10年目のソラコムが次を見せた「SORACOM Discovery 2025」基調講演レポート
「ソラコムがすべてをAIにつなぐ」 OpenAI Japanの長﨑氏もエール
提供: ソラコム
SORACOM Query正式リリース 新デバイスや生成AIによるIoT支援サービスも開始
再び登壇した安川氏が披露したのは、生成AIによるデータ分析を容易にするSORACOM Queryだ。今までユーザーがHarvestなどに蓄積していたデータや、ソラコム自体が管理するデータを合わせて、自前のデータウェアハウスに格納し、生成AIからデータ分析を行なえる。たとえば、現在通信中のSIMを地図上にマップしたり、トラフィックを円グラフで表示したりといった分析が自然言語から容易に行なえる。正式リリースに伴い、MCPサーバーやCLI、サードパーティのBIとの連携も強化された。
また、複数キャリアの使い分けを余儀なくされているユーザーに向けては、複数のSIMプロファイルを追加・切り替えをオーケストレーションする「SORACOM Connectivity Hypervisor」も提供される。複数のキャリアを切り替えることで、高い冗長性を確保することも可能になるという。2025年度以内に対応のSIMが登場するという。
最後、斎藤氏は立て続けに新発表を披露。まずはSORACOM Fluxのユースケースをテンプレート化した「SORACOM Flux アプリテンプレート機能」。すでに8個が用意されており、数クリックで自動化フローを設計できる。また、新たにSORACOM FluxでのOpenAIのモデルクレジットも60%OFFで提供されるという。
ハードウェアとして新たに「GPS+Beacon Edge Unit SORACOM Edition」もリリースされる。GPS、温・湿度、加速度の4種類のセンサー、Bluetooth(BLE)ゲートウェイの機能、省電力のLTE-MのIoT SIMを内蔵する。給電もバッテリ、USB Type-C、DCを選択できるという。1万8700円で同日から販売を開始し、9月上旬から出荷される。
常時録画を低価格で始められるソラカメに関しては、6月に発表された「ソラカメ屋外スターターキット」、「ソラカメ屋外ソーラーキット」も紹介。さらにSORACOMのビジネス支援サービスとして、ユーザー企業+ソラコムに加え、生成AIを活用することでIoTアプリケーションの開発・運用を支援する「SORACOM GenieBuild」も発表。パートナーブースをアピールした斎藤氏は、「次の10年、この交差点(Crossroad)から始めて行きましょう!」と語り、90分に渡る基調講演を締めた。


