AccessのSalaseforceの組み込みコネクターが廃止へ ODBCドライバーでなんとかする
本記事はCDataが提供する「CData Software Blog」に掲載された「Microsoft Access がSalesforce組み込みコネクタを廃止 ~CData Salesforce ODBCドライバーで接続を維持する方法~」を再編集したものです。
2025年8月、MicrosoftはAccessに現在バンドルされているライセンス版Salesforce ODBCドライバーを2025年10月に削除すると発表しました。Microsoftによると、組み込みドライバーはセキュリティや機能のアップデートを受けられなくなるため(サポートは2026年6月30日に終了)、Accessに含めることはもはや実用的ではないとのことです (MS Access Salesforce Connector - Is it really being retired? - Microsoft Learn)。現在Access の組み込みコネクタを使用してSalesforce データをリンクしているユーザーにとって、この変更は混乱を招きます。具体的には、25年の10月に組み込みオプションは消滅し、Salesforceへの接続を継続するにはサードパーティーのコネクターが必要になります。
一方、Access自体はODBCフレームワークを引き続きサポートします。Salesforce ODBCドライバーの代替品があればSalesforceへの接続を継続することができます。そこで登場するのがCData Salesforce ODBCドライバーです。本記事ではCData Salesforce ODBCドライバーを利用したリンクテーブルへのシームレスな移行方法をご紹介します。
CDataのSalesforce ODBC ドライバーが最適な選択である理由
Microsoftが組み込みドライバーを削除すると、サードパーティ製コネクタが必要になります。多くのベンダーがSalesforce ODBCドライバーを提供していますが (例:InsightSoftware/Simba、Devartなど)、CData Salesforce ODBCドライバーには以下の点で最良の代替品となる優位性があります:
・Accessのリンクテーブルを介した読み取り/書き込み、更新、削除操作を完全サポート(一度限りのインポートだけではありません)
・Salesforceのメタデータ変更(新しいオブジェクト、新しいフィールド)を再構成なしで自動的に反映
・複数の認証方式(OAuth、基本認証+セキュリティトークン、SSO)をサポートし、Salesforce構成に対応
・高度な機能(バルク操作、キャッシング、SQL Gateway経由のリモート接続)と完全なSQL準拠サポート
・すでに使い慣れているODBCインターフェースを使用したAccessワークフローへの優れた統合
Microsoftは単にバンドルされたドライバーを削除するだけで、ODBC層自体は削除しないため、わずかな設定だけで既存のAccessにCData ODBCドライバーを組み込むことができます。
CData Salesforce ODBCをAccessと統合する方法(リンクテーブル、ライブ更新)
以下は、CDataドライバーを使用してSalesforceデータをMicrosoft Accessにリンクするためのステップバイステップガイドです。一度限りのデータインポートも可能ですが、ライブ同期にはリンクモードを推奨します。より詳細な手順については、Microsoft AccessでCData ODBC Driver for Salesforceを使用して非推奨コネクタを置き換える方法に関するナレッジベース記事をご覧ください。
ステップ1:CData Salesforce ODBCドライバーのインストールと設定
1. CDataウェブサイトからドライバーインストーラーをダウンロードし、Accessを実行しているマシンにインストールします。
2. インストール後、[コントロールパネル]の[Windowsツール]にある[ODBCデータソース] (Accessランタイムに合わせて32ビットまたは64ビット)を開きます。
3. [追加]をクリックし、ドライバーから「CData ODBC Driver for Salesforce」を選択、[完了]を押下し、Salesforce 用のDSN(Data Source Name)を作成します。
4. 適当なデータソース名を設定し、以下の接続プロパティを指定します:
・認証方法としてAuthSchemeプロパティを設定します。
・OAuth認証を利用する場合:AuthSchemeに「OAuth」を設定
・基本認証を利用する場合(非推奨):AuthSchemeに「Basic」を設定し、認証情報としてUser、Password、SecurityToken を指定します。
・その他オプションとしてSSOに関する設定やバルクAPIに関する設定が可能です。各接続プロパティの説明はこちらをご覧ください。
5. [接続テスト]を押下するとAPIへの接続をテストします。OAuth認証の場合はブラウザにログイン画面が表示されますのでSalesforceのアカウントでログインしてください。ブラウザに以下の画面が表示されたら認証は成功です。
6. DSN設定画面に「接続テストに成功しました。」というメッセージが表示されたことを確認できたら[OK]を押下してDSNを保存します。
ステップ2:AccessでSalesforceテーブルをリンクする
1. Accessで既存のデータベースを開く、または新しいデータベースを作成します。
2. [外部データ]タブを開き、[新しいデータソース]→[他のソースから]→[ODBCデータベース]を選択し、[外部データの取り込み]ウィザードを開きます。
3. [リンクテーブルを作成してデータソースにリンクする]オプションを選択して[OK]を押下します。
4. [データソースの選択]画面で[コンピュータデータソース]タブに移動し、作成したDSNを選択します
5. [テーブルのリンク]画面で、利用可能なSalesforceテーブル(カスタムオブジェクトを含む)のリストを表示します。この画面でリンクしたいテーブルを選択します。
6. リンクテーブルがナビゲーションペインの[テーブル]の下に表示されます。ここでは例としてAccountテーブルをリンクしました。
7. リンクテーブルをダブルクリックすると、ライブのSalesforceデータが表示されます。Access内で編集した内容はSalesforceのデータにも反映されます。
重要な注意事項/制限事項:
・新しい行を挿入する際、Accessが新しく挿入された行をすぐに再選択できないため、更新(例えばメニューの[すべて更新]を押下)するまで#Deleted 値が表示されることがあります。ひとつの回避策は、MaximumColumnSizeプロパティを255未満に設定して、Accessに行を強制的に再選択させることです。
・ドライバーが動的にメタデータをポーリングするため、Salesforceで追加した新しいフィールドやオブジェクトはAccessで自動的に利用可能になります。
ライブリンクの代わりにインポートを利用する場合(読み取り専用スナップショット)
1. Accessで、[外部データ]タブを開き、[新しいデータソース]→[他のソースから]→[ODBCデータベース]を選択し、[外部データの取り込み]ウィザードを開きます。
2. [現在のデータベースの新しいテーブルにインポートする]オプションを選択して[OK]を押下します。
3. [データソースの選択]画面で[コンピュータデータソース]タブに移動し、作成したDSNを選択します。
4. [オブジェクトのインポート]画面で、利用可能なSalesforceテーブル(カスタムオブジェクトを含む)のリストを表示します。この画面でリンクしたいテーブルを選択します。
5. Accessは静的なコピーを作成します。Salesforceでの変更は自動的に反映されません。
このモードはスナップショットレポートのニーズに便利ですが、リンクテーブルの双方向性のメリットは失われます。
移行のヒント
・2025年10月より前に移行する:Microsoftが組み込みドライバーを削除すると、それに依存している既存のAccessセットアップは機能しなくなります。事前に移行することで継続性が確保されます。
・今すぐリンクテーブルをテストする:移行時には、非本番データベースでCData経由のリンクテーブルを作成し、編集、検索、クエリが期待通りに動作することを確認します。
・Accessオブジェクト(クエリ、フォーム、レポート)内の参照を更新する:CDataで作成されたリンクテーブルには微妙な違いがある場合があります。Salesforce リンクテーブルを参照するVBAコード、クエリ、フォームを確認し、必要に応じてフィールド名、リレーションシップ、結合を調整します。
・ユーザーをトレーニングする:Salesforceリンクテーブルに直接アクセスするユーザーに、わずかな動作変更(例:挿入更新の遅延や手動更新の必要性)を理解してもらうようトレーニングします。
・高度な機能を活用する:ドライバーを導入したら、CDataのSQL Gatewayとリンクサーバーサポートを使用して、TDSまたはMySQ Lプロトコル経由でSalesforceをリモートデータベースとして公開することができます。
CData Salesforce ODBCドライバーを始める
2025年10月の期限に先んじて、AccessでのSalesforce データへの中断のないアクセスを確保しましょう。CDataのSalesforce ODBCドライバーは、非推奨のMicrosoftコネクタからのシームレスな移行を提供し、エンタープライズグレードの機能、継続的なサポート、Accessワークフローとの完全な互換性を備えています。
※本記事はCData USブログ Microsoft Access Loses Built-In Salesforce Connector: Here’s How CData Keeps You Connected の翻訳に一部加筆・修正を加えたものです。












