで食らいつけるか? であるためGPUはミドルクラスのものをチョイスした次第だ。

 ドライバーは検証時点で最新のGameReady 591.86を使用した。Resizable BARやSecure Boot、メモリー整合性やHDR等は有効化、ディスプレーのリフレッシュレートは144Hzに設定した。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 7 5700X」(8コア/16スレッド、最大4.6GHz)
AMD「Ryzen 5 7600X」(6コア/12スレッド、最大4.7GHz)
CPUクーラー ASUS「PRIME LC 360 ARGB WHT」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「PRIME B550M-A」(AMD B550、BIOS 3636)
ASUS「PRIME B850M-A WIFI-CSM」(AMD B850、BIOS 1627)
メモリー CFD「W4U3200CS-8G」 (8GB×2、DDR4-3200)
Micron「CP2K32G60C40U5B」 (16GB×2、DDR5-5600)
ビデオカード GeForce RTX 5060 Ti 8GB搭載カード
ストレージ Micron「CT1000T500SSD8JP」(1TB M.2 SSD、PCIe Gen 4)
電源ユニット ASUS「AP-850G」(850W、80 PLUS GOLD)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2)

検証に使用した「PRIME B550M-A」。実売価格は9000〜1万円といったところ。2020年発売なので最新マザーと比べると設計は驚くほどシンプルだ。MicroATXでM.2スロットを2本装備しているが、この世代の低価格マザーはM.2用のヒートシンクがないものが多い

PRIME B550M-AにCPUとメモリーモジュールを装着した状態

こちらは「PRIME B850M-A WIFI-CSM」。PRIME B550M-Aを最新のB850チップセットに置き換えたような製品だが、基板上に搭載されているヒートシンクの量が圧倒的に多い。実売価格は2万4000円前後だが、これだけ金属部品が多ければ高いのも頷ける。M.2スロットにヒートシンクが搭載されている点にも注目したい

PRIME B850M-A WIFI-CSMにDDR5モジュールを装着したところ。Socket AM5版RyzenはCPUのヒートスプレッダーの凹みからグリスが溢れそうと言う人がいる(筆者も言っていた)が、散々AM5で組んだ経験で言うとグリスが適量なら心配する必要はない。漏れて下に垂れるのはグリスが多すぎる時だけだ

2枚のマザーを比べると、現行のB850マザーの方が同じようなグレードでもチップやコンデンサー類も増えていることがわかる。しかも金属部品もこれだけ差がある。Socket AM5マザーが高くなるのは至極当然の話だ

 こうして新旧Ryzen用マザーを比較すると、現行のDDR5マザーは様々な工夫が凝らされている。昔はM.2スロットにヒートシンクが標準装備されていないマザーも多かったが今ではほぼ標準装備となった。

 それだけでなく、M.2の規格そのものもDDR4世代はPCI Express Gen4接続だったのに対し、現行のDDR5世代はPCI Express Gen5接続。動画編集で数十GBオーダーのファイルをコピーする作業が多いなら、少々背伸びをしてもDDR5マザーを選ぶという手もあるだろう。

 またDDR5世代のマザーはバックプレートがマザーと一体型になっていたり、Wi-Fiが安価なマザーにも標準装備されていたりと至れり尽くせりな点もメリットだ。

 DDR4マザーはそういった配慮がないものが多く、特にPRIME B550M-Aクラスのマザーは無駄な装備は極限まで削ぎ落とされていることが多い。だがその分安いのは代えがたいメリットである。

 PCI Express Gen5接続のM.2 SSDがフルスピードで使えなくても、より安価なGen 4接続のM.2 SSDで大容量なものを選ぶ方がいい、という考え方もできる。SSDの冷却も付属のヒートシンクよりも市販のM.2クーラーの方が冷える場合も珍しくない。要はどこにバランスを置くかなのだ。

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