クラウドファイアウォールと仮想ファイアウォールを比較
提供: フォーティネットジャパン
本記事はフォーティネットジャパンが提供する「FORTINETブログ」に掲載された「クラウドおよび仮想ファイアウォール選択のための実用ガイド」を再編集したものです。
クラウドファイアウォールと仮想ファイアウォールは、最近のハイブリッドおよびマルチクラウドセキュリティアーキテクチャの基本的なコンポーネントです。仮想ファイアウォールは従来の次世代ファイアウォール(NGFW)と調和するソフトウェアベースの制御を提供し、クラウドファイアウォールは柔軟性のあるAPI駆動型のクラウド環境に合わせてネイティブで構築されます。本ブログでは、この2種類のファイアウォールをどのような場合に使用するべきかを解説し、両者を比較して、評価時に何を優先するべきかを示します。
また、FortiFlexライセンスによって支えられ、フォーティネット セキュリティ ファブリックに統合されたFortiGate VM(仮想ファイアウォール)ソリューションとFortiGate CNF(クラウドネイティブファイアウォール)ソリューションの両方を提供するという、フォーティネットの比類のないアプローチについても概説します。水平方向(East-West)トラフィックのセキュリティ保護、DevOpsの有効化、またはクラウドのスケーリングのいずれが目的であっても、フォーティネットは可視化、脅威インテリジェンス、自動化が統合されたクラウド優先の保護を提供します。
クラウドファイアウォールと仮想ファイアウォール
クラウドファイアウォールと仮想ファイアウォールは、どちらも近年のハイブリッドおよびマルチクラウド環境のセキュリティ保護に不可欠の存在ですが、その目的はそれぞれ異なります。
仮想ファイアウォールは、通常はNGFWのソフトウェアバージョンであり、仮想マシンとして導入されます。クラウドとオンプレミスとの間で、馴染みのある制御とポリシーの一貫性を実現します。一方、クラウドファイアウォールはクラウドネイティブに設計されており、パブリッククラウドインフラに密接に統合された、API駆動型のスケーラブルなファイアウォールです。
ここでは、この2種類のファイアウォールの違いを解説し、その評価方法を概説して、フォーティネットがFortiGate VMとFortiGate CNFを通じて両方のモデルをどのようにサポートしているかを示します。
FortiGate CNFがどのようにしてセキュリティを簡素化し、アウトバウンドの脅威からの保護を実現するかを、セルフガイドデモでご覧ください。
(デモはこちらのページを利用のこと)
仮想ファイアウォールとクラウドファイアウォールの違い
この2つの用語は混同して使用される場合がありますが、仮想ファイアウォールとクラウドファイアウォールは同じものではありません。どちらもクラウド環境を保護するために使用できますが、デプロイメント、スケーラビリティ、そしてクラウドインフラストラクチャとのネイティブ統合という点では異なります。
主な相違点
| 機能 | 仮想ファイアウォール(VF) | クラウドファイアウォール(CF) |
| 形状 | 仮想マシン内のソフトウェアNGFW | クラウドネイティブな設計(VMまたはSaaS) |
| デプロイメント | EC2、Azure VM、GCP VMなどで動作 | マネージドサービス、またはクラウドファブリックに統合される |
| クラウド統合 | APIと一部の自動化をサポートする場合がある | オーケストレーション、自動スケーリング、クラウドネイティブなツールチェーンに対応した設計 |
| 柔軟性 | オーケストレーションまたはスケーリングスクリプトが必要 | ワークロードの需要に基づいて動的に自動スケーリング |
| ライセンス | vCPU / スループットベース(固定SKU) | 従量制(FortiFlex、AWS EDP、Azure MACC) |
| 理想的な事例 | ハイブリッド環境全体にわたってポリシーの一貫性を維持する | 柔軟でクラウドネイティブな一時的ワークロードのセキュリティ保護 |
ファイアウォールの選択肢を評価するときに考慮すべきポイント
ほとんどのベンダーは、従来のファイアウォールをVMに再パッケージしているだけです。しかし、それだけではクラウドセキュリティには不十分です。仮想ファイアウォールとクラウドネイティブファイアウォールサービスのどちらを導入する場合でも、以下のポイントを確認してください。
1. そのファイアウォールは統合プラットフォームの一部なのか?
エンドポイント保護、WAF、セキュアSD-WAN、SASE、および一元管理ツールとのシームレスな統合を求めるべきです。
2. クラウドネイティブなツールと自動化をサポートしているか?
API、自動スケーリング、そしてTerraformやCloudFormationなどのオーケストレーションツールとの互換性は不可欠です。
3. AWS、Azure、GCP、プライベートクラウドに対応できるか?
マルチクラウドのサポートによってベンダーロックインを回避でき、一貫したポリシー適用を実現できます。
4. 既存のNGFWの機能と合致するか?
物理ファイアウォールと仮想ファイアウォールの間でポリシーの再利用とパリティを行うことで、複雑さを軽減してトレーニングにかかる時間を短縮できるため、運用を効率化できます。
5. リアルタイムの脅威インテリジェンスによる支援があるか?
AI/MLに基づくインスペクション、暗号化トラフィックの可視化、自動化された脅威フィードなどの機能を備えたソリューションを選択してください。
6. Kubernetesとコンテナのセキュリティ保護が可能か?
コンテナ化されたワークロードにとっては、CNIプラグイン、サイドカー、および実行時インスペクションが不可欠です。
7. 柔軟な導入が可能か(VM、コンテナ、またはエッジへの)?
ワークロードがどこで実行される場合でも、ファイアウォールはそれに従う必要があります。
8. ライフサイクルの管理とガバナンスをどのようにサポートしているか?
一元化されたパッチ適用、ポリシーの自動化、監査可能性を本格的に実現することが重要です。
9. 高速かつ軽量で自動スケーリング可能か?
柔軟性の高い一時的な環境には、迅速なプロビジョニングと低オーバーヘッドが必要です。
10. SOARおよびSecOpsツールと統合できるか?
ログの転送、プレイブックのトリガー、および可観測性によって、セキュリティ運用で遅れをとらないようにすることができます。
11. ライセンスモデルは予測可能でスケーラブルか?
柔軟性のないスループットベースのSKUは避けましょう。FortiFlexのような従量制モデルがお勧めです。
デプロイメントの準備:4つの重要なステップ
ファイアウォールのクラウドへの導入は、単に仮想マシンを起動するというだけのことではありません。ファイアウォールが効果的に機能するように、ファイアウォールを適切に設定する必要があります。アーキテクチャ、チーム、および長期目標に合った戦略が必要です。
1. 環境を評価する
クラウドのワークロード、ネットワークセグメンテーションのニーズ、コンプライアンスゾーン、クラウド間のトラフィックフローをマッピングします。
2. DevOpsとDevSecOpsを早期に組み込む
CI/CDパイプラインに統合されて自動化をサポートするツールを選ぶ必要があります(Terraform、Ansible。REST API)。
3. デプロイメントとポリシーの適用を自動化する
テンプレートを利用して、プロビジョニングの標準化、コンプライアンスの適用、迅速なスケーリングを実現します。
4. 監視と最適化を継続的に実施する
クラウド環境は急速に変化します。テレメトリと分析を使用して、ポリシーの調整や可視性の維持を行う必要があります。
フォーティネットの強み
フォーティネットは、仮想ファイアウォールとクラウドネイティブファイアウォールの導入モデルを両方とも、ひとつの統合プラットフォームの中で提供しています。したがって、一貫したポリシーと共有の脅威インテリジェンスを使用して、あらゆる環境であらゆるワークロードを柔軟に保護できます。
・FortiGate VM(仮想ファイアウォール):フル機能のNGFWが仮想マシンとして提供されており、ハイブリッド環境間で一貫したポリシーの適用を実現できます。
・FortiGate CNF(クラウドネイティブファイアウォール):柔軟なスケーリングに対応した完全なマネージドファイアウォールサービスは、クラウド優先の一時的ワークロードにとって理想的です。
・FortiFlexライセンス:AWS EDP、Azure MACC、および柔軟な導入モデルに対応できる従量課金型のライセンスです。
プラットフォームの強み:
・クラウドネイティブな統合:AWS、Azure、GCP、OCIのネイティブサポート(自動スケーリング、ロギング、マーケットプレイスを介したデプロイメントを含む)。
・統一されたポリシーと管理:FortiManagerとFortiAnalyzerを使用することで、すべての環境をカバーする一貫した一元制御を実現できます。
・DevOps対応:REST API、Terraformのサポート、およびCNFオプションにより、簡単かつシームレスにCI/CDパイプラインと統合できます。
・統合セキュリティ ファブリック:セキュアSD-WAN、ZTNA、WAF、エンドポイント保護(FortiEDR)がすべて連携して動作します。
・AIを活用したインテリジェンス:FortiGuard Labsは、リアルタイムの脅威検知、暗号化トラフィックのインスペクション、振る舞い分析を提供します。
・運用の可視化:SIEM(FortiSIEM)、SOAR(FortiSOAR)、そして組み込みの分析機能により、迅速なレスポンスと明確な説明責任を実現できます。
多くのベンダーは基本的な仮想ファイアウォールとクラウドファイアウォールを提供していますが、フォーティネットはハイブリッドクラウド環境全体にわたって可視化、制御、スケーラビリティを実現できる高性能で統合されたプラットフォームを提供しています。
セキュリティとネットワーキングの統合がもたらす力を、FortiGate VMのセルフガイドデモでご覧ください。
(デモはこちらのページを利用のこと)
正しい選択をする
組織がインフラストラクチャを最新化してパブリック、プライベートおよびハイブリッドクラウド環境にまたがるスケーリングを行うにつれて、仮想ファイアウォールとクラウドネイティブファイアウォールの間での選択は、どちらか一方を選ぶという問題ではなく、各ユースケースに最適のツールを選ぶという問題になっています。フォーティネットは、単一の統合プラットフォームのもとで両方の導入モデルを提供するというユニークな方法で、企業のセキュリティ強化を支援します。
FortiGate VMを通じた徹底的なポリシー制御が必要な場合も、FortiGate CNFを通じた管理された保護が必要な場合も、フォーティネットはクラウドエコシステム全体にわたって、一貫したセキュリティ、リアルタイムの脅威インテリジェンス、柔軟なライセンス、シームレスな統合を提供します。可視化、自動化、俊敏性が疑問の余地なく必要とされる現状において、フォーティネットはお客様のデジタルトランスフォーメーションのセキュリティ保護のために、クラウドのスピードとエンタープライズクラスの規模を備えた実績のある基礎を提供しています。
クラウド/仮想ファイアウォールに関するよくある質問
| 仮想ファイアウォールとクラウドファイアウォールの違いは何ですか? |
| 仮想ファイアウォールは、次世代ファイアウォール(NGFW)のソフトウェアバージョンであり、仮想マシン(VM)として導入されます。クラウドファイアウォールは、クラウドインフラストラクチャとの統合と、自動スケーリングに対応した、クラウドネイティブなサービスです。 |
| フォーティネットのどのファイアウォールを使用するべきですか? |
| ハイブリッド環境全体にわたって一貫したNGFW機能が必要な場合は、FortiGate VMを使用します。スケーラブルでクラウドネイティブなユースケースには、FortiGate CNFが最適です。 |
| フォーティネットでライセンスをどのように簡素化できますか? |
| FortiFlexは、AWS EDPおよびAzure MACCと互換性がある従量制ライセンスを提供しているため、無駄なコストをかけることなくスケールアップやスケールダウンができます。 |
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