第594回 SORACOM公式ブログ

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AI チャットボットとは?機能の整理と導入の検討ポイント

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「AI チャットボットとは?機能の整理と導入の検討ポイント」を再編集したものです。

こんにちは、ソラコム松下(ニックネーム: Max)です。

2022年11月の ChatGPT の登場から生成 AI が急激に注目され、ビジネス活用が進んでいるのはご存じの通りです。さらには生成 AI が元々持っている情報と、社内の情報を組み合わせることで「自組織の知識」としての AI 利用が広がっています。

この応用例の1つが「チャットボット」です。本記事では、改めてチャットボットの全体像や機能の整理、そして導入の検討ポイントをまとめてご紹介します。

AI チャットボットとは

チャットボットとは、人間との対話を自動的に行ってくれるソフトウェアの事です。

生成 AI 登場以前のチャットボットは、決められた応答をするルールベース型(シナリオ型)が主流でした。あらかじめ「A と言われたら B と返す」という条件や選択肢を設定しておく仕組みで、定型対応向けとして使われていました。

AI チャットボットは、裏方に生成 AI を利用したチャットボットです。生成 AI が入力文を理解し、また、生成 AI が持つ膨大な知識を基に応答できます。ルール以外の入力にも対応できるのが利点です。

こういった背景から、チャットボットの応用範囲を定型業務以外にも広げられるようになったのが、AI チャットボットです。

ボットの語源

ボット(Bot)はロボット(Robot)が語源と言われています。ロボットがハードウェアといった物理的な形状を持つ存在であるのに対し、ボットはネットワークやコンピューター上で動く「実体のないソフトウェア」を指す言葉として派生しました。

また、インターネットの黎明期にチャット上で自動応答するプログラムを、親しみを込めて(あるいは短く呼ぶために)「ロボット」の後ろ半分を切り取って「ボット」と呼ぶようになったのが始まりとも言われています。

もちろん言葉の変遷には諸説ありますが、現在では「目に見える機械=ロボット」、「システムの中のプログラム=ボット」という使い分けが一般的に定着しています。

AI チャットボットの利用範囲と対話方法

前述の通り、生成 AI によってチャットボットの業務範囲が広がっています。

  • 【社外向け】お客様からの問い合わせ対応、利用者の操作指示やアシスト、パーソナライズ情報の提供など
  • 【社内利用】社内規定やマニュアルの検索、ITヘルプデスクや総務の省力化、社員教育支援など

チャットボットとの対話の窓口(インターフェース)は専用のチャットページや、ウェブページに「ウィジェット」(ページに貼りつける小窓)として提供する方法があります。

内部利用の場合は上記で紹介したインターフェースの他に、Slack や Microsoft Teams といったコミュニケーションツールにチャットボットを一人のユーザーとして招き入れ、対話の窓口にするという手法もあります。

導入の検討プロセス

AI チャットボットの導入には、大きく4つの検討事項があります。1つずつ見ていきましょう。

検討1:活用スタイルの選択:AI を「表」に出すか「裏」に置くか?

AI チャットボットをどのような業務に適用するのか?という大きな目的はもちろん設定する必要がありますが、もう1つ考える事が「活用のスタイル」です。実は大きく2つの方向があります。

  • A) 利用者/疑問を持った人が自ら解決する「直接対話型
    • AI を「表」に出し、利用者が AI と直接やり取りして疑問を解消するスタイルです。24時間365日の対応で、利用者はいつでも問い合わせられる即時性と、提供側には無人化という効果が見込めます。一方でAI の回答精度が重要で、ハルシネーション対策や回答不能時の動線設計が必要です。
  • B) 担当者/回答する人の判断や回答作りを支援する「業務支援型
    • 担当者の資料検索や回答案作成を支援するスタイルです。AI の情報処理能力と人間の柔軟な対応を融合し、担当者による確認や補正により情報の正確性が担保できるのが利点です。AI は担当者の「裏」に控えてるイメージです。最終判断は人間が行うため、即時性や無人化には繋がりません。

活用のスタイルにおける検討ポイントは「即時性」と「正確性の担保」です。

AI チャットボットの回答を利用者に再検証してもらえるような場合は、正確性の担保を利用者にも負担してもらう代わりに、即時性を提供するという考え方ができます。例えば社内向け AI チャットボットの利用者は社員であるため「回答は必ずチェックしましょう」としておきつつ、いつでも問い合わせられる直接対話型の利便性と回答の省力化を提供できます。

逆に、問い合わせ者が常に正確な情報を期待している場合は業務支援型、すなわち人間のチェックや文面整形が効果的です。ゼロから回答を作るよりも早く正確な内容が期待できます。

このように AI チャットボットに期待されている「回答までの時間」と「期待されている正確性」を見積もることが重要です。

検討2:学習と精度、ハルシネーション対策

生成 AI は自身が持つ知識が膨大であり、また、自身の知識を掛け合わせて回答するため何でも知っているように見えますが、これは一般的な知識に限定されています。さらに、知識を組み合わせて回答する過程で、誤った情報をもっともらしく生成してしまう「ハルシネーション(Hallucination:幻覚)」を起こす可能性もあります。

生成 AI が持つ知識に加えて、社内の固有情報や専門知識に対応させるには、学習が不可欠です。学習量が多ければ精度が高まり、それ自体がハルシネーション対策となります。さらには、誤った回答をするよりも、憶測をせずに「情報がない」と正直に回答し、人間や他の機能へつなげたほうが望ましいケースもあるため、わからないと回答させる機能の有無も導入検討の1つでしょう。

AI チャットボットにおいては「学習」と「憶測回答の抑制」この2点が検討ポイントとなります。

検討3:利用者との窓口「インターフェース」の設置

様々なインターフェースを持っていることが AI チャットボットの有効活用につながります。

AI チャットボットの利用範囲と対話方法でも触れましたが、改めて整理すると以下の通りです。

  • チャット専用ページ
  • 既存ウェブページのウィジェット
  • コミュニケーションツールへの組み込み

<チャット専用ページ> ブラウザで専用の URL にアクセスするだけで利用できる形態です。既存のウェブページに手を加えることがないため、最も簡単に導入できる方法です。AI チャットボットのサービス提供側が専用ページを運用する機能(マネージド・ウェブページ)を備えていれば、サーバーが不要で運用の負担も軽減できるため、チャット専用ページを検討するなら抑えておきたい機能です。

チャット専用ページの例

<ウィジェット> 既存のウェブページに張り付く形態です。ウェブサイトのデザインや操作性を維持したまま、AI チャットボットの機能を追加できます。ウェブページの改修が発生するので、その手間やコストがあること留意しておきましょう。プログラムコードのサンプル提供やカスタマイズの程度を確認することに加えて、ウェブページで導入済みのライブラリや HTML 構造(DOM)との競合有無もチェックしておきたい点です。

ウィジェットの例 (https://lp.soracom.com/iot-max/)

<コミュニケーションツールへの組み込み> これまで紹介したウェブページとは異なり、Slack や Microsoft Teams といったサービス上で、 AI チャットボットが1人のユーザーのように振舞う形態です。チャットボットにメンションと共に質問を送ったり、特定のチャンネルで質問をすると回答が返ってくる利用方法となります(下図はソラコムの AI チャットボットサービス「Wisora」に対して Slack 上でメンションを送った例)。

コミュニケーションツールへの組み込みの例

コミュニケーションツールのプラグイン形式での導入がほとんどです。よってツール管理者との調整が必要ですが、普段利用しているツールから問い合わせられるのは、AI チャットボットツールの利用促進につなげやすいと言えます。

ここまで3つの利用形態を紹介しました。
社外へ公開したい場合は、ブラウザだけで利用できるチャット専用ページやウィジェットが適しているでしょう。社内利用であればコミュニケーションツールへの組み込みが考えられる他、認証付きチャット専用ページという選択もあります。

誰に使ってもらいたいのかを明確にすることが、インターフェースの選択ポイントとなるでしょう。

4:ログと改善プロセス

AI チャットボットは導入がゴールではありません。使い続けてもらうためには、効果測定と改善プロセスも不可欠です。そこで確認すべき機能がログやメトリクスです。

ログは主に問い合わせ内容と、AI チャットボットの回答結果が必須項目です。加えて、回答へのフィードバック(良かった・悪かった)やユニークな問い合わせ者の特定、そして問い合わせあたりの会話数といったメトリクスの取得によって、どのくらい利用されているのか・どの程度で解決できていそうか把握できる他、これにより今後学習させた方がいい内容やプロンプト調整のヒントになります。

この分析自体も生成 AI に任せたいところです。そこで CSV や JSON といったフォーマットによるエクスポート機能も確認しておきたい点です。

まとめと、ソラコムの AI チャットボット「Wisora」

生成 AI によって、チャットボットはルールを超えた自然な受け答えができるようになり、様々な業務に使えるからこそ、検討したいポイントを解説しました。

  1. 直接対話型か、業務支援型か
  2. 学習操作が容易か、憶測回答の有効化や抑制が可能か
  3. インターフェースは豊富か、誰に使ってもらうのか
  4. 改善プロセスのための情報が得られるか

ここで挙げたのは一部です。AI チャットボットの導入自体の簡便性はもちろん、デザインのカスタマイズや AI の回答スタイルの設定、SSO(シングルサインオン)対応、回答精度を AI で自動解析するなど、機能面はもちろんですが、カタログや仕様書だけでは判断しづらい「実際の使い勝手」も含めて検討を進めることが重要です。

ソラコムの AI チャットボット「Wisora」

ソラコムの AI チャットボット「Wisora」(ウィソラ)は本記事で挙げた機能を揃えています。また、7日間の無償トライアルを通じて、AI チャットボットの構築・学習から運用までを実際にお試しいただけます。

すべての機能をお試しいただきたいのですが、特に以下をご確認いただくと、Wisora のご理解が深まります。

  • 利用者向けのインターフェースの実装と使い勝手(特にウィジェットやコミュニケーションツール組み込みを検討されている方)
  • 学習のさせ方と回答結果への反映具合
  • ログのチェック

AI チャットボットの全体像と機能の整理、そして導入の検討ポイントをご紹介しました。

皆さんの普段の業務に「チームの一員」として AI チャットボット、そして Wisora の利用をご検討ください!

― ソラコム松下 (Max)

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