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Zoomで変わる! 導入企業事例

Zoom活用事例:トラムシステム株式会社

AI時代のコンタクトセンターを見据えて 「Zoom Virtual Agent」と共に進む通信サービス企業

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ZVC JAPAN

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トラムシステム株式会社 代表取締役 梶田幸宏氏(中央)

 企業にとって重要な顧客接点業務を担うコンタクトセンター。ただし、オペレーターの離職率の高さや人員不足、採用難は、業界全体で長年の課題となっています。

 その課題を解決するソリューションとして、いま注目を集めているのが、AIがコンタクトセンター業務を支援/自動化する「Zoom Virtual Agent」です。人員不足のコンタクトセンターにおける業務負荷を軽減するとともに、顧客応対の品質向上、より良い顧客接点の実現にも寄与します。

 法人向けに電話回線/通信システムサービスを提供するトラムシステムでは、自社コンタクトセンターの業務効率化と省人化を目的として、このZoom Virtual Agentの導入を進めています。コンタクトセンターシステムに詳しいプロの目に、このソリューションの価値はどう映っているのか。トラムシステム 代表取締役の梶田幸宏氏に話をうかがいました。

■トラムシステム株式会社の導入ソリューション
 ・Zoom Virtual Agent

■Zoom導入前に抱えていた課題
 BPO(アウトソーシング)サービスを利用して自社サービスのヘルプデスクを運用してきたが、「応対品質の向上」「オペレーターごとの応対のばらつき防止」「社内エンジニアへの正確な情報エスカレーション」などに課題があった。

法人向け電話回線「TramLine」など、通信インフラの“as-a-Service”化を進める

 2008年に創業したトラムシステムは、マルチキャリア音声通信回線サービス(VaaS)の「TramLine」を主軸に、クラウドPBXサービス(UCaaS)の「TramOneCloud」、クラウドコンタクトセンターサービス(CCaaS)「TramOneCloud CXi」などの法人向けサービスを展開しています。現在の顧客企業像について、梶田氏はこう説明します。

 「われわれのお客さまは日本全国に広がっています。創業当初は200シート以下のSMB(中小企業)のお客さまがメインターゲットでしたが、大手SIerがパートナーに加わったこともあり、ここ1年ほどはエンタープライズ(大手企業)向けのサービス展開にも力を入れています」

 現在、顧客企業から特に高い評価を受けているのが、VaaSのTramLineです。電話回線コストの削減に寄与するだけでなく、複数の通信事業者から利用回線を選べ、かつ冗長構成ができること、回線の追加や電話番号の変更といった要望にも短期間で対応できることなどが、企業顧客からの支持を集めています。UCaaSのTramOneCloud Professional、CCaaSのTramOneCloud CXiを展開していくうえでも、このTramLineが付加価値となって採用を後押しするケースが多いといいます。

トラムシステムでは、法人向けの音声通信回線サービス(VaaS)、クラウドPBXサービス(UCaaS)、クラウドコンタクトセンターサービス(CCaaS)を提供している

BPOを利用した自社コンタクトセンター、顧客体験と業務効率に課題

 このように、顧客企業のコンタクトセンター開設を支援する立場であるトラムシステムですが、実は、自社のコンタクトセンター運営には課題を抱えていました。

 トラムシステムでは、サービスについての問い合わせや障害対応の受付を行う顧客企業向けのヘルプデスクを運営しています。社内の人員だけではまかないきれないため、一次受付にはBPO(アウトソーシング)サービスを利用し、高度な技術知識が必要な応対については、社内エンジニアへのエスカレーションを行っています。

 「ただし、このヘルプデスクに応対品質の向上、オペレーターごとの応対のばらつき防止が、長らく課題となっていました。本来ならば、よくある問い合わせ(FAQ)については、一次受付のコンタクトセンターだけで手早く、正確な回答ができることが理想です。しかし、現実にはオペレーターごとに知識のばらつきがあり、なかなか難しいのです」

 簡単な問い合わせ対応に時間と人員リソースを取られると、より緊急性の高い障害対応依頼を待たせてしまうことにもなります。顧客体験の向上、ヘルプデスク運用の効率化の両側面から、自社コンタクトセンターの改善が必要になっていました。

 それに加えて、一次受付を行うオペレーターからエンジニアへのエスカレーションにも課題がありました。

 エンジニアが正確に回答するためには、まずオペレーターが必要な情報を聞き取り、それを要約してエンジニアに引き継ぐ必要があります。しかし、この聞き取りや要約の精度でも、担当オペレーターによるばらつきが生じていました。場合によっては、エンジニアが顧客にもう一度、同じ内容を質問するようなことにもなり、顧客体験も業務効率も悪化してしまいます。

トラムシステムの抱える課題にフィットしたZoom Virtual Agent

 そうした課題に悩んでいたトラムシステムが出会ったのが、2024年に日本での本格展開が始まったZoom Virtual Agentでした。Zoom日本チーム(ZVC JAPAN)からの紹介を受けた同社では、「いま抱えている課題を解決できるのではないか」と考え、1か月ほどの社内検討を経て採用を決めました。現在は、2026年2月の本番運用開始を目指し、システム構築や試用、設定のチューニングなどを進めています。

 Zoom Virtual Agentは、コンタクトセンターへの問い合わせに対し、自然言語を理解するAIが自動応対するソリューションです。チャット(テキスト)だけでなく音声通話にも対応しており、自社で用意したFAQなどのナレッジベースを参照しながら回答するため、人間のような「応対のばらつき」もありません。

 また、AIでは応対ができないと判断した問い合わせは、自動的に人間の担当者へのエスカレーションを行います。ここまでの顧客とのやり取りはすべてテキスト化(文字起こし)されており、これを的確に要約して情報を引き継ぐ仕組みのため、担当者はエスカレーション後の応対をスムーズに進められます。

 さらに、Zoom Virtual Agentは単体サービスとしての導入が可能です。Zoom製のCCaaS「Zoom Contact Center」以外のCCaaS/UCaaSなどと連携できるほか、顧客情報を管理するCRM/SFAといったシステムの情報を参照させることもできます。そのため、すでに導入しているシステムに大きく手を加えることなく、AIによる高度な自動応対機能を追加できるのです。

 このように、Zoom Virtual Agentは、トラムシステムがヘルプデスク運用で抱えていた課題にしっかりフィットするソリューションでした。

Zoom Virtual Agentの応答例。ナレッジベースに基づく応対後、ユーザーの求めに応じて担当者へのエスカレーションを行っている

AIが回答時に参照するナレッジとして、ユーザーマニュアルなどのローカルファイル、Webページを指定している

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