RTX 5060 Tiを採用、「SENSE-F1B6-R75F-SKX」をチェック
写真・動画編集/AIにも! 入門からガッツリ作業までこなせる20万円台デスクトップPC
2025年08月26日 11時00分更新
高性能CPUとグラフィックスで高負荷の処理も快適
今回試した「iiyama PC SENSE-F1B6-R75F-SKX」は、CPUにAMD Ryzen 5 7500Fを、GPUにNVIDIA GeForce RTX 5060 Tiを採用したモデル。
Ryzen 5 7500FはZen 4世代の6コア/12スレッドのプロセッサーで、比較的リーズナブルながらパフォーマンスに優れているのが特徴。GeForce RTX 5060 TiはBlackwell アーキテクチャを採用したミドルクラスのGPUだ。このほか、評価機には16GBメモリー(8GB×2)と、1TB NVMe対応M.2 SSDが搭載されていた。
そこで、実際にどのくらいのパフォーマンスがあるのか、いくつかベンチマークテストを実施して性能を測ってみることにした。
まずCPU性能をチェックするため「CINEBENCH 2024」を実行してみたところ、シングルコアが108pts、マルチコアが798ptsとなった。スコアを比較すると、マルチコアは10コア/16スレッドのCore i5-14400よりも若干下回るが、シングルコアは同等。
旧世代のRyzen 5 5500からはどちらも3割以上スコアが伸びており、着実な進化がうかがえる結果になった。普段使いはもちろん、クリエイティブ用途も快適にこなせそうだ。
続いて、パソコンの総合的な性能をチェックするためベンチマークソフト「PCMark 10」を実施してみたところ、次のようになった。
| PCMark 10の結果 | |
|---|---|
| 総合スコア | 7874 |
| Essentials | 10718 |
| Productivity | 8294 |
| Digital Content Creation | 14907 |
快適さの目安は、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上となっているが、そのいずれも大きく上回っている。
ちなみにベンチマーク実行中のCPU温度とGPU温度をチェックすると、瞬間的に温度が上がることはあるものの、ほとんどの場面で60度前後で安定していた。負荷の高いクリエイティブ作業も快適にこなせそうだ。
次に、「3DMark」でグラフィックス性能をチェックしてみた。
| 3DMarkの結果 | ||
|---|---|---|
| テスト | 総合スコア | グラフィックススコア |
| Steel Nomad | 3430 | 34.31fps |
| Steel Nomad Light | 15440 | 114.37fps |
| Time Spy | 13771 | 15206 |
| Time Spy Extreme | 6505 | 7039 |
| Fire Strike | 33094 | 41140 |
| Fire Strike Extreme | 18651 | 19753 |
| Fire Strike Ultra | 9337 | 9176 |
ミドルクラスの最新ビデオカードを搭載しているということもあってスコアは高く、ある程度重いゲームも快適にプレイできるレベルの性能を持っていることが分かる。クリエイティブ用途でも、画像のフィルター加工や動画エンコードのようにグラフィックスの性能を活用するシーンでは大きな恩恵を受けられると思われる。
そこでクリエイティブ系のベンチマークも試してみた。3Dモデリングソフト「Blender」でのパフォーマンスをチェックできる「Blender Benchmark 4.50」を使い、CPUとグラフィックスの性能をそれぞれチェックしてみたところ、次の結果になった。
| Blender Benchmark結果 | |||
|---|---|---|---|
| 対象デバイス | monster | junkshop | classroom |
| Ryzen 5 7500F | 88.612866 | 61.326644 | 46.136740 |
| RTX 5060 Ti | 2003.945655 | 1126.372742 | 1133.712999 |
RTX 5060 Tiの結果を見ると、負荷の高い「classroom」のレンダリングでも1133というスコア。2世代前のRTX 3060に比べると倍近いスコアで、その性能の高さがうかがえる。
続いて、動画編集ソフト「DaVinci Resolve」を使って、動画をエンコードした際のスピードもチェックしてみることにした。用意した素材はスマホで撮影した4K/60fpsの動画で、長さは5分14秒のもの。これを、プリセットの「YouTube(フルHD/60fps)」で書き出してどのくらい時間がかかるかを計測してみた。
その結果、わずか59秒で書き出しが完了した。これくらい速いと、エンコード待ちも短くてすむのが嬉しい。高解像度動画を編集したり、数多くの動画をエンコードする場合も、効率的に作業を進められるはずだ。
次に、Adobe Lightroom ClassicにRAW画像ファイルを100枚読み込み、現像処理して書き出しが完了するまでの時間を計測してみた。
20Mピクセル程度のRAW画像なら、2枚あたり1秒程度で現像できることがわかる。これくらい処理が速いと、大量のRAW画像でも扱いが楽で助かる。
なお、Ryzen 5 7500FにはNPUが搭載されていないが、RTX 5060 Tiはグラフィックス性能だけでなくAI処理性能も高い。そこでGeekbench AIを使用してそのパフォーマンスもチェックしてみた。
| Geekbench AIの結果 | ||
|---|---|---|
| テスト項目 | スコア(Ryzen 5 7500F) | スコア(RTX 5060 Ti) |
| 単精度 | 4347 | 23292 |
| 半精度 | 1975 | 44644 |
| 量子化 | 8598 | 17669 |
結果を見ると、RTX 5060 Tiのスコアは2世代前のハイエンドモデルのRTX 3090を上回るレベルで、かなり高いAI処理性能を持っていることが分かる。Copilot+ PCに準拠したSnapdragon X EliteのNPU(40TOPS以上)と比べても、量子化はやや劣るものの、ほかのスコアは大きく上回っており、ローカル環境でのAI処理を快適に実行できることが分かる。
このほか、ストレージの性能もチェックしてみた。ストレージはPCIe4.0x4レーン接続のNVMe対応SSDが採用されていたが、CrystalDiskMarkでチェックしてみたところ、シーケンシャルリードが6000MB/s超と高速。データの読み込みや書き込みが速いので、動画などのサイズの大きなファイルを扱う際も快適に作業することができるはずだ。
動画実況や趣味のクリエイティブ用途にもおすすめ
デザイン性が高く拡張性に優れるケースに、最新の高性能なCPUやビデオカードを搭載したミドルタワー型デスクトップパソコン「SENSE-F1B6-R75F-SKX」。強力なエアフローによる高い冷却性能を実現しており、負荷の高い処理を続けても動作が安定していてパフォーマンスが落ちにくいのが特徴になっている。
ユニットコムの通販サイト「パソコン工房」では20万4800円からという価格で販売されており、コストパフォーマンスがよいのも魅力的なポイント。
プロのクリエイターはもちろんだが、これから動画実況を始めてみたいというユーザーや、趣味でイラスト制作や写真・動画の編集を楽しみたいというユーザーなどにもお勧めできる。手頃で高性能なデスクトップパソコンを探しているという人は、一度チェックしてみてはいかがだろうか。




















































