自分専用の強力な家庭教師をChatGPTで! 英会話、資格取得、リスキリング――学びをサポートしてもらおう
2025年10月03日 11時00分更新
本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第30回はChatGPTの学習モードを使って学びをサポートしてもらう方法について解説する。
学習支援に便利な学習モードを搭載したChatGPT
ChatGPTは学習支援ツールとしても優秀だ。外国語や資格をはじめ、どんなことでも個人的な家庭教師になってくれる。「この問題、あと一回だけ聞きたいけど、先生に質問しづらいな……」「参考書の解説、言葉が難しくて全然わからない……」なんてこともなく、自分のペースで、誰にも気兼ねなく、わかるまで何度でも教えてくれるのだ。
トライしてみるとわかるが、この無限の忍耐強さと完璧な個別対応はとてもありがたい。同じ質問を10回繰り返しても、ChatGPTは嫌な顔一つせず、10回違う方法で説明しようと試みてくれる。質問することへの心理的なハードルを取り払い、わからないことを放置しない、理想的な学習環境となる。
従来も、プロンプトを工夫すれば学習に活用することができたが、2025年7月、ChatGPTに学習モードが追加された。ユーザーはゴールを指示するだけで、ChatGPTが必要に応じて問いかけ、学習プランからテストの作成まで一人一人に最適化された学びを提供してくれる。
まずは「+」メニューから「あらゆる学びをサポート」をクリックする。「勉強する」というモードになったら、学びたいことを入力しよう。ここでは、「英語を勉強したい」とざっくり入力してみる。
ChatGPTは、どんな目的で英語を勉強するのか尋ねてくる。確かに、洋画を見るためなのか、ビジネスで使うのか、TOEICに挑戦するのかで勉強方法は変わる。そこでTOEICのため、と回答したところ、現在の実力や目標点数を聞いてきた。しっかりと、学びのプランを作ってくれるのが凄い。
プラン作成だけでなく、実際に問題を出してもらい、添削してもらうことも可能。最初は単語だけだったが、「もっと難しく」や「ヒントは不要」、もしくは「熟語も勉強したい」などと何でも要望を伝えていい。気になることがあったら、何でも質問しよう。わからないならわからないと答えてOK。不正解なら丁寧に解説してくれる。
学習はずっと続くので、ユーザーのタイミングでいつやめてもいい。なお、「勉強する」をクリックすれば、いつでも学習モードをオフにできる。
ユーザーのレベルに応じた適切な教え方をしてくれる
外国語だけでなく、どんなことでも学習の手助けをしてくれる。情報系の資格を取りたいとか、数学の方程式を解きたいなど、何でもOK。例えば相対性理論についての理解があやふやなので、学び直したい、なんていうのもあり。
今回、「人に説明できるようになりたい」と伝えたところ、一通り学習したあと、説明するように指示してきた。そして、回答すると、褒めつつもダメ出しして、また親切に解説してくれる。ChatGPTがユーザーの理解レベルを把握し、適切な教え方をしてくるので、学習のモチベーションも維持しやすい。
ChatGPTを学習に活用する際は、常に問いの主導権を握ることが重要だ。自分が何を求めているのかを明確にプロンプトに入れて渡すことで、能動的に学べるのだ。
もちろん、生成AIにはハルシネーションのリスクはあるが、それはどんな強力な道具にも共通すること。道具の特性を正しく理解し、賢く使いこなすことで、生成AIの恩恵を最大限に享受できるようになる。
誰にも知られず、隙間時間で学習できるのはとても快適。受験するかどうかは置いておいて、仕事に役立つ資格の勉強をするのは、絶対に得るものがあるはず。なんなら、自分が詳しい、と思っている領域について学習してみるのもあり。知らなかった切り口や最新情報を知ることで、知識がアップデートされることもある。常に外国語の勉強をしたいとは考えているが、動き出せていない、という人もChatGPTならハードルが低いのでお勧め。リスキリングのメリットは大きいので、ぜひチャレンジしてみてほしい。
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注目の最新AIニュース
性能調整はしていない! Claudeの性能低下問題の原因は3つのバグが絡み合った結果だった
Anthropicは、2025年8月から9月上旬にかけて「Claude」の出力品質が断続的に低下した問題について、技術的な事後分析レポートを公開した。ユーザーからの品質低下に関する報告が相次いだことを受けて本格的な調査が開始されたもので、需要やサーバー負荷に応じた意図的な品質調整を行っていることは明確に否定した。
原因は、インフラに起因する3つの独立したバグの複合的な発生にあったとのこと。問題の特定が遅れた背景には、既存の自動評価システムではユーザーが体感するような微妙な品質劣化を捉えきれなかったこと、ユーザーのプライバシー保護を最優先する方針から開発者が具体的な対話内容を確認してデバッグすることが困難であったこと、そして複数の性質の異なるバグが同時に発生したことで原因の切り分けが複雑化したことがあると説明された。とは言え、Anthropicが包み隠さず透明性の高い情報公開を行ったことは、素晴らしい姿勢だと感じた。

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