プロセスのオーケストレーションなど、エージェンティックオートメーション関連で3製品を投入
AIエージェント組込みでも「安心・安定」の自動化を、UiPathが新製品発表
2025年04月16日 17時30分更新
UiPath Test Cloud:ソフトウェアテスト自動化にもAIエージェントを適用
2つめの新製品であるUiPath Test Cloudは、ソフトウェアテストの自動化製品。UiPathでは、これまでRPA製品の中でソフトウェアテストの自動化機能を提供してきたが、今回はAIエージェント機能を追加し、テスト専用のソリューションとしてパッケージングされたという。
Test Cloudは、テストのデザインから自動化、実行、テストや結果の管理まで、テストのライフサイクル全体をカバーする。テストケースをローコードでもプロコードでも作成できるほか、API経由での実行の自動化、CI/CD統合も可能だ。
テストの生産性を向上させる専用AIエージェントとして、「Autopilot for Testers」という機能も搭載している。たとえばテストデザインの段階では、テスターが記述したテスト要件やユーザーストーリーの網羅性や明確さなどを評価したうえで、テストケースを生成してくれるという。また、テスト結果に基づくインサイトについてもリアルタイムな支援を行う。
なお夏目氏は、このAutopilotはTest Cloudに標準搭載されるものだが、顧客独自のテストニーズに応じたAIエージェントを「UiPath Agent Builder」で構築することも可能だと説明した。
UiPath IXP:ドキュメントから構造化データを抽出、高度な自動化へ
3つめの発表であるUiPath IXPは、メールなどのコミュニケーションデータ、各種ドキュメントデータに基づく分析/情報抽出/自動化を行う製品だ。IXPは「Intelligent Xtraction & Processing」の略である。
UiPathではこれまで、インテリジェントドキュメント処理製品として「UiPath Communications Mining」「UiPath Document Understanding」を提供してきた。今回のIXPは、この2製品を統合したうえで、新たに生成AIによる非定型ドキュメントからの情報抽出機能を追加した製品となる。
UiPathの山崎麟太郎氏は、現在一般的なOCR製品は「定型ドキュメント(帳票)」あるいは「半定型ドキュメント」しか対応していないが、IXPでは「非定型ドキュメント」まで対応できると説明する。そのため、たとえばレポートや契約書といったドキュメントから構造化データとして情報を抽出し、プロセスの自動化に役立てることができる。
山崎氏は、IXPは「エージェンティックオートメーションの文脈でも非常に相性が良い」と述べて、活用の一例としてローン審査プロセスの自動化を挙げた。ローン審査ではさまざまな種類/フォーマットの申請書類が提出されるが、これを人間が読んで理解し、審査のための情報をシステム入力していくのは手間と時間がかかり、ミスも起きやすい。ここにIXPを適用し、エージェントやロボットとも連携させることで、人間がなすべき処理をレビューや例外処理だけに減らすことができる。
夏目氏は、RPAからスタートしたUiPathの“自動化の歴史”を振り返りながら、その適用領域が、単一タスクのアクティビティから複数タスクのワークフローへ、さらに大規模なプロセスへと拡大してきたことを紹介した。
「(プロセスとは)複数の人や複数の部門が携わるような業務プロセス、そうしたものをエンドトゥエンドで自動化していくことを目指している。そのため、多くのエージェント、ロボット、人が関わってくる。これをどのようにオーケストレーションしていくか、どう連携させてどう業務に提供していくのか。それを考えることが非常に重要になっている」(夏目氏)







