第22回 and SORACOM
建設DXを推進するGRIFFYから見た「SORACOM Flux」の現場対応力
生成AIが建設現場のIoTの運用を大変革 顧客の声に営業がプロンプトで応える
提供: ソラコム
デジタルから取り残されていた建設業界のDXを強力に推進するGRIFFY。センサーやカメラを用いた現場の見える化に加え、人手不足の課題に対応すべく、ソラカメとSORACOM Fluxを活用した自動化ソリューションの開発を進めている。非エンジニアでも、ユーザーの声を迅速に反映できる新しいIoT運用の形とは? ソラコムのメンバーといっしょにGRIFFY 企画部製品企画グループ・グループリーダー 都鳥真也氏に話を聞いた。
「リアルワールド」の可視化にAIの解決力を組み合わせたら?
「建設産業の未来図を、デジタルテクノロジーで描き出す。」を掲げるGRIFFY(グリフィー)は、親会社のエコモットが手がけていた建設現場向けのDXソリューション事業をそのままカーブアウトさせて2023年12月に設立されている。建設現場(建設・土木)の安全や生産性を向上するさまざまなサービスを「現場ロイド」というブランドで展開しており、2025年10月末時点で2万件以上の豊富な導入実績を誇る。
札幌に本社を置く親会社のエコモットは2007年の創業以来、IoTソリューションをメインに扱ってきた。データロガー、制御装置、無線機器、ルーター、車載デバイス、LPWA機器などの製品開発のほか、これらを用いたサービスも展開している。
2000台弱の実績を誇る融雪システム遠隔監視ソリューション「ゆりもっと」は、監視カメラと制御装置で融雪ボイラーの燃料コストを大幅に削減する。「駐車場などに電熱線を引いて雪を溶かすのですが、雪がないのにボイラーを炊きすぎて、燃料を過度に消費してしまうという課題がありました。ゆりもっとは雪の状態を把握する監視カメラとボイラーの制御装置を使って、炊きすぎを抑制します」とGRIFFYの都鳥真也氏は語る。
「リアルワールド」とも言える現場の課題をセンサーやカメラでセンシングし、収集したデータから課題解決につながる可視化や制御につなげる。ゆりもっとで培ってきたこうしたIoTソリューションにAIの分析力を加え建設現場に展開したのが、「現場ロイド」になる。
カメラやセンサーで現場を可視化 建設現場のニーズにいち早く応える
現場ロイドは工種に合わせたさまざまなIoTソリューションが用意されている。建設のみならず、道路、橋梁、トンネル、地盤改良、法面、ダム、河川、港湾、鉄道など、まさに多種多様なニーズに応える。
エッジAIカメラ「PROLICA」は、カメラ本体に搭載された機械学習ベースの画像解析機能を用いて、目視による状況確認や異常検知を代行する製品だ。「クラウドAIを利用しないのですか?という質問はよくいただくのですが、現場の監視でタイムラグが出てしまうと問題になるケースが多いのです。だから、現時点ではエッジAIのカメラが先行しています」と都鳥氏は語る。
利用例としては、たとえば見通しの悪い道路にカメラを設置し、工事車両が出るタイミングを見計らう場合に使われる。「工事現場は塀なども設置されるので、一般車両の通過が見えにくい。でも、エッジAIカメラであれば、ほぼリアルタイムに一般車両を検知できるので、通過を許可するゲートバーを上げないように制御することができます」と都鳥氏は説明する。高速道路で使った場合は、さらに検知速度が重要になるので、クラウドを経由しない仕組みが必要になるという。
「Gリポート」は、画角調整可能なハンディスタイルやヘルメットに固定されたウェアラブルカメラを用いて、遠隔臨場と呼ばれるリモートでの立ち会いや検査を実現する。「行政機関の職員の方々が工事現場の立ち会い検査に使ってくれています。コロナ禍のときは外出制限があり、管理者は今までのように現場に行けないことがネックでした。そこで、現場の作業員にGリポートを装着してもらい、管理者はリモートで立ち会い検査をすることで、遠隔臨場を実現できました」(都鳥氏)。ウェアラブルカメラが揺れても画像がぶれないよう制御できるほか、Gリポートのアプリも1秒以内の低遅延で処理を行なう。
「おんどロイド」は、温湿度センサーのデータを無線で定期的に収集し、クラウドから確認できる。「コンクリートを打設する際に50~60度くらいに上がります。この温度を管理することで、きちんと打設できたかを遠隔から確認できます」(都鳥氏)。さらに鉄筋コンクリートの建造物でコンクリートを流し込む鉄筋の配置を確認する「配筋検査」をiPad ProのLiDARセンサーで行なえる「BAIAS」というシステムもある。「LiDARの点群データで取得しているので、画像ベースの他社製品と比べて処理速度が圧倒的に違います」と都鳥氏は語る。
その他、積雪、水位、雨量、風向・風速、騒音、phなどさまざまな項目の計測データをクラウド管理画面から確認可能な「クラウドロガー」も用意されており、現場に行かなくとも、さまざまな状態を監視できる。「今はいろいろな製品が出ていますが、10年前はこうした製品はほとんどありませんでした。こうしたハードウェアも、クラウドも、すべて自社でやっているのは、特徴的だと思います」(都鳥氏)。
建設業界出身者がほとんどいないのに、なぜ現場のニーズに応えられるのか?
性能や低遅延にこだわり、ひたすら建設現場のニーズに寄り添う現場ロイド。しかし、都鳥氏はじめ、GRIFFYのチームメンバーにも建設業界の出身はほとんどいない。営業がヒアリングした課題をソリューションに落とし込み、ひたすら現場で検証を重ねていくのがGRIFFYの流儀。現場の作業員から聞いたふとしたコメントをヒントにソリューションを組み上げている。
「大手ゼネコンはともかく、地元のゼネコンや土建屋さんにはITなんてなかった。でも、社長をはじめとしたメンバーが現場にこつこつ出向いて、まずはカメラを導入。それから拡げて行ったのが現場ロイド。僕も会社より、現場にいる方が長いですね(笑)」(都鳥氏)。
現場の声を反映した体調管理ソリューション「GenVital LTE」は、リストバンドで心拍数と暑さ指数(WBGT)を取得し、熱中症を予防するという現場の作業員向けのソリューションになる。
同種のソリューションは他社も展開しているが、「GenVital LTE」の最大の特徴は大林組と共同開発した熱中症の予防アルゴリズムだ。実際にリストバンドを付けてもらったデータを大林組から提供してもらい、リストバンドから取得した心拍数とウェザーニュースから提供された暑さ指数の掛け合わせで熱中症のリスクを測定する。「2024年のテスト運用では大林組の3000人の作業員に付けてもらったのですが、熱中症になったのは3人だけ」(都鳥氏)とのことで、精度の高さはピカイチだ。
事業者による熱中症対策が義務化された昨年は、問い合わせが激増。先月はSOS通知や転倒検知の機能も追加され、通年で利用可能になった。「作業員の方はスマートフォンを現場に持ち込めないことも多い。そういうときでも、リストバンドから連絡ができます」(都鳥氏)とのこと。
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