【フォーティネットで働く仲間にインタビュー】早期のサイバーセキュリティ意識向上ワークショップの重要性
提供: フォーティネットジャパン
本記事はフォーティネットジャパンが提供する「FORTINETブログ」に掲載された「Life at Fortinet:早期のサイバーセキュリティ教育が次世代のサイバープロフェッショナルを育てる」を再編集したものです。
フォーティネットは、クラス最高のサイバーセキュリティ製品とサービスをお客様に提供すると共に、すべての人がサイバーセキュリティの教育とトレーニングを利用し、キャリアを積むことができるよう取り組んでいます。「Life at Fortinet:フォーティネットで働く仲間にインタビュー」シリーズでは、世界をリードするサイバーセキュリティ企業で働くことについて、世界各国のチームメンバーが自身のユニークな経験やキャリアパス、それぞれの知見などを紹介しています。
今回は、フォーティネットのローマオフィスでシステムエンジニアリング兼サイバーセキュリティアドバイザリサービス担当ディレクターを務めるAldo di Mattiaが、職場と地域社会の両方に対してフォーティネットの従業員がどのように貢献しているかをご紹介します。先頃、Aldoと彼の同僚は、イタリア国内にある6つの学校で8~11歳の生徒を対象にしたサイバーセキュリティ意識向上ワークショップを10回開催し、デジタル環境を安全に利用するための貴重な情報やヒントを提示しました。
地域社会でのサイバーセキュリティ教育の導入に関わるようになった経緯を教えてください。
Aldo di Mattia(AD):多くの若者はインターネットを独りで閲覧しており、そこに両親や祖父母、教師からの助言はありません。これは単に、大人たち自身がデジタル環境を十分に理解できていないからです。
彼らを責めることはできません。テクノロジーは驚異的な速さで進化を遂げ、ついには子供たちがデジタルの先駆者となって、何の指針もないまま広大なオンライン世界を探索しています。それを実感したとき、私の中で何かが呼び覚まされました。私たちは、あらゆる年齢の子供たちがインターネットを安全に利用できるよう支援する必要があると気づいたのです。
幼少期の生徒にサイバーセキュリティ教育を行うことが、なぜそれほど重要なのですか?
AD:現代では、私たちは9~10歳ほどの子供にスマートフォンやタブレットを持たせるのは当たり前になっていますが、サイバーセキュリティについて教え始めるのは、彼らが成長したずっと後になってからです。これでは、運転技術を身につける前に車のキーを渡してしまうようなものです。このような後進的アプローチは変えていかなければなりません。
こうした理由から、私は学校でのサイバーセキュリティ意識向上ワークショップを始めることにしました。幸い、同じ情熱を持つイタリアのフォーティネットの同僚が何人か参加してくれました。我々は全員で協力し合い、小学校の教室で直接サイバーセキュリティ教育を行っています。Giuseppe Di Pasquale、Daniele Mammano、Silvia d'Ambrosio、そして、今後開催されるワークショップへの参加を予定している人たちと一緒にこれらのセッションを実施できたことは特に有意義でした。
オンライン詐欺の回避やネットいじめに対する防御は非常に重要なトピックですが、我々のセッションではこうした基本原則以外の内容も取り上げます。このワークショップには種をまくという目的もあります。サイバーセキュリティの世界的なスキルギャップに直面しており、女性やマイノリティなど、十分な活躍の機会に恵まれなかったグループから、もっと多くの人材をこの業界に呼び込む必要があります。より早い段階で子供の心を刺激するほど、彼らは安全なユーザーとしてはもちろん、将来の防御者として、サイバーセキュリティを現実的なキャリアパスとして考えるようになります。
サイバーセキュリティを生徒にとって利用しやすく、楽しいものにするため、どのような工夫をしていますか?
現在までに、ナポリとローマの6校で10回の双方向セッションを開催し、8~11歳の小学生約500人と交流してきました。我々の主な目標は、オンラインで安全性を確保するために必要なスキルを生徒が身につけられるよう支援することです。このワークショップは、フォーティネットのセキュリティ意識向上カリキュラムの初心者向けコースを中心に構成され、イタリアのサイバーセキュリティ警察および国家サイバーセキュリティ庁の協力の下、効果的かつ正確な内容になるよう調整されています。
トピックの内容は次のとおりです。
・インターネットの歴史
・オンラインアイデンティティ
・ソーシャルメディアの安全性
・サイバーセキュリティの真の意味
・パスワードのセキュリティ
・ネットいじめの認識と対策
セッションでは、現実社会での事例、グループディスカッション、体験活動などを通して意識を行動へと転化させます。我々が実施するワークショップは、講義とはまったく異なります。これは対話式で活動的で、生徒主導型の講習です。生徒たちに問いかけ、実体験を聞き、何が問題だったのか、今後はどのように対応すべきかを一緒に考えます。
先生方と生徒からはどのような反響がありましたか?
AD:子供たちの話を聞けば驚くことでしょう。親御さんがオンライン詐欺に遭ったり、友人がメッセージングアプリでいじめを受けたり、見知らぬ人がビデオゲームで接触してくることもあるそうです。彼らは熱心に話し合い、学習意欲もあります。そして、大切な人たちを守りたいと思っています。
生徒、先生、さらに親御さんからも、非常に好意的な意見が返ってきました。先生方からはセッションの明瞭さと実際性を高く評価され、再度訪問してほしいというリクエストも多くいただいています。さらに、話し合いは教室の中だけにとどまらず、生徒たちは帰宅してからも家族と大切な議論を交わしました。
最も心温まる瞬間のひとつは、セッション終了後に子供たちがやってきて「これから両親や祖父母を助けようと思う」と言ったときでした。その言葉で、これまでに費やしたすべての時間が報われた気がします。
仕事面では、セッションによって自分のコミュニケーションスキルが強化され、目的意識が深まり、人生で最も有意義な経験のひとつとなりました。
フォーティネットのセキュリティ意識向上カリキュラムによって、こうした活動をどのように拡大していきますか?
AD:この活動をより大きな規模でサポートするために、無償のセキュリティ意識向上カリキュラムを提供します。これは、米国やカナダなどの国々の学校と教育者向けに作成されたプログラムです。4~18歳の生徒を対象にしており、オンラインの安全性、責任あるデジタル行動、サイバーセキュリティリスクについて、年齢に合わせた授業を行います。先生方への支援としては、いつでもすぐに使える教材を用意し、サイバーセキュリティ教育を親しみやすく魅力的で、影響力のあるものにします。
イタリアでの活動は、まだ始まったばかりです。現在、イタリアとマルタの教育省に参画を呼びかけており、さまざまな学校でフォーティネットのサイバーセキュリティ意識向上トレーニングを導入してもらい、4~18歳の子供たちにプログラムを届けることを目指しています。我々は、サイバーセキュリティ教育が数学や国語と同じくらい基本的なものであるべきだと考えています。
フォーティネットはどのような方法で世界規模のサイバーセキュリティ教育を実現するのですか?
AD:フォーティネットは、単に世界規模のサイバーセキュリティソリューションを開発しているだけではありません。持続可能でより安全性が高く、より包摂的なデジタルの未来を形成しようとしています。フォーティネットで働く中で、私が最も気に入っている点は、すべての中心に人がいるということです。
イタリアとマルタの担当マネージャーであるMassimo Palermoは、このイニシアチブへの支援に直接関与し、誇りを持って取り組んでいます。これもまた、フォーティネットの特徴である強いチーム精神と協調的文化をよく表しています。同僚の多くが勤続10年を超えています。彼らはこの会社を当初の成功に導いた価値観を守りながら、会社と共に成長してきました。

